白川郷の村はずれに咲いていたネナシカズラ:根無葛(ヒルガオ科ネナシカズラ属)です。
つる性の寄生植物で、種子が芽をだしてしばらくはつるを伸ばしますが、寄主を探り当てると巻きついて、コブのような寄生根を出して養分を吸収するようになると、下の部分が枯れて根無しになります。葉緑素を欠き、葉は退化しています。
最近は各地で外来種のアメリカネナシカズラ:アメリカ根無葛がよく目立ちますが、ネナシカズラは、花序が穂状になり、雄蕊5個が花冠より短く、花柱が1個なのに対し、アメリカネナシカズラは花序が穂状にならず、雄蕊が花冠よりつき出て、花柱が2個などで区別されます。
“根無し草”などという場合は、根拠がない、しっかりしないといった意味がありますが、ネナシカズラはしっかりと他人から養分を頂くしたたかで強欲な草です。