簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

八塔寺川ダム(JR乗り潰し・山陽本線)

2016-03-07 | Weblog
 吉永の駅からは閑谷学校とは反対方向の北に向かい、八塔寺川を源流域に向
け10Kmほど遡ると山道が突然開け、目の前に巨大なダムと公園が見えて来る。
吉井川水系金剛川の支流八塔寺川に造られた「八塔寺川ダム」だ。





 堤の長さ226m、高さ44m、幅5.0mの重力式コンクリートダムで、周辺にはダムを
巡るサイクリングロード(岡山国体時の自転車競技会場)や「石彫公園」などが整備
されている。

 ここら辺りまで来れば人里からは遠く周囲は山又山で豊かな自然が満喫できる。
春の新緑や、夏のホタル、特に紅葉の季節は美しく、隠れた名所として人気が高い
ところだ。
又最近では「ダムカード」を求めて管理事務所を訪れる人も増えていると聞く。



 「石彫公園」には、古代からのメッセージをイメージして作られた石の彫刻が並び、
イギリスのストーンヘンジかローマかどこかの古代遺跡のような雰囲気の造形が目
を楽しませてくれる。

 公園の前には地元野菜を直売する「八塔寺ガルテン」が有る。
施設にはレストランが併設されていて、ここでは地元野菜をふんだんに使った田舎
料理おふくろの味を食べさせる農村バイキングが安くて美味いと評判を呼んでいる。





 このダムを後にさらに上流の八塔寺山に向け、九十九折の道を登ると、渓流は狭
く深くなり瀬音も高くなる。
そんなな流れを見ながらさらに上り詰めれば突然山頂近くの周囲が開け、穏やかな
里山が広がる小さな盆地のようなところに出る。
そこが標高400m余りの高原に開ける「八塔寺ふるさと村」だ。(続)



   
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旧閑谷学校(JR乗り潰し・山陽本線)

2016-03-04 | Weblog
 次の吉永は国の特別史跡に指定されている「旧閑谷学校」の最寄り駅である。
とは言え、駅前から路線バスは有るもののその本数は極めて少ない。
(平日二往復程度)
 歩けば3キロメートル余り、緩やかな登り坂の道ではあるが沿道は静かな山里
の感じられる風景が清々しい道なので、ゆっくりと歩いて訪れるのも良いだろう。





 旧閑谷学校は岡山藩で名君の誉れが高かった池田光政が、郡代・津田永忠に
命じて造らせた、世界最古の庶民の為の学校・儒学の殿堂である。
2015年4月、「近世日本の教育遺産群 学ぶ心・礼節の本源」として認定されたこ
とはまだ記憶に新しく、これを弾みに「世界遺産」登録への期待も高まりつつある。



 この地を訪れて、まず目に付き驚かされるのは校地を取り巻いている石塀である。
高さは2メートル程で、蒲鉾型に盛り上がった構造で、不整形な石を隙間なく巧妙に
組み合わせる「切り込みはぎ式」と呼ばれる築造である。
元禄14年から今日まで、未だ隙間から草一本生じていないと言う。



 学問所らしく正面には孔子を祀る聖廟と、学校の創始者である池田光政を祀る
「閑谷神社」が並び建っていて、その左手の芝生広場の奥に、学校の中心的な建
物「講堂」が建っている。
一層の入母屋造り、花頭窓の連なりが美しい建物で屋根には備前焼の本瓦が葺
かれ、国宝に指定されている。
その内部の床は、拭漆仕上げで見事な黒光りを見せている。





 聖廟の前に立つ一対の櫂の木は、中国山東省の孔子廟から持ち帰った種子が
育ったもの。毎年11月に入ると見事な紅葉を見せ、ライトアップが見ものの一つと
なっている。(続)

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三石の耐火煉瓦(JR乗り潰し・山陽本線)

2016-03-02 | Weblog
 山陽本線の列車は、兵庫県の相生を出てその先の有年を過ぎると、その進路を
大きく北に向け次の上郡を過ぎたあたりで南下して岡山県の最初の駅三石に至る。
 地図を見ると良く解るが有年からはほぼそのまま西進すれば三石には、半分ほど
の距離で行けるのにわざわざ遠回りしているのである。



 これは線路の急な勾配を押さえるため立ち塞がる有年の丘陵を避け、車窓左手
に見え隠れする千種川沿いの低湿地へあえて迂回させたためらしい。
そこら辺りの事情は、車窓の景色からも十分に窺い知ることが出来る。
上郡を出るとやがて町並みは途切れ次第に車窓には丘陵が近付き、山里の趣が
強くなり間もなくトンネルに入っていく。



 岡山と兵庫の県境を成す船坂峠の下を貫くトンネルである。
ここは上り線と下り線が別になっていて、上り線の方が900mほど長くなっている。

 トンネルを抜けると三石で、列車が駅に近づくと、車窓からは工場の建物や煙突
を目にすることが出来る。その内の一本は、造られて120年にもなる煙突だ。





 多くは耐火煉瓦の工場である。
明治30年代、官営八幡製鉄が操業を始めると耐火煉瓦の需要が一気に高まり、
ここ三石や近くの片上、日生地区には相次いで諸企業が進出し、一大生産地と
なり岡山を農業県から工業県へ躍進させる原動力の一つとなった。
この付近には、レンガの材料となる良質な蝋石を産する山が有ったからだ。





 今日岡山県の耐火煉瓦出荷額、301億円(平成14年岡山県統計)は全国一位で、
そのシェアは凡そ3割を誇っていてその主要な生産地の一つがここ三石地区であ
る。(続)

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