新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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サネカズラ:実蔓(和菓子の鹿の子に似る)

2010-12-13 07:05:25 | 植物観察1日1題

サネカズラ:実蔓(モクレン科(またはマツブサ科)サネカズラ属)の真っ赤な果実が秋の陽に光っています。和名の実蔓は秋の果実が美しいことからきています。
古くからサナカズラとも呼ばれ、詩歌にもうたわれてきました。蔓が分かれてまた会うということから“会う”にかかる枕詞にもなっています。百人一首の「名にしおはば 逢坂山のさねかずら 人に知られで来るよしもがな」も同様の意味合いからでしょう。
別名のビナンカズラはつるや葉を水に浸して出る粘液を、男の整髪に用いたので美男蔓の名があるといいますが、実際には男女を問わず用いられたようです。
トロロカズラ、フノリカズラ、ビンツケカズラなどの別名もこの粘液からきています。
雌雄異株で、赤く熟した集合果は、餡玉のまわりに小豆や栗をつけた和菓子の“かのこ”を想像させます。
ためしに一粒とって口に含んでみましたが、ただ青臭い味がして、いただけない味でした。