soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「潮風とべ一コンサンドとへミングウェイ」年齢を重ねることの意味を考える

2006-10-31 18:37:00 | ミニシアター系映画
「潮風とべ一コンサンドとへミングウェイ」★★★wowowにて鑑賞
ロバート・デユバル、リチャード・ハリス、サンドラ・ブロック主演
1993年アメリカ

70歳を過ぎた二人の老人、
一人はレストランでサンドラ・ブロック演じる
ウエイトレスに会うのが楽しみで通っている、
食べるのはいつもベーコンサンドだ。

もう一人はへミングウェイと
レスリングをしたと言い、奇行が目立ち、
今だ女性を追い求める。

性格も正反対な二人が
心を通わせていく、
ダンスパーティーに誘うシーンは
コミカルながら、ちょっとジーンと来た。

夫婦であっても死ぬまで一緒とは限らない、
どちらかがどちらかを残して行くことになる。

だからその後にも孤独はやってくる。

そんな時どうふるまえばいいか
この映画にヒントがありそうだ。

迷惑をかけないなら、好き勝手やればいい、
狭い視野でこれまでの慣習に縛られて窮屈な思いを
することにどれだけの価値があるか。

主役がじいさん二人という
地味な映画、しかもどこかに死の匂いがただよっている、
最後のロウソクの輝きのような映画かもしれないが、
いつか終わってしまうなら、
こんなふうにやって見ろよと言っているようで、
重いテーマをサラリと描く
この軽妙さはさすが。

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ヴェトナム映画「サイゴン・ラブ・ストーリー 」東京国際映画祭アジアの風より

2006-10-30 21:10:00 | 香港・アジア映画
「サイゴン・ラブ・ストーリー 」★★★
リンゴ・レー監督

1980年代のヴェトナム。
道端の物売りが賑やかな様子から
始まるこの作品で
最初から違和感を覚えた。

今年、そして
一昨年と訪れたハノイでは、
この映画に出てくるような
アオザイ姿を
全く見かけなかったからだ。

レストランやホテルでは見かけたが、
やはり座ったり動き易い服装に変わっている。
もちろん設定上の20年くらい前は
きっと多くの人がまだ伝統的な服装を
していたのかもしれない。

変わって欲しくないなと考えるのは、
旅行者の勝手な思い入れか。

映画自体は本当に好きな人とは結ばれず、
逆玉で社長令嬢と結婚した男の
軟弱な後悔の念が周囲を振り回すもので
目新しくはない。

しかし単なる旅行者では
見ることが出来ないベトナムの若者の
日常が見ることが出来て面白い。

日本で人気のベトナムの焼き物、
バッチャン焼きの陶器なんて全く登場せず、
中華料理の安っぽい器で皆が食事をしているところを
見ると、色んなものが外から作られた情報で
成り立っている事が分かる。

ヴェトナムでは自国製作の映画はまだ少ないようだ、
この映画も洗練には程遠いが
人柄の良さが伝わる丁寧なつくりで
今後、アジア各地の独特な映画が
日本でもっと見られるだろうなとそんな予感をさせてくれた。

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「チャーミング・ガール」同じ毎日の繰り返し、息詰まる日常

2006-10-29 21:41:08 | 韓国映画・アジア映画
「チャーミング・ガール」★★★
キム・ジス主演
イ・ユンギ監督、2005年、韓国

29歳バツイチ、
郵便局勤務の女性。
夕飯はカップラーメンと
宅配のキムチ
TVを見て、
ベランダの観葉植物の世話をし、
捨て猫を飼い始めた。

特に変化の無い毎日、
同僚との付き合いも積極的でなく、
判で押したような毎日を送っている。

平凡な毎日だ、
ついそんなふうに思うが、
これは見てる人達の日常そのままでもある。

強烈に求めるものも無く、
大きな変化は望まず、
建設的な何かを着々と準備しているわけでもない。

不幸かと言えば言えなくも無いが、
求める幸せの像が見えないのだから、
全くの不幸という訳でもない。

見終えて「面白くないな」と
そんなふうに思うが、その後でぞっとする。

面白くないのは自分自身の日常のようで、
そんなはずはない、
そんなはずはないと思いながら、
ラストに彼女にわずかな暖かい光が見えたことを
わざわざ思い出し、少しほっとするのだ。

こういう映画は人には勧めないが、
こういう映像を作る作り手の
計算された策略のようなものにはぞっとする。

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「トンマッコルへようこそ」久々の韓国映画の傑作登場

2006-10-28 21:46:15 | 韓国映画・アジア映画
昨年9月13日にソウルで見た韓国大ヒット映画がやっと日本で公開
リバイバル記事ですが、ソウルの観客と一緒に見た感想です。

「トンマッコルへようこそ」★★★★
シン・ハギュン、チョン・ジェヨン、カン・ヘジョン 主演

1950年朝鮮戦争真っ只中、
隊からはぐれた戦士たちは
戦争をしていることさえ知らない
不思議な村に集まって来る。

人々は作物を収穫し
ものを作り、楽しく暮らしている。

戦いを引きずる兵士たちも
皆と同じ服を着て、一緒に食べるうち
穏やかな表情になり
北も南もそしてアメリカ人も
同じように笑いあう時間が訪れる。

主役の二人は韓国では相当な人気。
最初の登場シーンで会場は
「待ってました!」というように盛り上がる。

特にチョン・ジェヨンは、以前来た時も
主演の野球映画が公開されており
年に3本くらいは出ているんじゃないか。

彼が出てくると皆笑う準備をしているような
雰囲気を感じる。
ぼそっと話す言葉にドッと笑いが起こる。
劇場内が笑いに包まれる幸福な瞬間だ。

日本では笑うことさえ控えがちだが
韓国では作り手が、観客のことを把握していて
小ネタの連発で笑いの休憩を与えず
最後に主演の一言でドカーンと来るのだ。

後半は一転してシリアスになり
「戦争」について考えさせる。
前半で役者のひとりひとりと親密になっている為
その分、泣けてくるのだ。

ハングルが分かれば、
自分もあの笑いの一員になれるのにと
ちょっと淋しくもアリ、会場の映画を楽しむ雰囲気に
幸せにもなり嬉しい時間

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★日本で公開されました、来週あたりもう一度見に行きます。


「地下鉄(メトロ)に乗って」戻りたい‘あの頃’はありますか?

2006-10-27 21:18:48 | 邦画
「地下鉄(メトロ)に乗って」★★★☆
堤真一、岡本綾、常盤貴子、大沢たかお 主演
篠原哲雄 監督、2006年

地下鉄のホームで
自分の子供時代を知る人に
偶然出会う。
こんなにも人の多い街だから
そんな偶然もありえそうだ。

地下鉄の駅から地上へ出ると
そこは自分の子供時代の街だった、
タイムスリップしたことが
主人公の驚きとは別に、嬉しかった。

自分がそんな頃に戻り方からというわけでなく、
それでも戻れたらどうだろうと
誰でも一度は考えたことあるだろうから
やはりこの新鮮な驚きは悪くなかった。

またこの映画では自分の父や母の若い頃を
知ることで、いかに自分が両親のことを知らなかったか
分かるようになっている、
このことも自分に帰ってくる。

すごく優しい映画だ。

当たり前だけど、父も母も若い頃があって、
自分と同じ様に色々あったんだろうなと
主人公の優しい眼差しに泣けた。

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★同僚の女の子の話は不要だった
もっとスッキリとさせて、父と子の和解をもっと具体的に見せるべき。