気の向くままに

山、花、人生を讃える

『前世療法』から

2019年06月12日 | 読書

もう20年以上も前になると思うが、飛行機に乗るとき何か読む本はないかと空港の売店を覗くと、『前世療法』という本が目に入った。
題名はいかがわしかったが、「はしがき」を読むと、無責任な、いい加減の本とは思えなかったので買って読んだ。
著者はブライアン・ワイス博士、アメリカの病院の精神科部長とのことだった。

 

ブライアン博士が言うには、例えば、水や暗がりとか、対人恐怖症の患者を治療する場合、どうするかというと、医師が誘導して幼い頃の記憶を思い出させるのだそうである。そして、その原因となる事件や事柄が思い出され、それを追体験すると、恐怖症状は消えるそうだ。何故かというと、多くの場合、それは幼き頃の些細な体験が原因になっていて、それを大人になって追体験すれば「些細なことだった」とわかるからだそうである。

 

ところが、ブライアン博士がある女性患者を誘導中、その原因となっている時までさかのぼるように指示すると、その女性患者は突然、男の声になり、話し方も男の様な荒々しいものになり(時には他国の言葉になったりする)、話の内容も、一体誰の話をしているのかと思うようなことだったりで、博士の頭は「一体何が起きているのか?」と混乱した。

 

話が長くなるので、結論を急ぎますが、要するにこの患者は、突然前世までさかのぼり、前世の記憶を話し始めたのでした。もちろん、ブライアン博士はすぐにそのことを理解した訳ではなく、始めは、何が起きているのかわからなかったし、わかるようになってからも、そんなことはあり得ないと疑っていた。しかし興味をもって治療を続けて行くうちに、前世があることを信じざるを得なくなっていったのでした。

(長くなるので証拠となるような具体例は省略します)

 

そして、それまでの今生の幼い頃の記憶にさかのぼるだけだと、治癒の確率も半分程度だったものが、過去生の記憶までさかのぼると、その治癒率は向上したと本には書かれている。

 

ブライアン博士は、数々のそのような臨床経験を重ねていくうちに、いよいよ過去生があることを確信せざるを得なくなり、博士は特にキリストを信仰している人ではないそうだが、聖書の教育はうけているので、「どうしてこんな大事なことが教えられていないのか」と不思議に思い、図書館に通い聖書の歴史を調べたそうだ。すると、過去の聖書にはいわゆる「輪廻転生」の記述もあったが、ある時代から抹消されていることが分かったそうです。

 

註:『神との対話』では、確か中世の頃だったと思うが、輪廻転生があるとなれば、今生の反省から、次の人生では「やり直し」ができるという事にもなり、教会でお金を献金して懺悔する必要もないと考える人も出て来たりする。そうなれば教会にお金が集まらなくなるからだ・・・ということが書かれていた。

 

そして、ブライアン博士は、どうしてもこの「過去生(輪廻転生)はある」という事実体験を世間に知らせたいと思ったのでした。しかし、キリスト教国のアメリカでは前世などないと信じられている国でしたから、科学者である彼が、そんなことを世間に発表したら、どんなパッシングを浴びるかもしれず、医師としての地位まで失う可能性も十分あったので、発表すべきかどうか、心の葛藤が続きました。

 

しかし、彼はついに勇気を出し、その事を発表することにし、この『前世療法』という本が世に出ることになり、アメリカでベストセラーとなったのでした。その巻末には「この本が出版され、多くの人に読まれるようになってから、アメリカでは過去生があることを信じる人が少なかったが、アンケートでは信じる人が半数を超えるようになったと、「あとがき」か、「解説」に書かれていました。

 

更にまた、同じ医師仲間からは、「自分にもこんな経験があったが、人には話せなかった。よく発表してくれた」と連絡してくれる人も幾人かいた。また、「私にはこんな体験がありました」という多くの報告や、励ましのメッセージをいただいたとのことでした。

以上、『前世療法』という本について書きましたが、最後に、私はこの本を3回読んだと思うが、もう20年近く前のことなので、不正確なところもあると思う。ただ大筋や、この本が何を言わんとしているかなど、肝心なところは間違っていないと思うので、記憶のままに書かせてもらいました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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