令和7年4月8日(火)
3月から今月にかけて、社会を混乱させるシステム障害が続いています。新たな仕組みの導入や改造などに伴うコンピューターネットワークの異常は、一瞬にして社会を混乱させることになり、導入に際しては事前の綿密なチェックが重要となります。
今後ますます、DX化が進むと、ネットワークが広がり一部で発生した異常が、そこと連携した広範囲に及ぶことも想定され、社会の混乱は想定以上に大きくなる可能性があります。
このところ大きな問題となったのは、マイナンバーカードと自動車運転免許証の一体化に伴うものと、ETCが利用できなくなる事態でした。
マイナンバーカードと運転免許証が一体化した「マイナ免許証」は3月24日から運用が始まりました。一方で、システム障害のため一体化の手続きができなかったり、「マイナ免許証」の情報を読み取るアプリに不具合が見つかったりと、トラブルも相次ぎました。
今後、自動車免許証は、マイナンバーカードと免許証を一体化させて「マイナ免許証」を取得するか、従来の免許証を今後も持つか、あるいは、両方持つかを選択することができます。「マイナ免許証」は、マイナンバーカードのICチップに運転免許証の番号や有効期限、顔写真などの情報を記録します。
今回のトラブルは、システム障害のため一時、マイナンバーカードに免許証の情報を登録する手続きができなくなった事態が全国で発生しています。
加えて、利用者が免許証の情報を読み取る専用のアプリの一部に不具合が見つかりました。「マイナ免許証」はカード表面に免許証の有効期限などの情報が表示されないため、利用者は専用のアプリで読み取って、有効期限を確認したり、レンタカーを借りる際に提示したりすることになっていますが、読み取った際に表示される免許証の画像の一部が正しく表示されない不具合が発生しました。
免許証の更新手続は申請者にとって、貴重な時間を割いて行くもので、このような事態を理由に、再度、手続のために出かけて行くことは理解しにくいことだと考えます。
高速道路網が整備され、料金所をスムーズに通過できるETCシステムは、大変便利なもので、利用者は95%を超えています。特に、スマートインターチェンジでは、ETCのみが使えるので、増え続けているスマートインターチェンジが使えなくなるととても不便です。
4月6日には、7月頃予定している深夜割引の見直しによるシステム改造に不具合が生じたことで、障害が発生したようです。
この日、私が会長を務める、日本空手協会静岡県空手道選手権大会が藤枝市にある県立武道館を会場に開催されました。全県下から750名の選手とその関係者が集まる武道大会ですが、ETC障害のトラブルに巻き込まれた方もいたようです。
報道では、インター近くは大渋滞となり、交通事故も発生したようです。ETCが使えなくなれば、昔と同じように人が徴収することになり、渋滞は免れません。徴収員のいないスマートインターチェンジはどうなったのか気になるところです。
システムの導入や改造では、ソフトウェアなどを中心に、事前に念入りにシミュレーションし問題を解消してから投入します。トラブルは切り替え時に予想もしなかった状態が発生することはあり得ることで、その場合は速やかに正常に動いていた元に戻すことが求められます。復旧に時間がかかることはあるかも知れませんが、トラブルを見込んでバックアップ体制を考えることは、基本中の基本と考えます。
DX化が進むということは、このようなリスクも増えることになると予想しますが、社会の混乱にならないよう、関係者には最小限のロスタイムで済ませられるようお願いしたいと思います。
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