簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

聞きしに勝る難所(四国遍路)

2012-11-21 | Weblog
 「八幡さん」の参道を下り、その下の茶店でアイスクリンで体を冷やし一休みの後、
覚悟を決めて凡そ4キロの山登りに挑む。



 茶店から20分ほど上ると犬塚池と言う、悲しい犬の伝説が伝わる少し大きな池がある。
『昔、英福寺か仙遊寺で飼われていた犬がいた。悧巧な犬は、お寺の鐘が鳴るとそのお
寺に駆け込んで用を受け、他方の寺に駆け込んでお互いの寺の、言わば飛脚の役目を
果たしていた。ある日どうした手違いか二つのお寺の鐘が同時に鳴った。
どっちに駆け付けようか迷った犬は、散々右往左往した挙句池に落ちて死んでしまった。』



 山道は途中から車道に合流し、15分ほどの上りで真新しい山門に到着する。
ここまで上り道に50分ほど要していたが、聞いていた程には厳しい上り道ではなかった。
「なんだ、大したことはなかったなあ」と山門で一休み。



 近くでお参りをしていた男性に話を聞くと、本堂はここから石段を登ったところにあって、
これが本来の遍路道だと言う。
 見れば山門を潜った先に手すりの付いた、急な石段が鬱蒼とした森の中に延びている。
地図で確認するとこの辺りの標高は210m、58番・仙遊寺は「おされさん」の名で知られる
海抜300mの作礼山の山頂近く、標高260m付近にある。



 この登り坂、評判通りの急坂で、先の岩屋寺を彷彿させるものがある。
曲りくねって上る不揃いの石段は、結構足に来るし、何よりも息が上がる。
 途中下りてきた夫婦連れ遍路に「あとどれくらい?」と荒い息で問いかけると、「もう
ひと頑張り・・」と笑って答えてくれた。(続)



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