季節で分類している植物図鑑では、花より果実が目立つ品種は当然ですが実りの季節に入れられています。タンキリマメ:痰切豆(マメ科タンキリマメ属)もそんな一つです。
山や野にはえるつる性の多年草で、全体に逆向きの軟毛があり、3小葉の葉の幅が中央より上が最も広くなっていることで、類種のトキリマメとは区別されます。
7~9月に葉より短い花序に黄色で長さ8~10㎜の花を10~20個つけます。地味な7花よりも目立つのが秋に実る果実で、真っ赤なサヤが開くと、中に黒光りする種子が2個入っています。
この豆が名前の由来である痰切豆で、豆を食べて、あるいは煎じて、咳止めや痰切りの薬に用いたからだそうですが、単なる俗説とする向きもあります。