簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

肉刺の処置(四国遍路の旅・高野山編)

2015-08-28 | Weblog
 歩き遍路がその道すがら泊まる宿は、たまに近くに手頃なのが無く観光旅館と
言う事も有るが、多くは安く泊まれる昔ながらの遍路宿か宿坊、民宿や小さな旅
館である。



 食事が出来て、風呂に入り、柔らかい布団で寝て、洗濯が出来れば良いわけで、
何も高い宿に泊まる必要も無く、多くの場合二食付き6000円程度の宿を利用する。



 歩き疲れた身には、そんな宿でお風呂に浸かるだけで十分で、これが何よりもの
安らぎである。こんな宿の多くは、一人二人程度しか入れない小さな浴槽だが、時
に手足を思い切り伸ばして入れるような大浴場に出会うと本当に嬉しくなる。



 そんな風呂で、見知らぬ遍路同士が出合えば、当然話は苦労話へと向いて行く。
見ればその足元も、テーピングされ、シップや絆創膏が張られ、時には足指の爪が
黒くなっていたりもする。



 歩き遍路は誰しもが足元には、苦しめられているようだ。
そんなある日、ある宿で、先達から良い話を聞いた。
「肉刺は放っておいたらダメ。すぐに潰し、水さえ出せば後は何ともない」と言う。



 早速試してみると、これが中々良さそうで、以後歩きに出るたびに少し太めの木
綿針を持ち歩くようになった。
ライターで針先を十分に焼き、出来た肉刺に何か所か穴を開け、たまった水を絞り
出し、後はしっかり消毒液をふりかけ、絆創膏かテープを巻いておく。
 夜なら、明けた穴に木綿糸を通したままにすると、寝ている間に穴がふさがり再
び水が溜まることも無い。



 この処置は殊の外効果的で、以後は肉刺に悩まされ、痛くて歩けないなんてことは、
格段に少なくなった。(続)





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