簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

天安河原宮(高千穂ドライブ旅)

2017-08-07 | Weblog


 太陽神であるアマテラスオオミカミが、スサノオノミコトの行状に怒り、天岩戸にお
隠れになり磐戸を閉め籠ったため、その支配する高天原も葦原の中つ国(日本の
国)も暗闇に包まれてしまった。



 しかもその後、疫病が流行り、不作が続くなど、さまざまな災いが起こったので、
八百万の神々は困ってしまい、皆が寄り集まって対応を協議したと神話は伝えて
いる。その神々が寄り集まって協議したとされる場所が天安河原である。



 天岩戸神社の裏口から一旦表の県道に出て暫く歩き、茶店が建ち並ぶ辺りで右
に折れ、坂道をどこまでも下りて行く。
鬱蒼と茂る木立の中に続く道を下り、途中で岩戸川の支流に架かる小さな橋を渡る。
太鼓橋と名付けられた橋で、噂によればこの辺りの“気”は特別のものがあるらしく、
パワースポットとして人気の場所だとか。



 そこから更に進むと岩戸川の流れは凡そ深山幽谷の趣で、岩を食む瀬音が高い。
その流れに沿って続く道をさらに進むと、やがて川床が広がり、左手に大きな洞窟
が見えて来る。そこには小さな鳥居が建ち、奥に祠が祀られている。
この地こそが天安河原であり、祠は天安河原宮である。



 そこら辺り一帯には、石で積み上げた小さな塔が無数に拡がっている。
小石を二つ三つ積み上げただけの簡素なものから、大きな岩の上に段々に小さな
岩を積み上げたものまで、無限とも思える石塔が周りに異様な雰囲気を伝えている。



 参拝に訪れた人々が願をかけ、一つずつ積み上げたものらしく、この光景が幻想
的で、この地の神秘さを一層高めている。(続)



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天岩戸神社(高千穂ドライブ旅)

2017-08-04 | Weblog
 何時降り出してもおかしくない曇り空から、雨が一粒、二粒と落ちてきた。
カーナビに導かれ、丁度天岩戸神社の駐車場に向かう坂を降り始めた時だ。



 国道325号線から国道218号線で高千穂の町に入り、馬門で県道7号線に入る。
曲がりくねった県道は、左程広くは無いが、行きかう車も少なく、走りやすい。
凡そ6キロの道のりは、長閑な山里の風情で何とも癒される。



 岩戸集落の中心街を抜け、右折すると正面に門前の商店があり、その手前を左
に折れると駐車場である。
そこには既に、何台かの観光バスや多くの乗用車が停まっていた。



 思ったよりも広いスペースが広がっていたが、それでも連休時ともなると満車が
続き、県道が渋滞することもあるそうだ。この日が平日で良かったと思う。
近頃のパワースポットブームによるものらしい。



 参道の右側には鬱蒼とした自然林が続いている。
その向こうに岩戸川が流れているが、その緑の壁に遮られ、瀬音を耳にすることは
無い。聞こえるのは踏みしめる玉砂利の音ぐらいで、雨音は静かに参道に吸い込
まれている。



 苔むした石灯籠が古社の風格を漂わせるここは、古事記・日本書紀に書かれて
いるアマテラスオオミカミが隠れたとされる天岩戸をご神体として祀り、天岩戸神話
の里と言われている。



 その天岩戸は拝殿の背後、岩戸川を隔てた向こう岸にあるため、拝殿から目に
することは出来ない。ここでは社務所に申し込むと、神職の案内付きでこちら岸か
ら遥拝することが出来るらしい。(続)



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いきなりだんごとかかし(高千穂ドライブ旅)

2017-08-02 | Weblog
 宮地を後に国道265号から国道325号に入り、高森峠をトンネルで抜け、奥阿蘇と
言われる地域に入り、途中奥阿蘇物産館に立ち寄ってみた。



 嬉しいことにここには熊本名物、「いきなりだんご」が店先に並んでいた。
「いきなりだんご」と言うのは、サツマイモを輪切りにしたものと小豆餡を、餅生地で
包み蒸したこの地方の郷土菓子である。
突然の来客でも、時間を必要とせず手軽に家庭で作れると言うのが、名前の由来
らしい。



 以前九州旅行の折、たまたま立ち寄った人吉のお菓子屋さんの店先で、ア
ツアツを頬張ったのが始まりで、それ以後どう言う訳かすっかりはまり、地元の
デパートなどの九州物産展などで出店が有ると良く買い求めていた。



 最近では色々なバリエーションがあり、餡の栗やクルミ入り、紫イモ餡や小豆も粒
あん、こしあん、白あんなど様々あるらしいが、昔ながらのさつまいもと小豆餡のシ
ンプルなものが一番美味いように思う。



 更に進んだ国道脇の、稲刈りの終わった田圃の中に大勢の人が出て、何かイベ
ントをやっている様子が目に入って来た。
何だろうと、脇道に車を寄せて見ると、何と人ではなくそれは作り物の人形、案山子
である。ざっと数えてみると三十体ほどが表情も豊かに田圃の中に立っている。



 後日ネットで調べてみるとそれは奥阿蘇・草部集落のかかし祭りで、毎年稲刈り
が終わった10月初めころから約一か月間にわたり行っていると言う。
思わぬところで「いきなりだんご」と「かかし」がホッコリと、ドライブ中の疲れを癒し
てくれた。(続)





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