みちのくの山野草

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『筑摩書房様へ公開質問状 「賢治年譜」等に異議あり』(序章等)

2022-02-04 10:00:00 | 「宮澤賢治」検証
【『筑摩書房様へ公開質問状 「賢治年譜」等に異議あり』(鈴木 守著、ツーワンライフ出版、550円(税込み))の表紙】

【目次】

【序章 門外漢で非専門家ですが】

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〈表紙〉 三輪の白い片栗(種山高原、令和3年4月27日撮影)
 白い片栗はまるで、賢治、露、そして岩田純蔵先生の三人に見えた。
 そして、「曲学阿世の徒にだけはなるな」と檄を飛ばされた気がした。

    筑摩書房様へ公開質問状 「賢治年譜」等に異議あり
                      鈴木 守
       目      次 
序章 門外漢で非専門家ですが 1
第一章 「絶版回収事件」と「252c等の公開」 2
 一 はじめに 2
 二 「倒産直前の筑摩書房は腐りきっていました」 2
 三 「初めての絶版回収事件」 3
 四 「新発見の書簡 252c」等の公開 6
 五 とんでもない悪女であるという濡れ衣 9
 六 おわりに 10
〈注〉 11
第二章 賢治の「稲作と石灰」について 12
 一 はじめに 12
 二 知らないのは私たちだけ? 12
 三 「石灰岩抹といわぬ日はなかった」 14
 四 羅須地人協会時代の賢治の石灰岩抹施用 15
 五 東北砕石工場技師時代のコンセプトの変更 18
 六 仮説の定立と検証 19
 七 おわりに 20
〈注〉 21
第三章 『校本全集第十四巻』の「総括見解」も 22
 一 「それはないでしょう」 22
 二 必ず一次情報に立ち返って 22
 三 『賢治随聞』の「あとがき」の違和感 25
 四 「沢里武治氏聞書」の一次情報とは 27
 五 賢治昭和二年の上京 28
 六 当時の「賢治年譜」にはどう記載されていたか 32
 七 もう一つの「総括見解」も 36
第四章 筑摩書房に異議申し立て 38
 一 おかしいと思ったところはほぼ皆おかしかった 38
 二 検証結果についての評価や反応 41
 三 〈悪女・高瀬露〉は人権に関わる重大問題 43
 四 『校本全集第十四巻』も『事故のてんまつ』と同じ 45
 五 強く異議申し立てをすべし 50
終章  54

 現定説〝○×〟とは、大正15年12月2日についての次の記載内容を指す。
一二月二日(木) セロを持ち上京するため花巻駅へゆく。みぞれの降る寒い日で、教え子の高橋(のち沢里と改姓)武治がひとり見送る。「今度はおれもしんけんだ、とにかくおれはやる。君もヴァイオリンを勉強していてくれ」といい、「風邪をひくといけないからもう帰ってくれ、おれはもう一人でいいのだ」と言ったが高橋は離れ難く冷たい腰かけによりそっていた。………○×
〈『新校本年譜』325p~〉

序章 門外漢で非専門家ですが

 私は、賢治好きの友人の影響もあって、中学生の頃は既に賢治が大好きになっていた。そこで、賢治のことも賢治作品も実はよく分かっていなかったのだが、若い頃の私は、尊敬する人物は誰ですかと問われれば、
 微分的で破滅的な生き方をした啄木と違って、積分的で求道的な生き方をした、貧しい農民のために献身したストイックな賢治です。
などと、粋がって答えていたものだった。
 ところが、今から約半世紀以上も前の学生時代のことになるのだが、恩師の岩田純蔵教授が私たちを前にして、
 賢治はあまりにも聖人・君子化され過ぎてしまって、実は私はいろいろなことを知っているのだがそのようなことはおいそれとは喋れなくなってしまった。
という意味のことを嘆いたことがある。
 そこで私は、尊敬している人物は賢治であり、しかも岩田教授は実は賢治の甥(賢治の妹シゲの長男)だったからなおのこと、恩師のその嘆きがずっと気になっていた。とはいえ、学生時代はもちろんのこと、仕事に就いた後も私にはそのようなことを調べるための時間的余裕はなかった。
 それが十数年前に定年となって、気になっていた恩師の嘆きに関して調べようと思えばそのための時間を持てるようになった。そこでまずは、そもそも恩師が嘆いていた中身とは具体的にはどんなものだったのだろうかと思いながら、それに関連することが載っていそうな資料等を渉猟し(  しようりよう)てみた。ところが、ずばりそのことを示すものは何も見つからなかった。
 しかしこのことを通じて、私は文学については門外漢であって、賢治に関しては非専門家ではあるが、現「賢治年譜」等の中にはあまりにもおかしいことが少なからずあるということをそれほど苦労もせずに知った。そして、実際に検証してみるとそれらの殆どはやはり皆おかしかった。
 一方で、私はとんでもないパンドラの箱を開けてしまったのだということも覚った。それは、従来の通説や定説に対しての反例がいくつか見つかったから、もはやそれらは棄却されるべきものだからだ。しかも、それらの中には看過できない人権問題等も絡んでいるものさえもあった。
 そう思っていたところに今度は、「倒産直前の筑摩書房は腐りきっていました」ということを筑摩書房の社史で知ったので、私はもう見て見ぬ振りはできない。そこで、これらのことに関わる問題点を本書によって訴えてゆくことにした。
 とはいえ、老いぼれの私のこの試みはまさにドンキホーテが一本の槍で風車に立ち向かうようなものであり、たちまち風車に吹き飛ばされるであろう。がしかし、やはりおかしいことはおかしいと言わねばならない。さもないと、「あなたには勇気や正義の欠片さえもないのか」と賢治から叱られそうだからだ。そしてそうすることが、賢治の甥である恩師からの最終ミッションだと思えてきたからでもある。そしてなにより、必ずや賢治研究のさらなる発展に繋がるはずだ、という確信が増してきているからである。

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