簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

炭坑の町 (JR乗り潰しの旅)

2013-03-06 | Weblog


 筑豊本線の新飯塚から、日田英彦山線の田川後藤寺までの13.3キロを後藤寺線
と言う。かつて、最盛期の頃の筑豊炭鉱で採れる石炭をSLが牽引する長大な貨物
列車でピストン輸送していた花形路線である。



 しかし、今その面影を残すのは、麻生ラファージュセメント社の要塞のような工場が
残る船尾駅付近だけだ。
後はのどかな山村と住宅の建つ風景の中を、ローカル線らしくたった一両のジーゼル
カーが20分余りで駆け抜けている。





 近代化が急速に進んだ明治以降、石炭の需要が高まり、ここ田川の町にも大手の
三井鉱山が進出した事で炭都として発展する。
 昭和30年代の筑豊地帯に網目のように張り巡らされていた鉄道路線も、その後半
に成ると石油等のエネルギー革命の波に呑まれ、石炭産業の衰退と呼応するかのよ
うにそれらの路線も殆どが廃線に成り消えて行った。



 田川後藤寺からは、かつての石炭輸送を担った糸田線が、第三セクターの運営する
平成筑豊鉄道糸田線として残り、運行している。

 

 田川後藤寺駅の隣駅、日田彦山線の田川伊田駅は、かつて年間石炭発送量が
最多を誇った駅で、今その近くには、「田川市石炭・歴史博物館」が有る。
また、この町は「炭坑節」発祥の町としても知られている。



 歴史博物館には、筑豊炭田の隆盛を今に伝える資料が残されている言う。
かつて経済を支えた筑豊炭鉱の歴史をいつかは訪ねて見たく思っている。(続)


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筑豊本線 (JR乗り潰しの旅)

2013-03-04 | Weblog
 「筑豊」と聞くと矢張り「炭坑」が思い浮かぶ。
昭和30年代の初めにピークを迎えた石炭産業の根幹を支えたのが鉄道輸送で、
その背骨とも言うべき路線が筑豊本線であった。
 当時の路線図を見ると沿線の各駅からは、各炭鉱へ向かう数えきれないほど
の路線や専用線が伸びていたが、今では殆どが廃線に成っている。



 筑豊本線は、鹿児島本線の原田から若松に至る66.1キロの路線で、福岡県内を
走っている。 かつて石炭産業を支えた花形路線も今その面影は無く、原田と桂川
(けいせん)の間は“原田線” 、桂川と折尾の間は“福北ゆたか線”、折尾と若松の
間は“若松線”と本線は三つに分断され、それぞれの愛称で呼ばれている。
当然のようにそこを通して運行される列車は無い。





 この路線に有って一番に変身を遂げたのが、桂川と折尾の間である。
この路線は、博多の北、鹿児島本線の吉塚から桂川に至る篠栗線と合わせて“福北
ゆたか線”と呼ばれるように成った。
通勤通学用の近郊路線と成り、多くの列車が博多と折尾の間で運行され一部の列車
は折尾から鹿児島本線に入り、黒崎や小倉、門司港まで運行されている。



 電化された“福北ゆたか線”に比べると、桂川と原田の間の“原田線”は取り残され、
別のローカル線のような扱いである。





 非電化区間に運行される列車は、朝夕を中心に8往復のみで日中は殆ど走らない。
ここはかつての花形路線の凋落を象徴する路線に成り下がっている(続)


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海の中道 (JR乗り潰しの旅)

2013-03-01 | Weblog
 伊万里から筑肥線で唐津・博多を経由し、香椎に向かい、香椎線を乗り潰す。
香椎線は鹿児島本線の香椎を中心に、西戸崎と宇美を結ぶ25.4キロの路線である。

 宇美はここから歩いて10分程のところにある“宇美八幡宮”の門前駅で、それにあや
かって駅舎は神社風でその柱は朱色に塗られている。



 駅の窓口に、“辛子めんたい風味 めんべい”成るものが置かれていた。
駅員が「美味しいですよっ・」と言うものだから買ってみたら、これがめんたい味・ピリ辛
のパリパリ煎餅で、ビールが進みそうで意外にも(?)美味しかった。



 沿線は田圃の中に新興住宅地が点在す大都市の近郊と言った感じで、乗客も学生や
通勤客が多いようだ。酒殿の周辺には、かつての炭鉱のボタ山も残されているらしいが、
車窓からはどれがその山なのかは良く分からない。長者原では篠栗線とクロスする。
博多の町へ出るにはここで乗り換えた方が早いようで、さすがに乗降客が多い。



 その先で、新幹線の高架を潜ると鹿児島本線の香椎に到着する。
ここから終点の西戸崎までは“海の中道線”の愛称が付けられている。
歴史上に名高い“金印”が発見された志賀の島は、この沿線の先に有る。





 列車は海に突き出た砂州上を行く。
本線を跨ぎ九産大を過ぎ、福岡マラソンの折り返し地点として知られた雁の巣辺りから
は両側に海が近づく。左手に博多湾の海が広がり、右手には防砂板に阻まれた砂の
壁が続き、海が見えるのはほんのすこしの区間しかないが、何とも贅沢な風景を楽し
める路線である。(続)






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