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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「マイ・ブルーベリー・ナイツ」見るというより、感じる映画

2008-03-31 00:09:45 | ミニシアター系映画
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」★★★
ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、レイチェル・ワイズ 主演
ウォン・カーウァイ 監督、フランス 香港 中国 、2007年、95分



恋人から捨てられた主人公は
彼が行きつけだったカフェに
乗り込んで行くが、
そのうちにオーナーとそこで食べる
ブルーベリーパイに癒されていく。

ウォン・カーウァイ映画はここでも健在、
ストーリーより雰囲気を感じる映画、
そう、いつものような行き当たりばったりの映画なのだ。

ジュード・ロウはインタビューで
「こんなにエキサイティングな映画作りに参加できて
光栄だ、台本がないから撮るまでどんな
映画になるかわからないからね」
なんて言っているが、監督はこれまでも
同じ延長線上で仕事をし、映画として作り上げている。

それはいくつかは、緊張感をはらんで
見るものの心を奪うけれど、
毎回、毎回ではね。

ただこの映画の唯一の収穫は
歌姫ノラ・ジョーンズの起用と
使われているどれも雰囲気のある楽曲だ。

ゆるやかな作りのプロモーションビデオに
なんとなくストーリーっぽいものが
おまけでくっついたような映画だった。
ラストのカウンター越しのキスは
悪くなかったけどね。

最近、ノラ・ジョーンズの2枚のCDを聞いている、
歌もうまいし、演技もジュード・ロウを向こうに回して
堂々としたものだ、才能がある人は確かにいるのだ。


★100点満点で65点

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「魔法にかけられて」自虐ネタ満載で大人でも大丈夫

2008-03-30 00:49:30 | 大作映画ハリウッド系
「魔法にかけられて」★★★☆
ディズニー映画、レイチェル・カヴィ、スーザン・サランドン主演
ケヴィン・リマ監督、アメリカ、2007年、108分



アニメの御伽の国から追放されたプリンセスは
下水管から現代のニューヨークに。

スカートの裾が大きすぎて
下水管から出るにも一苦労、
お城を探すけれど、親切な人は少なく
そのうち雨も降って来て
髪もボロボロという有り様。

こんなの良いのかよ、
笑えるけど、ちょっとやり過ぎのような気も、
お姫様はせめて12時までは
美しくいるべきなのに、
やはり現実はそうはいかないのだ。

最近は「ノーカントリー」や「連合赤軍」と
重いテーマの映画が多かったから、
こんなただただ楽しめる映画もたまには良い、
さすがディズニー、
ちゃんと現代の毒も現しつつ、
最後は「プリンセスは幸せになりましたとさ」で
締めくくる、
それでも見てる観客は
ハッピーエンドなんて無いことも知っているという具合。


実写のプリンセスがあまりに
身近な感じだったので、
もっと美人が良かったんじゃないか。

スーザン・サランドンがあんな格好で
魔法使いを半ば楽しんでいるように演じてたのは
さすがディズニーの力。
いいもの見せてもらいました。

★100点満点で65点

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姫は夢見ていればいいけど、王子はキツイなあと
なんとなく感じた。

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「ハーフェズ・ペルシャの詩」退屈な時間をどうぞ

2008-03-29 00:07:51 | ミニシアター系映画
「ハーフェズ・ペルシャの詩」★★
麻生久美子、ハミード・ヘダヤティ 、アブドッラー・シャマシー 主演
アボルファズル・ジャリリ 監督、日本、イラン、2007年、98分



「ハーフェズ」とは、
コーランを諳んじている者だけに与えられる称号。
彼らは体をゆすりながら
懸命にコーランを読み続ける。

この映画はストーリーを追うというより、
日本とはかけ離れた
荒涼とした大地と
そこにすむ人々の日々の暮らしなどを
画面上で感じる映画だ。

だから実は難解でもあり、
何を言いたいのか本当のところは分からない、
作り手はそれを受け手に教えようとしているのか、
それとも「分からなくても、感じてくれればいい」とでも
思っているのか、
突き放されている感じさせ受けるのだ。

好き嫌いは分かれるだろうな、
何か興味を持てそうなところを見つけたかったが
はっきりいって面白くなかった、
麻生久美子の出演も話題だったが
言葉はほんの少し、出演もわずかだった。

全く自分たちとは違う文化、そして生活
それらを一通り見てしまうと
あとは退屈な時間がゆっくりと流れていく。

興味が相当あるなら見てもいいが、
時間つぶしなら他の映画を見たほうがいい。

★100点満点で30点


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レンタルでも見なくて結構。

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「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」穏やかな狂気が時代を創る

2008-03-28 18:25:24 | 邦画
「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」★★★☆
ARATA、坂井真紀、玉一敦也、伴杏里 出演
若松孝二監督、2007年、190分



映画を見終えて思う、
この時代その中心であった人々は
今のこの日本の形をどう思っているのかと。

まさに彼らが今の日本の形を作って来たはずだ、
日本という国を変えようと
学生が権力に抵抗した時代を経て、
今、次の世代が中心となりつつあるこの
まさに今の日本の形をどう感じているのか。

若いとはせつない、
純粋はどこか狂気をはらんでいる、
その向かう先が、この映画で描かれた方向なら、
どこかで決着をつけるしか仕方が無かったのだろう。

実際には何があったのか分からないが
活動をしていく途中で
当初の夢が無残な形となって行くのを
今、観客として見ていれば
何か出来たかもしれないと思うけれど、
その渦中にあっては
もう歯止めは利かなかっただろう。

重苦しい時間が続くと
画面に現れる雪山の上の青空や
浅間の雪景色などがほっとさせてくれる。

人間にはどこかにほっと出来る
日だまりのような時間だったり
空間が必要だ、
でもこの主人公達は
その日だまりのようなわずかなほっとする一時さえ
持つことは出来ず、途中からは
その目的さえ見失ってしまったように見えた。

人間はやはり怖いなと思う、
自分の内面から立ち上がるものは
なんとか抑制が出来るかもしれないが、
そこに外的な要因が加わった時、
とんでもない方向にその全部のエネルギーが
向いてしまうこともあるだろうと
分かってしまうことが怖い。

久々に骨太な映画を見て、
暗い気持ちで映画館を出た、
どうしようもない気持ちを抱えて
日常に戻るのだ。

いつもと変わらない街の風景、
多くの人達が行き交う何げない一瞬を
幸せに思う、この行き先が
棒を持ったり、ヘルメットを被って
機動隊にぶつかる波じゃないことに
安堵を覚えつつ、
じゃあ自分たちはどこへ向かっているのだろう。

★ 100点満点で75点★


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思い入れは全くないので、その狂気だけが
心にゆっくりと沈んでいく

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「ノーカントリー」完全無欠の追跡者、誰も逃げられない

2008-03-26 22:59:14 | ミニシアター系映画
「ノーカントリー」★★★★オススメ・完成度高い
トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム 、ジョシュ・ブローリン 主演、
ジョエル・コーエン 、イーサン・コーエン 監督、2007年、アメリカ、122分



偶然見つけた複数の死体の側には
大金と大量のヘロインがあった、
そして男はそれらを持ち去った。

男は唯一生きていた男が「水が欲しい」と言っていたから
仏心からか夜中に水を持っていく、
それさえなければ展開は変わっていただろう、
でも人は理解不能なことをしてしまうものなのだ。


ここにその金とヘロインを追う男と
その町を守る保安官が
男の足跡を追っていく。

原作は読んでいるが、映画とはテイストが
ちょっと違っている、
でも映画は映画的な「見せる要素」を
徹底的に画面に提示する。

とにかく「追う男」の圧倒的な凄みは
彼の登場以降、高い緊張感で映画を支配し、
絶対逃げられないだろう
そんな予感で展開を見守ることになる。

アカデミー賞の主要部門
作品賞、監督賞、助演男優賞獲得
納得は助演男優賞と監督賞だ、
このラストまでブレない高い緊張感は
演出の手腕と原作の的確な処理があったから、
そして何より助演男優賞は文句なし、
というか、主演と言ってもいい。

ただ作品賞はその年のナンバーワンとなる作品、
その点ではどうかな
映画の出来はすばらしいけれど
「感動」という部分では
よく出来ているけど、心揺さぶられるものはなかった。


見終わって、ほっとする、
もう追跡はないからだ、
でも物語は終わらない、まだまだあの怪物は
自分の目標物を定めたら
まっしぐらに追い詰めるだろう。

★100点満点で85点★


soramove
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映画の完成度は高いけれど、ここには
残念な気持ちや、どうしようもない心の葛藤など
自分の気持ちを揺すぶるものは希薄だった。

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