簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

66番札所・雲辺寺(四国遍路の旅)

2014-06-04 | Weblog
 四国霊場の中でも最も高い場所にある雲辺寺は、行政上は徳島県に含まれて
いるが、霊場としては讃岐路(香川県)の打ち初め寺である。



 佐野の集落から登山道を登れば徳島県側を、ロープウエーなら香川県側を来る
こととなり、寺域に入ると境内で徳島県と香川県の県境をまたぐことに成る。



 寺は既に鎌倉時代には七堂伽藍が整備され、盛時には十二坊末寺八ケ寺を有
する大寺で有ったという。一時衰退した時期も有ったようだが、「四国の高野」と言
われるだけに伽藍は整備され、中には再建され新しくて立派な建物も多い。



 山の地勢を巧みに利用し、本堂、護摩堂、本坊、茶堂などが配されていて、千メ
ートルの高所にある札所を感じさせない。



 境内に「おたのみなす」のこしかけが有る。
説明によると、ナスの花は一つの無駄なく実となり、「成す」との語呂が同じで、努
力が報われ、願いがかなう縁起物ということらしい。



 昨夜、佐野の民宿岡田には9人の宿泊客があり、満室であった。
その内の一人は番外札所・箸蔵寺に行くと言っていた。しかし他の同宿者は、皆こ
こに来ているはずだが誰一人、と言うよりも他の参拝客も含めだれの姿も見えず、
広い境内が閑散としている。



 いくら遅くても雲辺寺の山登りでは3時間はかからないというので、その時刻から
は既に1時間半以上が経過しているから既に山を下っているということか。
ロープウエーを選択したばかりに、随分と後れを取ってしまった。しかし、そのこと
よりも、苦しむであろう山登りを避け、歩いて登らないというこの弱気の選択をした
ことに、今、いささかの後悔と自己嫌悪を覚えている。(続)



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