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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

書籍「ライオン・ブルー/ 呉 勝浩 (著)」根本的な部分で納得できな結末、読み物としては面白い

2017-06-24 01:09:06 | 読書の時間
書籍「ライオン・ブルー / 呉 勝浩 (著)」★★★★
出版社: KADOKAWA (2017/4/27)
336ページ、1.674円

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「生まれ故郷である田舎町の
交番に異動した澤登耀司、30歳。
過疎化が進む町で、
耀司の同期・長原が姿を消した。
県警本部が捜査に全力をあげるも、
長原の行方は分からなかった。
事件に巻き込まれたのか。
それとも自らの意志なのか。
耀司は先輩警官・晃光の
言動に不審を抱きながらも、
長原失踪の真相を探っていく。
やがて、町のゴミ屋敷が放火され
家主・毛利淳一郎の遺体が見つかった。
耀司は、長原が失踪直前に
毛利宅を訪ねていたことを掴むが…。
乱歩賞作家が放つ衝撃の交番警察ミステリ!。」

(出版社HPより)

新聞の広告で面白そうと思い
さっそく読み始めた。
この作家の本は初めてだ。

過疎が進む町の交番、
主人公は父親が倒れたことで
面倒を見ることも考え
都会から異動願いを出し
生まれ故郷の町に戻った。

先輩5人と日勤と夜勤で回して
維持していく小さな交番、
主人公は父親の看病とは別に
もっと切実な目的でここにやってきた。

小さな町のしがらみは
自分も過疎の進む町の出身なので
分かる部分もあるが

ウチの田舎はヤクザは居なかったし、
開発から取り残された場所なので
ここで描かれる利権や
合併の駆け引きなんかは
ピンと来なかった。

主人公は高校野球のヒーローだったが
甲子園での酷い失敗で
そんなものからも逃れて田舎を出た、
そんな部分は分かる、
それでも故郷には何かがある
それもスゴク分かる、
言葉には現せない自分の
過ごした時間が
そこにゆったりと流れている



親友警官の失踪、
次第に分かってくる
それぞれの思惑、
面白くて読み進めるが
主人公の行動が明らかになったところで
自分には納得出来なかったな、
あまりにあっさりとしていて、残念。


そして自分の罪を抱えつつも
親友を殺した犯人は許さないという
これでいいの?
もちろん彼はこれから
その罪の意識を背負って
苦しい道を歩くことになるが
どうにも納得できない結末だ


犯罪ってもちろんダメだけど
やむにやまれぬって状況では
納得できることもある、
でもこの作品では
納得できるとこまでは
主人公の心情が描き切れてないと感じた。


だたし読みもとしては面白いし、
ドラマ化でもされれば
役者は彼の苦悩をもっと巧みに
こちらに示してくれるかもしれない



★100点満点で75点

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書籍「僕が殺した人と僕を殺した人/ 東山 彰良 (著)」共感はできないが、どこか懐かしいのは何故

2017-06-19 14:05:18 | 読書の時間
書籍「僕が殺した人と僕を殺した人 / 東山 彰良 (著)」★★★★☆
出版社: 文藝春秋 (2017/5/11)
355ページ、1.728円

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「台湾。13歳だった。
夏休みが終わるほんの2日前、
ぼくたちの人生は
ここから大きく狂いはじめたんだ。
2015年冬、アメリカで連続殺人鬼
「サックマン」が逮捕された。
デトロイトの荒んだ街並みを見つめながら、
「わたし」は、台湾で過ごした
少年時代を想い出していく。
三十年前、わたしはサックマンを知っていた――。
1984年夏、台北で、兄をなくしたばかりのユン
、牛肉麺屋のアガンと弟のダーダー、
喧嘩っ早くて正義感の強いジェイは
友情を育んでいた。
四人の少年たちは、
ある計画を実行することに決めた……。
サックマンとは誰なのか?
その謎をめぐる青春ミステリー。」

(出版社HPより)

13歳の頃の台湾での日々と、
30年後のデトロイト、
意味深なタイトル、
色々想像しながら読んだ、
1980年代の台湾を知らないが、
知らないことで
自分なりの舞台を
映像に描きながら一気に読んだ。



子供時代から中学生という
多感な時期のきらめきを
たっぷりのリアルな描写で描きながら
読んでるこちらは
ちょっと眩しいような
懐かしさを感じる
不思議な体験ができる。



家族という、子供には
なにも変えられないものに属し、
そのなかで他者と比べたり
色んな事を学びながら
諦めたり、強く望んだり
それらすべてが、
過ぎ去れば懐かしい。



30年後の連続殺人鬼という
設定にはスゴク驚いたし
唐突な感じもする

でも人間何がきっかけで
どうなるかなんて予測不可能で
大袈裟に言えば
誰にも起こりうるし
その脆い綱渡りを
誰もがどこかの時期に
あぶなっかしく歩いているのかも。


これが日本を舞台に置き換えたら
こんな風に共感できただろうか?

台湾というイメージはできても
それほどリアルには感じられない
場所が舞台だからこそ成立したのかもしれない。

読み物としてスゴク面白かった、
何もないところから
この作品を作り出す才能、
もっと別の作品も読みたくなった。

できれば彼ら3人が
台湾でそのまま大きくなった
別の物語も読みたい。

★100点満点で90点

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書籍「父と私/ 田中 眞紀子 (著)」この本で読みたかったのは、こんな内容じゃない。

2017-06-16 11:30:08 | 読書の時間
書籍「父と私 / 田中 眞紀子 (著)」★★★
出版社: 日刊工業新聞社 (2017/3/7)
308ページ、1.728円

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「幼少期から父の死に至る
までの四十七年間もの間、
深い絆で結ばれてきた父と娘。
昭和から平成という
激動の時代をともに歩んできた著者が、
研ぎ澄まされた感性と
クリアな視点を通し、
時にユーモアを交えながら
活写する田中角栄氏の実像。
次の世代に向けた究極の“田中角栄"本である。
娘は父から何を学び、
父をどう支えてきたのか。
そして今、何を次代に伝えようとしているのか。
名宰相・田中角栄を傍らで見つめてきた
真実が著者自身の筆で記されている。―。」

(出版社HPより)

読んで3か月くらい経つ、
この本を何で知ったのか忘れたが、
発売後すぐくらい、
読みやすいし、何より興味があったので
すぐに読んだが、
内容的には残念な感じ。

政治家、田中真紀子より
人間、田中真紀子に興味があったし、
女性首相も視野に入った瞬間も。

親子でなければ書けない事実も
いくつかあったが、
驚きはなく、
やはりロッキード事件についての
娘だから言える視点も描いて欲しかった。


踏み込みが全然足らない。


言い訳めいたことが多く、
身内だからそれも当然だけど、
政治家として長く公人だったのだから
もっと客観的に
父親を評論して欲しかったな。


 
とは言え、田中角栄の親としての
視点は新鮮であり、
親となれば、大政治家といえども
同じなんだなと親しみが沸いた


功績と功罪と
まだまだ評価が定まらないが
人間的にはスゴク魅力のあった
人だったのはこの本からも読み取れる。

田中角栄の時代から
時代は変わっても
政治の混乱は変わらない、
誰もがよりよくしようと考えてるハズなのに
どうしてそんな簡単なことが
実現されないのか、
新しい法案が通過したと
新聞が大きく報じて
そうだ、この本を読んだっけと思い出した。

★100点満点で70点

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書籍「桜風堂ものがたり /村山 早紀(著)」肩にオウムを乗せて歩いたらダメだ

2017-06-14 19:52:02 | 読書の時間
書籍「桜風堂ものがたり /村山 早紀 (著)★★★☆
出版社: PHP研究所 (2016/9/21)
382ページ、1.728円

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「万引き事件がきっかけで、
長年勤めた書店を辞めることになった青年。
しかしある町で訪れた書店で、
彼に思いがけない出会いが…。
田舎町の書店の心温まる奇跡!」

(出版社HPより)


本屋大賞5位の作品、
本屋さんが主な舞台と知り
さっそく購入して読んだ。

大賞の「蜜蜂と遠雷」
2位「みかづき」
3位「罪の声」
これらのラインナップから見ると
この本の5位というのは
何だか違和感があるな、
書店が主な舞台だからって
作品の奥行というか
描かれた対象のウスッペラ感は否めない



本屋が舞台で
そこで働く多くの書店員が登場し
仕事に対する向き合い方とか
情熱も感じられて嬉しくなった、
自分は書店では働いてないが
本の並べ方や、手作りのポップ等
書店へ行くだけで
満たされるものを感じる。


だからこそ主人公が書店を辞め
無気力になって
途方に暮れるあたりの描写は
どうにも納得できない

書店で10年働いているということは
30過ぎくらいと思うが
書店で他者から評価される働きを
していた人が
無気力になることなんてあり得ないし
あってほしくない。

そう思うからだ。

ただ、彼が行き場を失ったことで
タイトルの「桜風堂」が
出てくるわけだから
まあ、だったらいいか。

それでも田舎の道を
オウムを肩に乗せて歩く・・・って
「なんだこれ!」って


文学的な深みは感じないが
読み物としては
さらっと読めるし

本が好きというキーワードは
充分感じられる、
続きがあるなら読みたいが、
田舎の本屋という状況は
自分もよく知っているので
夢物語の分量があまりに勝っていたら
次はないな。


★100点満点で75点

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書籍「宿命と真実の炎/貫井 徳郎(著)」タイトルはちょっと大袈裟かな

2017-06-04 13:54:08 | 読書の時間
書籍「宿命と真実の炎/貫井 徳郎(著)」タイトルはちょっと大袈裟かな
書籍「宿命と真実の炎/貫井 徳郎(著)★★★★
出版社: 幻冬舎 (2017/5/11)
483ページ、1.944円

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「仕事にしがみつく女刑事と
警察を離れた男の因縁。
復讐だけを生きる糧にするふたり――。
幼い日に、警察沙汰で
離れ離れになった誠也とレイ。
大人になって再会したふたりは、
警察への復讐を誓い、
その計画を着実に遂行する。
一方、事故か他殺か判然としない
警察官の連続死に、
捜査本部は緊迫する。
事件を追う所轄刑事の高城理那は、
かつて“名探偵"を呼ばれた
西條の存在を気にしていた。
スキャンダルで警察を去り、
人生を暗転させた男。彼だったらどう推理するのか――。
止まらない面白さ、圧倒的読み応え。
これぞ貫井徳郎の真骨頂!。!」

(出版社HPより)


本の装丁とタイトルは
ちょっと大袈裟な感じがする

人の内面を描いた内容が
この刺激的な表面から
かなり乖離している気さえする。


女刑事と元捜査一課の敏腕刑事が登場、
そして警察官の連続不審死が起きる、
犯人は最初から分かっているから
謎解きではないが
それでも途中で、「そんな事が・・・」と
思う瞬間もあって
読んでいて読みやすいし
流れに違和感もない。



だから週末の3日間程度で
読めてしまうが
深みはもうひとつ、
犯行の動機は
5人の殺人にしては
読み手のこちらを納得させるには
少し弱いかな。



もちろんどんな理由があっても
「それじゃあ、殺人もしかないな」とは
ならないにしても
もう少し、心情の部分で
納得させて欲しかった。



新刊で税込1.944円は
本好きでも結構イタイ、
でもここに出てきた刑事達の
今後もまだまだ描かれそうなので
面白い今後に期待したい。


元刑事の西條は
次には犯罪コンサルタントとして
登場するのだろうな、
女刑事とのからみも
面白そうだ。


軽めにいくのか
それとも人間の様々な感情を
描いていくのか
どちらも今回は中途半端に感じたが

読んでいて面白かったので
文庫なら評価はもう少し高かった。

★100点満点で75点

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