みちのくの山野草

みちのく花巻の野面から発信。

岩山(9/10、残り後編)

2023-09-20 12:00:00 | 盛岡・紫波周辺
《1 フジウツギ》(2023年9月10日撮影)

《2 ヤマハギと》(2023年9月10日撮影)

《3 ツルフジバカマかな》(2023年9月10日撮影)

《4 ヌスビトハギ》(2023年9月10日撮影)

《5 メドハギ》(2023年9月10日撮影)

《6 ヒトリシズカ》(2023年9月10日撮影)

《7 ギンリョウソウ》(2023年9月10日撮影)

《8 ヤマハッカ》(2023年9月10日撮影)

《9 ツリガネニンジン》(2023年9月10日撮影)

《10 クルマバナ》(2023年9月10日撮影)

《11 イブキボウフウ》(2023年9月10日撮影)

《12 ネナシカズラ》(2023年9月10日撮影)

《13 オミナエシ》(2023年9月10日撮影)

《14 ダイコンソウ》(2023年9月10日撮影)

《15 エノキグサ》(2023年9月10日撮影)


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【新刊案内】
 『このままでいいのですか 『校本宮澤賢治全集』の杜撰』(鈴木 守著、録繙堂出版、1,000円(税込み))

が、近々岩手県内の書店で販売されます。
 なお、本日(令和5年9月20日)以降、本書の購入をご希望の場合は葉書か電話にて入手したい旨のお申し込みを下記宛にしていただければ、まず本書を郵送いたします。到着後、その代金として1,000円分(送料無料)の切手を送って下さい。
            〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守  ☎ 0198-24-9813

 さて、この度の拙著『このままでいいのですか 『校本宮澤賢治全集』の杜撰』のタイトルに、なぜ私は「杜撰」を用いたのか。

 ここまで幾つかの例を挙げながら、『校本宮澤賢治全集』には筑摩書房らしからぬ幾つかの杜撰があるということを論じてきたが、その中には当初入っていなかった、あの「定説★」<*1>までもがかなり杜撰であることがこれで明らかになった。賢治の終焉に関わることだからかつての私ならば触れることさえも畏れ多くて避けてきたこの「定説★」までもが、実は嘘である蓋然性が極めて高いということを知ってしまった。ということであれば、私が最も恐れることは、この嘘かも知れない「定説★」と同じような内容が学校の教科書に載った場合にどうなるかということだ。
 そして実際、先に引用したように、賢治終焉前日の農民との面談、
 そして、一九三三年(昭和八年)九月二十一日が来る。
 前の晩、急性肺炎を起こした賢治は、呼吸ができないほど苦しんでいた。なのに、夜七時ごろ、来客があった。見知らぬ人だったけれど、「肥料のことで教えてもらいたいことがある。」 と言う。すると賢治は、着物を着がえて出ていき、一時間以上も、ていねいに教えてあげた。
〈『国語⑥創造』(光村図書出版、令和3年、122p〉
が載っている教科書が今でも使われているという現実がある。つまり、嘘かも知れない「定説★」と同じような内容が載っている教科書が現在も使われている。
 となると、このような教科書で賢治を習った子どもたちの多くは、賢治は農民のために自分の命まで犠牲にして尽くした立派な人間であったと素直に思い込むであろうことはほぼ明らか。そしてやがて成長するとともに、谷川徹三たちが願ったように、多くの子どもたちは聖人・賢治像を育んでゆくであろうこともまたほぼ自明。
 だから私は世に問いたい、このままでいいのですかと。そして先生方には訴えたい、もう止めませんか嘘の(かも知れない)賢治を使って子どもたちを騙す虞のあることは、と。そして関係者には、『校本宮澤賢治全集』の杜撰がこのままでいいのですか、と言いたい。

<*1:註> 「定説★」:『校本年譜』の昭和8年9月20日の次の記載、
九月二〇日(水) 前夜の冷気がきつかったか、呼吸が苦しくなり、容態は急変した。花巻病院より来診があり、急性肺炎とのことである。…投稿者略…
 夜七時ころ、農家の人が肥料のことで相談にきた。どこの人か家の者にはわからなかったが、とにかく来客の旨を通じると、「そういう用ならばぜひあわなくては」といい、衣服を改めて二階からおりていった。玄関の板の間に正座し、その人のまわりくどい話をていねいに聞いていた。家人はみないらいらし、早く切りあげればよいのにと焦ったがなかなか話は終らず、政次郎は憤りの色をあらわし、イチははらはらして落ちつかなかった。話はおよそ一時間ばかりのことであったが何時間にも思われるほど長く感じられ、その人が帰るといそいで賢治を二階へ抱えあげた。
───★〈『校本宮澤賢治全集第十四巻』(筑摩書房)714p~〉
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