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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「ブーリン家の姉妹」見ごたえのある良質な映画

2008-10-31 08:15:36 | ミニシアター系映画
「ブーリン家の姉妹」★★★★
ナタリー・ポートマン 、スカーレット・ヨハンソン 、エリック・バナ 主演
ジャスティン・チャドウィック 監督、アメリカ、イギリス、2008年、115分



16世紀のイングランド、
一族繁栄のために、自分の娘を愛人として
国王ヘンリー8世に差し出す。

その一族の2人の娘を
ナタリー・ポートマン 、スカーレット・ヨハンソンが演じ、
上質な映画が出来上がった。

特にスカーレット・ヨハンソンの儚げな美しさは
運命を受け入れという過酷な現実を
言葉よりも雄弁に伝える。


イギリスでは有名な歴史の事実も
遠く日本ではあまり知られていない、
当時の堅苦しい上流会j級の暮らしや
群集監視の中で行われる断頭の様子など、
現代では考えられないようなことが
普通に行われていたのも驚きだった。

姉妹の間での確執や嫉妬
人の心の奥には、そんなどろどろとしたものがあるのだと
改めて考えさせられた。

運命を受け入れるということ、
今の時代では人は自分で自分の道を
決めていると考えている、
それでも相変わらず多くの人が
「自分探し」をしているのも事実だ。

時々それってある意味不幸なことかなとも
思うこともあるが、それでも親に決められた運命を
生きるしか出来ないという人生と比べたら
やはり幸せなことなんだろうな。

何故かそういうことがはっきりと「イエス」とも
言い切れないような、浮遊しているような現状を
「なんとなく」これでいいんだよねと思いつつも
すっきりとしない気分になる。

とはいえ、エリザベス1世誕生の裏には
こんなことがあったのだ。


主演の俳優もストーリーも見ごたえのある映画だった。

★100点満点で80点

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2人の人間がいれば、そこに光と影が生まれる、
でもどちらが光でどちらが影かは本人しか分からない

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「容疑者Xの献身」200万人動員、連続首位!最新国内映画興行成績10/20付

2008-10-30 00:09:26 | 映画のランキング
最新国内映画興行成績10/20付

今週(先週)   
 1  (1) 容疑者Xの献身

動員は200万人、30億を超えたようです。
これは久し振りに人にも勧めたい映画。


 2  (2) イーグル・アイ

首位が強いので2位で足踏み、2週連続2位、
宣伝が少ないんじゃないかな。
全米では安定してヒット中


 3  (初) ホームレス中学生

公開がちょっと遅れたので、今更という感じは否めない。
出来は良いらしいので、泣きたい人は
行ってもいいかも。



 4  (初) 釣りバカ日誌19/ようこそ! 鈴木建設御一行様

見ません


 5  (3) P.S.アイラヴユー

秋だし、恋愛ものでも
そんな気持ちで行くとちょっと違う。
これは見た人によって感じ方は大きく違いそう。


 6  (初) ICHI

女座頭市、何故今なのか分からないが
映像はキレイ、予告も意味深で
見てもいいかな。


 7  (初) センター・オブ・ジ・アース

ブレンダン・フレイザー太ったね。


 8  (5) 劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン



 9  (4) おくりびと

22億突破と言う、ちょっとビックリの成績、
この映画をたくさんの人に見てもらいたいが、
あまりヒットするとなんか居心地が悪い感じ。


10 (6) パコと魔法の絵本

まだこの映画、今頃見てる人がいるんだと
それが驚き。


今週は4本観てます、新作4本はどれも見てません。

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今週は単館系映画を見ていたので、ベストテンの消化はまだまだ、
来週はどんどん見ていきたい。


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「地球でいちばん幸せな場所」日々のささやかな事柄について考える

2008-10-29 00:09:28 | ミニシアター系映画
「地球でいちばん幸せな場所」★★★★
ファム・ティ・ハン、レー・テー・ルー、カット・リー主演
ステファン・ゴーガー監督、2007年、アメリカ、98分



ベトナムのホーチミン近郊の
田舎町で両親が亡くなったため
叔父の家に引き取られている主人公は、
工場で働かされ、怒られ、
学校へも通わせてくれないことから、
家を出てホーチミンで花売りとして
生活を始める、
彼女はまだ10歳くらいだ。

妙に醒めた目で世の中を見ている
年に似合わない表情を時折見せる。


彼女はそのうち動物園で
像の飼育をする青年と親しくなり、
次には飛行機のアテンダントの女性とも
言葉を交わすようになる。

ここにはベトナム映画の代表作の
「青いパパイヤの香り」のような
外国人から見た異国情緒なんて
微塵も無く、
社会の底辺で頑張る少女の
けなげな日常を淡々と映し出す。

少女の考える
精一杯の事柄が
ささやかな喜びだとか、
幸せのようなものの輪郭を
おぼろげながら見せてくれた気がする。


多くを望まない、
身の丈の生活をする

ホントはそれでいいのに、
どうしても人と比べたり
暴力的に入り込む情報に
翻弄されてしまいがちだ。

「何がしたいのか」自分の事が
分からなくなったりする瞬間、
焦らずに、ふと立ち止まり
少し周囲を見て見るのがよさそうだ。

誰かではない、
自分が望む事、ひとつだけ見つけたら、
それに向かって努力する、
そんなごく当たり前のことを
しみじみたいせつだなあと
思わせて暮れた映画だ。

この映画にはベトナム映画で連想される
趣味の良い雑貨や
アオザイ姿や、
写真につい撮りたくなるような風景も無い、
人間がそこに暮らしているだけ。

とても力強く、美しい映画だ。

★100点満点で80点

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ストーリー自体はありふれている、
でもそこに自分の姿を見るかもしれない

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「トルパン」東京国際映画祭で見る

2008-10-28 07:45:50 | ミニシアター系映画
「トルパン」東京国際映画祭で見る

東京から戻って、「サクラグランプリ」に
この作品「トルパン」が選ばれたことを知った。
素直に良かったなと思った、
こんな地味でともすれば見過ごされそうな作品に
グランプリというスポットが当たったこと。

でもな、と思う、
この作品、そんなに良いかな、
物珍しさと作品内容の評価を取り違えては無いだろうか、
いや審査員という、たくさんの映画を見ている人達が
選んだのだから・・・
色々考えたけれど、これが日本の映画祭の結果なのだ、
21回を重ねてまだまだ映画祭自身が
何処へ向かうかを決めかねているようだ。

「トルパン」★★★
スハット・クチンチレコフ、サマル・エスリャーモヴァ主演
監督:セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ
2008年 ドイツ/スイス/カザフスタン/ロシア/ポーランド



カザフスタンのステップ地帯で生きる遊牧民一家の物語

カザフスタンの映画なんて
なかなか見られない、
モンゴルのゲルと同じ移動式の家で
羊を放牧して、草が無くなると
移動するという生活。

一家の主人の嫁の弟は
海軍の兵役を終え、姉を頼って
一緒に暮らしている。
目下の重大事は「嫁取り」だ。

見晴るかす大平原、
車で一日かかるあたりには
年頃の女性は一人しかいない、
彼女の名前が「トルパン」


たとえば自分たちの旅は、
彼らの住む土地へ行くにしても、
飛行機に乗り、国内の移動を経て、
ゲルの宿泊体験、
夜には満天の星を見て、
異国情緒に感激する、
そんな良いとこ取りあたり。


でもそこに暮らす人達の日常は
そんな甘いものじゃない、

この映画を見て、それでも
彼らの生活がいいなと思うならともかく、
食べるための一日があり、
今日という日を、無事に一日生きているという
シンプルと言えばシンプルだけど、
それにしてはハード過ぎる暮らしがある。

でもそろそろ、驚きだけの映画は、
TVのドキュメンタリー位にして欲しい、

所々稚拙で登場人物の反応はありきたりだ、
もちろん実際はそんなものかもしれないが、
だとしたら映画にする必要は感じられない。

こういう見る方にどこか良い所を
探させるような映画は苦手だ、
せっかくの大画面だから、
大平原の驚きの映像を見せて欲しかった、
狭いゲル(と呼ぶかどうか不明)の中での
かん高く耳障りな少女の調子っぱずれな
歌を延々聞かされるという
拷問の様な時間から解放されて
ホントほっとした。

★100点満点で60点

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しかしロシアとヨーロッパとアジアの
三角地帯の暮らしぶりはなかなか伝わってこない、
この書いている今も、
平原立つ小さな家で彼らも
同じ時間を生きてるのは
当然なのになんか不思議だ。

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「P.Sアイラブユー」御伽噺として見たい

2008-10-27 00:19:42 | ミニシアター系映画
「P.Sアイラブユー」★★★
ヒラリー・スワンク、ジェラルド・バリュー主演
リチャード・ラグラヴェネーズ 監督、2007年、アメリカ、126分



10代で出会った恋人同士が結婚し、
30歳を前に夫を病気で失った主人公。

彼女の誕生日から
亡くなった夫から手紙が届き始める、
そして嘆き悲しむ残された主人公の
これからすべきことを教えてくれる。

ラブストーリーだから
この展開も許されるけど、
実際の所、こんなことされたら
癒し切れない心の傷口を
なかなか癒してくれないんじゃないかな。

忘れることが良いとは思わないけど、
生きて行くにはその痛みは
強すぎて、次々届く手紙は
むごい感じさえ受けるのだ。

人は生きている限り
大切なものを無くし続けるのだ、

それでも無くしたことを嘆くより
出会えたことを喜べたらいいのに、
手の中にあるはずと思ったものが
いつのまにか擦り抜けて行く喪失感は
誰にも止められないだろう。

ただこの映画、
くどいというか、
思い出を引きずる部分が長すぎて
見てる方がキツクなってくる、
誰だって似たような気持ちを
かつて感じたことがあるからこそ、
ここまで長々と見せられると
そろそろ次の展開をみせてくれよと
心の中で画面に語りかけてしまう。


それからこの映画のヒロインには
ヒラリー・スワンクはちょっと合ってない
気がした。

どうしても強いイメージがあるので、
どうもしっくり来ないのだ。


旅で訪れるスコットランドの
田園風景は良かったな、
都会とは全く違う生活を
容易に想像できる、
どちらが良いかなんて言えないけれど、
人は住む場所も生き方さえ
ちゃんと自分で決められるのだと
妙に納得させられる。


ただの風景がそんなことを
訴えかけてくれるのだ。


★100点満点で60点

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何か思い入れがある人以外は、
気になるならレンタルまで待っても十分
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