soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

栄光なき勝利の予感

2005-01-31 21:43:10 | 読書の時間
「失われし書庫」★★★★
ジョン・ダニング著(588ページ、900円)

人間の何かに夢中になる情熱を
うまく取り込んだオススメの一冊。
シリーズ3作目も出だしから、
個性のある登場人物を配して、
快調に読み進めてしまう。

こういう勢いはミステリ作品には欠かせないが、
多くは、どこか説明しすぎたり、全く関係のない
展開が入り込んだりして、スピード感を保てないが、
この作品はラスト近くまでは、小気味良いいテンポで
なかなか読むのを止められない。

ラスト近くまでは「傑作」の予感。
だが残念なことに最後の最後で失速してしまう。

失われた蔵書を巡って悲しい程の
長い長い時間をかけた人間の夢の物語。
誰も死なず、誰も傷つかない物語なんてないのだ。

@@
「死の蔵書」★★★★★「幻の特装本」★★★★
このシリーズにハズレなし。
海外ミステリーファンなら必読。



「ライフ・オブ・デヴィッド・ゲイル」信念に命を賭けられるか・・・無理。

2005-01-30 23:00:21 | ミニシアター系映画
「ライフ・オブ・デヴィッド・ゲイル」★★★★見応え充分
ケビン・スペイシー、ケイト・ウインスレット主演(米)

理性的な教授は死刑廃止論者でもあった。
そんな彼が同僚殺害の罪でもうすぐ死刑になる。
ケビン・スペイシーが手を挙げてこの役を
欲しがりそうなピッタリのハマリ役。

意思の強い記者をケイト・ウインスレットが演じ、
全体の雰囲気にシャープさがないので
ぴったりはまるという感じではないが、
新米記者をぐいぐいと引っ張る感じは、
よく出ていた。

どうなっちゃうんだろう、と思わせつつ、
同時に刑務所の中と外でドラマが進行して
サスペンス色も出ていて
見応えのある映画だった。

死刑廃止を訴えていた本人が、死刑囚になるという
皮肉な展開は、社会への問題意識もあるのだろうが、
人の命ってホントなんだろうかと
やはり考えさせられた。

ビデオでもいいけど、やはり邪魔が入らない
ところで真剣に見るタイプの映画。
寝転んでポテトチップスなんか食ってる
場合じゃない。



家事を投げ出し、街に出よう!

2005-01-29 23:32:05 | ミニシアター系映画
「女はみんな生きている」★★★☆(wowwow)
ヴァンサン・ランドン、カトリーヌ・フロ主演
(フランス)

目茶苦茶に殴られて、
病院のベッドに横たわる娼婦を
見つめながら、エレーヌは思う。
「この人は本当に私を必要としている」
そして彼女は家事を投げ出し、
病院に寝泊りする。

巻き込まれ型の映画。
彼女はどんどんタフになっていく、
そして生き生きと表情は輝く。

きっと普通の生活でこんなふうに
自分を見つめなおし、楽しめたら一番いいのだが、
毎日の同じ繰り返しの中で、何かが
少しずつ、少しずつ磨り減っていくのかもしれない。

淋しいと感じることは、どんなだろう。
誰も本気で自分を必要としてくれていないと
感じるのはどんなだろう。

映画と離れてこんなことを考えた。
激しいカットの展開もなく、ひとつのカメラが
時に主人公の視線となり、同じように考えさせるのだ。

ラストは少し感傷的だけど美しい。



勝ち犬の価値はこれから・・・。

2005-01-29 16:01:49 | 邦画
「レイクサイドマーダーケース」★★★
役所広司、薬師丸ひろ子、鶴見辰吾、杉田かおる、豊川悦司

湖畔の別荘で殺人が起こる。
そこには3組の夫婦が、子どものお受験の合宿に
つきあって滞在している。

舞台劇のように限られた空間で、それぞれが
与えられた役を、かなり手ごたえのある演技で
見応えたっぷり。
謎解きの要素もあり、探りあう心なんかも
見ている側に、「うまいな」と伝わる。

「勝ち犬」になった杉田かおるも、
控えめな役ながら
リアルな役を演じきっている。
もっと気性の激しい人の役とかも見てみたい。

ただ、この映画を見て過ごす
2時間が楽しめたかと「うと、
少し長く感じ、展開があまりない
心理劇なので
もう少しテンポよく見せて欲しかった。
ビデオで充分かも、これに1.800円はキツイ。

@@
ひところ役所広司ばかりが、
映画で活躍していた時期があった。
渡辺謙が「ラストサムライ」で躍進して、
急に大きく
水を開けられた感じがする。
映画の主役を張れる役者が少なすぎるんじゃないかな。
韓国でももっといるというのに。



ハル・ベリー、ハードで勝負し続ける

2005-01-28 21:08:59 | 大作映画ハリウッド系
「ゴシカ」★★★☆(DVD)
ハル・ベリー、ロバート・ダウニーJr、ペネロペ・クルス

女性専用刑務所の精神病棟で働く、
犯罪心理学者のミランダは、
ある日幻覚なのか奇妙な少女に会う。
その後記憶を無くし自分が夫殺しの犯人として
収監されたことを知る。


全裸のシャワーシーン、
涙でグチョグチョの顔、
叫び、泣き、わめく。
セクシーなシーンは皆無で、違う面を見せているのだろうが、
無防備な収監されている場面でさえ、
か弱くは見えない。

彼女はとにかく自分を美しくきれいきれいに
見せることより、何が今自分に出来るのか
必死に美しい顔を歪ませても、がんばっている。

この映画はスーパーナチュラル・ホラーと
紹介されている、確かに何と言っていいか
分からない、超常現象が話の核でもあるが、
それ程怖さはなく、ちょっと長いかな。
もっとコンパクトにまとめてくれた方が
その怖さが冷める前にエンドロールにいけたんじゃないかな。

@@
「チョコレート」でキャリアの頂点を早くに築いたからか
これからの方向が難しいのかも。
次は軽めのラブ・コメとかも見てみたい。
「ソード・フィッシュ」から「キャット・ウーマン」あたりまで
ハードな役が続いたからね。