その先の小出は、只見線の分岐駅だ。
ここと福島県の会津若松を結ぶ路線が只見線で、山間の過疎地を行く路線では
あるが、只見川に沿って秘境を行く趣ある線として、特に秋のモミジのころや雪深
い厳冬のころの人気も高い、知る人ぞ知る観光路線でもある。
何年か前、会津若松駅前のビジネスホテルに宿を取り、6時前の始発列車に乗っ
たことが有った。
当時は、会津若松と小出を結ぶ便は一日三本しかなく、この始発を逃すと次は13
時過ぎ、その次は17時過ぎとなる。終着駅までは4時間以上を要していた。
その日は休日で、通勤通学客の姿は無く、18きっぷを持ったと思える観光客風
(鉄ちゃん風)の乗客数人のみを乗せて発車した。
列車が駅々で停車を重ねても、時折思い出したような乗り降りがあるだけで、ただ
淡々と終着駅を目指し、川の蛇行に合わせカーブを数えていた。
そんな車内はさながら写真の撮影会の様相で、右に左に展開する車窓風景に、
歓声をあげながらカメラを抱え右往左往していた。
余談になるが、その時撮影した貴重な写真が、後日自身のパソコントラブルで、
全て失われてしまったことが、今では残念でならない。
只見線は現在、会津川口と只見間が、平成23年の豪雨災害で甚大な被害を
受け、未だに不通になったままであり、バスで代行されている。
部分的には復旧が急がれてはいるが、全線復旧となると見込みは立っていない
ようだ。線路が流され、何か所もの橋梁を失ったローカル線は、今、廃線の危機に
直面している。(続)
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