旧東海道が国道42号線に出る辺りの地名は浜名と言うが、昔は橋本と
呼ばれたところだ。
ここがかつての「津波で消えた幻の宿場・橋本」かと思ったが、格段の
説明も書かれてはいないので、真意のほどはわからない。
当時、浜名湖から流れ出る浜名川には、浜名大橋が架かっていたが、
その位置も定かにはわかっていないようだ。
現在でもこの近くには浜名川も流れているし、流れそのものも変わり旧
浜名川と言われるものもあるらしく、そうした場所からは橋柱と思われ
る跡が何か所か発見されているらしいので、度々架け替えられたのでは、
とも言われている。
旧東海道は、橋本西の教恩寺の前で国道42号線と別れ、浜名旧街道に
入り西に向かう。
国道から離れ500mほど行った途中には、室町時代に将軍・足利義教が
紅葉狩りをしたことから「紅葉寺」と呼ばれるようになった寺がある。
寺も今は「苔むした石段の上のそれは跡形もなく廃寺になっていた」
(「東海道中膝栗毛を旅しょう」田辺聖子 2016年 KADOKAWA)の
有様で、街道からは山に向かってのぼる石段を見通すだけである。
所々に松並木を残す、緩やかなアップダウンを繰り返す道で、通行す
る車も少なく、多くは歩道が整備されていて歩くには快適だ。
右手は急傾斜な山の斜面が迫り出し、その裾の窮屈そうな場所に民家が
建て込んでいる。
左手には国道42号とその向こうに国道1号潮見バイパスが併走する。
その奥は砂丘が延びる遠州灘の筈だが、松の防風林であろうか、濃い緑
の帯が見えるだけで、残念ながら海は見えない。(続)
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