soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

映画「マザーウォーター 」いつものようなホワッっとした時間

2010-10-31 19:49:35 | 邦画
「マザーウォーター 」★★★
小林聡美、小泉今日子、加瀬亮、市川実日子、永山絢斗、光石研、もたいまさこ出演
松本佳奈監督、105分 、2009年、2010年10月30日全国順次公開、2010,日本,スールキートス
(原題:マザーウォーター )




                    →  ★映画のブログ★
                     どんなブログが人気なのか知りたい



東京国際映画祭の合間にシネスイッチ銀座で
初日舞台挨拶付きの上映に行って来た。

「出演人から分かる通り
『かもめ食堂』『めがね』『プール』の
制作プロジェクトの新作、
だから映画全体の空気感は変わらない、
今回の舞台は京都、
どこで撮ってもどんな設定でも
同じような時間の流れがある」



この作品に何を求めるか
自分は小林聡美ともたいまさこを見に行くという
それだけなので、この映画も満足、
もちろん目新しい驚きとか全くないけれど。



ウィスキーしか置いてないバーを営むセツコ(小林聡美)、
コーヒー店を始めるタカコ(小泉今日子)、
豆腐を売るハツミ(市川実日子)
そしてその間を漂うような男性達、
いくつもの小さな川や湧水がある場所で
大きな流れから分かれたような静かな暮らしがある。

現実感は無いがこんなふうに
地面に根を張りながらもどこか浮遊しているような
柔らかく生きていけたら「楽」だろうなと思う、

彼女たちは常に微笑んでいる、
傷ついたり大袈裟に泣いたり
そんな現実的なものの対極に居て
肩の力をもっとぬいてごらんと言っているよう。

会話の間も絶妙だ、
もっと普通ならその「間」を埋めるように
セリフが溢れるだろうが、
ポツポツと彼らはゆるやかな会話を繰り返す、
なんだか含蓄あるような
それでいて全く無いような、そんな会話を。


『プール』を見た時、
もうこの路線はキツイなと思った、
やはり何も無い映画って言うのも
このくらいにしてもらわないとと、
今回は丁度上京が決まっていて
うまくチケットが取れたので見たが、
やはりこの路線はもうこのくらいでいいかな。


今度は彼女たちの心情にグッと迫るような
そんな映画が見たい、

やんわりとした「何か」象徴的なものを描きつつ
結局何も描いていないような映画、

あとはご自分でご自由にというようなのじゃなく、
主人公が何かに悩んだり
心底から笑うような映画が見たい。

舞台挨拶で本物が見られると楽しみにしていたが、
彼らの挨拶も映画そのものと同様で
中身のないものでガッカリしたな

自分が今回映画祭で熱くその製作について語る
監督や出演者の言葉を聞いていたから
余計と「こんなん出来ました、って感じかな」と
映画同様の脱力系
きっとこの雰囲気が好きで彼らの映画を見ているんだ、
でもそろそろ血の通った人間を見たいものだ。

劇場で見なければって程の映画じゃない。
「プール」よりは面白かった。

★100点満点で65点


soramove
★この記事が参考になったらココもクリック!よろしく(1日1回有効)←ランキング上昇ボタン

映画に登場する美味しそうなものが食べたくなった。

★人気映画ランキングはこちら、どんなブログが一番読まれているか


書籍「シューマンの指」才能というこの不可解さをミステリーで

2010-10-28 21:04:04 | 読書の時間
「シューマンの指」★★★★
奥泉 光 (著),、講談社 、2010/7/23/1版
( 322ページ , ¥ 1,680 )

<リンク:
シューマンの指

シューマンの指

価格:1,680円(税込、送料別)

>

                    →  ★映画のブログ★
                     どんなブログが人気なのか知りたい



「この本を読むきっかけも
TV週刊ブックレビューの特集で
著者がこの本について
インタビューを受けていたからだ。
魅力を紹介するのだから
読みたくなるハズだが、
中には20分程度のインタビューを見ても
全く食市の動かない場合もある」



「クララ・シューマン 愛の協奏曲」という映画を見た時
アヘン中毒でブラームスに激しく嫉妬する姿が
印象的だったが、
どんな音楽だったかは全く記憶に残っていない、
この本で語られるシューマンの曲は
とても魅力的で実際の曲を聞いたら
自分の印象と違うんじゃないだろうか、
それくらいイメージさせてくれるものだった。



シューマンの生み出した音楽と
それに魅せられた主人公、
音楽というものに真摯に向き合い
青春のある時期を捧げるかのよう、
そんな濃密な時間が羨ましく思えるほど。


ミステリータッチの作品だが
謎解きにはあまり重点は置かれていない、
才能というどうしようもないものを
はっきりと自覚し
才能を持つ者にあこがれつつも
心の底では激しく嫉妬している
そんな音楽に魅入られた者たちの物語だ。

その潔いほどの残酷さが
作品に常に漂い、
行間に音楽が流れて
本読みとして幸せな時間を過ごした。

この作家の本は初めて読んだので
他の本もまた読んでみよう。


★100点満点で75点


soramove
★この記事が参考になったらココもクリック!よろしく(1日1回有効)←ランキング上昇ボタン
割と凝った作者のHP
http://www.okuizumi.com/


★人気映画ランキングはこちら、どんなブログが一番読まれているか



映画「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」静かなる終焉、ひとりで震えて眠れ!

2010-10-26 18:17:50 | ミニシアター系映画
「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」★★★★
ノオミ・ラパス、ミカエル・ニクヴィスト出演
ダニエル・アルフレッドソン監督、130分、2009年、2010年9月11日全国順次公開、
2009,スウェーデン、デンマーク、ドイツ,ギャガ
(原題:Millenium 3: The Girl Who Kicked the Hornet's Nest )




                    →  ★映画のブログ★
                     どんなブログが人気なのか知りたい



「とうとう3部作の完結、
とんでもない映画を見た深い脱力感と共に、
主人公リスベットの今後に想いを馳せる、
彼女がガランとした豪邸で明かりもつけず
ひとり煙草を吸いながら夜景を見ている様子が
ありありと浮かんでくる、
彼女にとっての幸せとは・・と考えてしまう



前作がラストの印象から
「血塗られた過去」だとすれば
ラストを飾る本作は「静謐な未来」だ。
果たして彼女は静かな暮らしを手に入れたのか、
大きくゆったりと流れる川も
時に荒々しい激流となるように
彼女のこれからがひたすら平穏にと願う。

暴力に満ちた前作から一転、
今度は病院や法廷が中心で
彼女は多くを語らず
運命を受け入れつつも静かに反撃を開始する。



雑誌社のスクープ、
巨大な権力が何か大事なものを
押しつぶそうとする、
立ち向かうか
逃げるか
やはり立ち向かう勇気を見たい、
そしてそれは勝利で終えてもらいたい、
現実はともかく、ハラハラデキドキしつつ
爽快なラストを見たいのだ。



スウェーデンの街並みは
他の都市と似ているようで少し違う
低い曇った空、色の少ない街、
一見穏やかな表情の石造りの街で
陰謀や親子の殺し合い、
命を懸けた戦いが
静かに行われている、
そんな対比が心底恐ろしく感じる。

主人公リスペットの他者を受け入れない態度が
一貫していてそれが彼女の孤独を際立たせ
法廷でのど派手なメイクも
彼女なりの戦い方なのだと納得できる、
人物総計がピタッとはまった秀作、
映画の長さが全く気にならない。


原作を読んでいないがきっと
怖くて面白いのだろう、
作者はすでに故人ということで
新作が出ないのが淋しい、
ハリウッドリメイクも楽しみな作品、
次は何かバカバカしく笑える映画が見たい。



★100点満点で80点★


soramove
★この記事が参考になったらココもクリック!よろしく(1日1回有効)←

主演のノオミ・ラパスをハリウッド映画で見ることもありそうだ。

★人気映画ランキングはこちら、どんなブログが一番読まれているか


映画「雷桜 」ありがちな主題にも新鮮味アリ

2010-10-24 17:36:18 | 邦画
「雷桜 」★★★
岡田将生、蒼井優、小出恵介、柄本明、時任三郎出演
廣木隆一監督、130分、2009年、2010年10月22日全国順次公開、2010,日本,東宝
(原題:宇江佐 真理著:雷桜)




                    →  ★映画のブログ★
                     どんなブログが人気なのか知りたい




「庄屋の娘として生まれたが初節句に誘拐され
そのまま山奥で育てられた遊(蒼井優)と
徳川家の清水家当主・斉道(岡田将生)は
雷桜の前で偶然に出会い
お互い初めて抱く感情に戸惑いながらも
身分違いでありながら恋に落ちる」



「ミレニアム2」でダークな世界に浸った後なので
気軽に楽しめる映画をと劇場へ、
全編の根底にあるのは
様々な哀しみ、誰もが満面の笑みを浮かべることは無い、
それはお殿様でも庄屋の娘でもしかり。

何故こんなに哀しみに溢れているのだろう、
もっと明るく若く輝く時を謳歌してもいいものを、

殿さまの子供時代のトラウマなんて
かつてのTV時代劇では決して描かれなかったことだし
きっと小説ならもっと掘り下げた
二人の性格描写もあっただろうが、
映画はあと少しそのあたりには
迫り切れなかった感じだ。



結局はお殿様と庶民という
身分の違いで結ばれなかったという
ありがちなテーマの映画だから
観終わって深い感動とか
そんなものは無いが、
この映画ではいくつか新しい試みもされていた、
お屋敷で飼育されていた鷹の目から見た
山間の風景はスピードと
その広がりは新鮮な驚きがあった、
人間が這いつくばって生きてる
どこかに続く細い道を軽やかに動いていく。



蒼井優の独壇場、そして脇を固める役者も
手応えのある演技をしていて
結構しっかりした作りの時代劇を見たという気分、
現代に置き換えるとリアリティが気になるが
そのあたりをうまくかわして
「かつて」のおとぎ話として良い出来だった。


★100点満点で65点


soramove
★この記事が参考になったらココもクリック!よろしく(1日1回有効)←ランキング上昇ボタン
柄本明がおいしい役だった、役者だなーと改めて感じた。

★人気映画ランキングはこちら、どんなブログが一番読まれているか


映画「ミレニアム2 火と戯れる女」孤独な魂がひときわ輝く!

2010-10-21 19:09:01 | ミニシアター系映画
「ミレニアム2 火と戯れる女」★★★★面白い!
ノオミ・ラパス、ミカエル・ニクヴィスト出演
ダニエル・アルフレッドソン監督、130分、2009年、2010年9月11日全国順次公開、2009,スウェーデン、デンマーク、ドイツ,ギャガ
(原題:Millenium 2: The Girl Who Played with Fire )



                    →  ★映画のブログ★
                     どんなブログが人気なのか知りたい



「前作はハリウッド映画とはちょっと違う
陰鬱な雰囲気に満ちた傑作だった、
2枚綴りの前売り券を買って楽しみにしていた作品、
極上のミステリー小説を読む感覚で、
次はどうなるんだと展開を見守った。」



字幕の配慮がなかなか良いなと感じた、
なにせ多くの登場人物が次から次へと出てくるから、
字幕で簡単にキャプションを入れてくれるので
区別もつくし分かりやすかった、
会話のみの字幕だったらきっと、
この人は誰だ?と混乱しただろう。

このあたりはミステリー小説と同様で
小説ならカバー折り返しの「主要人物一覧」で
確認出来るけど、映画じゃそうはいかないからね。

背中にドラゴンのタトゥーを入れたリスベットの
孤独な魂が痛々しかったが、
彼女の強さは美しかった

どんなに酷い仕打ちを受けようと
決して彼女の魂は輝きを失わない。

派手なカーチェイスや爆発もなく、
ほとんどアナログ的な
保管されたファイルの資料を手掛かりに
推理と行動で真実に近づいていく、
会話もそう多くは無い、
その分、視線やアップの表情が
もっと色々語っているように感じた。



ここにはトム・クルーズのような
何でもこなせるスーパーヒーローは居ない、
みな傷つき体当たりで
信念のまま突き進んでいく、
この無分別な感じが胸を熱くさせるのだろう、
もしかしたら主人公自身が死んじゃうんじゃないかと
思わせるほどの
生身のぶつかり合いに
ラストのクレジットでは思わず息を吐いた。



3部を続けて見ることも出来たが
2本見たら5時間くらいになるので
次は近いうちに見に行こう、
残念なのは原作者がすでに亡くなっているので
これ以上の続編は見られないことだ。

★100点満点で80点


soramove
★この記事が参考になったらココもクリック!よろしく(1日1回有効)←ランキング上昇ボタン
川沿いの豪華マンションと貧しい食事、対比が面白かった。
★人気映画ランキングはこちら、どんなブログが一番読まれているか