すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

感涙キヨちゃん

2016-04-26 22:05:45 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんはデイサービスをとても楽しみにしている。なのだが、最近は足が弱ったので、迷惑をかけたくないと言うのと、自信が無いのとで、雨降りは休んでしまう。
 これが介護認定しているデイならば、家まで迎えが当り前だが、キヨちゃんの場合、まだ元気な人たちの「きらめき元気アップ」なので、集合場所までは自力である。
 行きについてはくりりんが遅めに出勤なので送って行ったりも出来るが、帰りはどうしたって休みでないと対応できない。
 お天気ならば、ボツボツ(ゆっくり)自分で歩行器を押して坂道も登るが、雨となったら傘と両方は無理だ。
 そこで、前回は大雨の予報だったので休みにしていた。ところがどっこい、当日は晴れ。しかもピーカン。悔やまれるが、それこそ何度も行く行かない言えば、班長さんに迷惑をかけるからと残念ながら休んだ。
 さて、今日はデイの日だった。天気予報では今週はずっと雨の予定だった。しかし、今日は地域のカラオケサークルの人たちが慰問に来る予定だった。そこには友人、知人、親戚が沢山いるので、
 「母さん、今度は雨でも何とか対応するけん、行こう。おっちゃんらカラオケするんよ。」
と教えた。そう、月末ではあるが、キヨちゃんを送る時間くらい休みも取れる。
 カラオケの話をすると、
 「ええ!みんなが歌うんなら是非とも聞きたい。行く!」
と言い、今日を楽しみにしていた。
 さあ、日ごろの行いが良かったのか、何と雨なんて全然の上天気。近所のおばちゃんたちも衣装からお化粧までばっちりで、普段しないマニキュアやラメ、宝飾まで。
 私は仕事だったので観ているわけにもいかないが、デスクワークの間、流れてくる皆さんの歌声はとても素晴らしかった。
 中には玄人はだしの人もいたり、耳がとても遠くて会話も大声でないとダメなお婆ちゃんでも、カラオケにしっかりついていって、美空ひばりを熱唱したり。客はきらめきの人やデイの人特養やケアハウスの人たち。飛び入りでの参加もあった。
 家に帰ると当然キヨちゃんの報告があった。朝はウキウキしたせいか、いつもより早く歩いて行けたらしい。そして、歌に感動し、ほぼ泣きっぱなしだったと言う。そして、どの人の事も褒めまくっていた。
 「ああ、今日は本当に行って良かった。母ちゃん長生きして良かった。」
と感動しきりだった。
 ここまで感動して貰えれば、歌った方も満足だろう。お礼を言わなくてはと、近所と親戚のおじさんには電話していた。
 良かった。本当に良かったね、キヨちゃん。

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