簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

本州の袋小路(JR乗り潰しの旅)

2013-11-08 | Weblog
 折角はるばるこの地を訪ねたのだから、あちこちと見て回りたいので、
歩いて回るそのルートをバスの運転手に尋ねてみた。
 もう一人の釣竿青年はと言うと、「私はとにかくホテルまで」とバスの
運転手に告げていた。



 町営バスは、駅の左手から始まる「竜泊ライン」には背を向けて、三厩の
町中を終点の竜飛崎に向けて走り出した。



 バスは時折海沿いの広い道を外れ、思い出したように集落の中の狭い道
を、民家の軒先を擦るように走り抜ける。
旧道沿いには、古くからの板張りの粗末な家屋に混じって、所々でカラフル
な色をした新しい家も混じっているが、余り商店らしきものを見かけない。



 かつて岬までの道のりはたいそう厳しいものであったらしい。
バス道は海岸ぎりぎりで、時には波しぶきを被ることも有った。



 
 しかもそのバスが通うのも途中の宇鉄までで、その先は岩山をよじ登っ
たり海中の洞穴を潜り抜けたりと言うありさまであったと言う。



 「この本州の路のきわまるところの岩石や水も、ただ、おそろしいばかりで、
私をそれから目をそらして、ただ自分の足元ばかりみてあるいた」と、竜飛に
向け歩いた太宰治は、この地を「ここは本州の袋小路だ」と表現した。



 大正から昭和の初めにかけて、発破と手掘りにより途中には13もの岩を
くりぬいた洞門を通し、現在の国道339号の基礎が築かれた。
当時道路作りの中心にあった地元漁協のあわび潜水器事業の収益で賄っ
たことから、完成すると「あわび道路」と呼び親しまれたと言う。(続)






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