soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「チョコレート・ファイター」全て本物の痛い痛いカンフー少女

2009-05-31 12:09:15 | 香港・アジア映画
「チョコレート・ファイター」★★★☆
ジージャー・ヤーニン、阿部寛、ポンパット・ワチラバンジョン 主演
プラッチャヤー・ピンゲーオ 監督、2008年、タイ、99分




「タイの裏町、病弱な母が以前
貸していたお金の集金の為に
少女は超感覚的な目で覚えたカンフーで
ワルイ奴らをブチのめしていく」



タイから届く映画は
「マッハ!」や「トムヤムクン」など
タイのムエタイとカンフーを混ぜたような
超絶技で悪者をやっつける!という
分かりやすい映画ばかり、
今回は少女が大活躍。

バンコクに旅行中には
必ず映画を見ることにしているが
公開されている映画はもっとバラエティに富んでいる。
ただしアクションの他はホラーや
若い役者がTVドラマののりで
演じているようなものまで
贔屓目にみても出来はよろしくない。

でも中にはかなり出来のいいものもあるが、
そういう映画はなかなか公開されない、
仕方ないとも言えるが、
もっと色々な国の映画も見たいものだ。


で、この映画どうだったかというと、
普通に面白かった、
CGなしのホンモノということだから
どのシーンも生身で痛々しいが、
こんな女の子がよくここまでと
「スゲー」という感嘆を何度も心の中で。


ただし大きな見せ場というものがなく、
小出しに常に戦っているので
飽きてくるというか
見せ方には工夫が欲しかったな。

何故か日本のヤクザとして阿部寛がでていて、
充分に日本も意識した作りなのかもしれない、
どうせなら旅行に行きたくなるような
観光名所を散りばめるとか
より良く出来そうな余地はまだあると感じた。

精肉工場での戦いのシーンは
痛さ満載で、これは目新しかったが
包丁がそこら中に目について
「危ない」「危ない」と何度も繰り返した、
名作と思えるアクション映画は
その戦いまでの悔しさや怒りの
「溜め」が必要で
見てるこっちも「もうここまできたら戦うのも仕方ないだろ」と
思わせてくれないと、
くだらない小さなこだわりだけど
やはり絶対に必要だと思っている、

その部分がこの映画ではまだまだだなと思いつつ、
でも楽しめたことは確か。


すごい女の子が現れたものだ。
次回はトニー・ジャーと競演というのも
面白そうだ。


★100点満点で70点


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アクションシーンの連続で満腹でした。

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村上春樹の新刊到着!「1Q84 4月−6月/7月−9月 a novel 」

2009-05-30 12:56:20 | 読書の時間
村上春樹の新刊到着!「1Q84 4月−6月/7月−9月 a novel 」




4月にオンライン書店「bk1」で予約していた
村上春樹の新刊がさっき届いた。


TVのニュースでは大型書店の一部で
27日の夜頃から並んでいると知って
本が届くのを待っていたので嬉しい。

予約なんかしないでも早く読めたんだなとか、
通常出荷じゃなくて、
おいそぎ便で宅配にすれば良かったとか。
等々

たった一日か二日の違いなんだけど
先週読んでいた本の次は
長編を読むと読み終える前にこの新刊が
到着したらマズいなぁと
児玉清の「寝ても覚めても本の虫」という
エッセイを読んでこの本の到着を待っていた。


ということで、ただいま読書中。


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アマゾンは品切れ中のよう



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「ノルゥエイの森」が映画化される、どんな出来上がりか楽しみだ。



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「重力ピエロ」泣いている、笑ってる、微妙なバランス

2009-05-29 00:09:31 | 邦画
「重力ピエロ」★★★★
加瀬亮 、岡田将生 、小日向文世 主演
森淳一 監督、2008年、119分



「春が二階から落ちてきた。」


「印象的な出だしで始まるのは、
ある家族の物語、
どこにでもあるようで、でも
見ていると分かる、
どの家族も唯一の物語を持っていると」



原作は読んでいない、
読もうかな思ったときには
ベストセラーとなっていて
「今さら」と思ったからだ。


映画を見ていて所々に
本の印象的な書き出しのような部分を見た、
そして映画はそれらをうまく取り込んで
上質な家族の物語を描いていた、
ミステリー仕立てになっているが
本筋は「家族」という単位の
なんとも強固で揺るがない
安心出来る場所を見せてくれた。


劇中で回想される家族で見た
サーカスでピエロの空中ブランコのシーン、
「大丈夫だよ、ちゃんと掴むからね」
ピエロが失敗して相手の手を掴みそこねそうになる、
でも大丈夫、観客はほっとする、
そしてみんなは知っている、
落ちたって安全ネットがあるしね。

そんなことを映画は解説はしない、
でも映画のシーンの間に
あれこれと考えるきっかけがあって
その自分だけの時間は
まるで読書をしているようだった。



自分のことを分かって欲しくて
回りくどい「放火」という手段で
DNAの構造を真似てみたりと、
作りこみ過ぎの部分もあるし、
事件から派生する人間関係などは
作り物と前提しても首をかしげる部分もあったが
そんなこと気にならないくらい
映画は常に心地良い緊張感に包まれ
ラストまで見せ切ってくれた。

面白かった。


★100点満点で80点


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岡田将生は「ホノカア・ボーイ」に続いて今年二度目だが、
この映画のほうが存在感があったな。


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「おと・な・り 」こんな偶然あり得ないけど、なんだか幸せ

2009-05-27 00:09:54 | 邦画
「おと・な・り 」★★★☆
岡田准一 、麻生久美子 主演
熊澤尚人 監督、2008年、119分




「カメラマンの聡(岡田准一)の隣の部屋には
花屋のバイトをしながら、
フランス留学を控えた七緒(麻生久美子)が
お互い隣の気配を何気なく気にしながら暮らしてる」



自分の隣に住む人がどんな人か
都会生活では、まったく分からないことが多い、
却ってあまり親しくしない方向で
それとなく出る時間をずらしたり
そんな微妙な空気をお互い詠みながら
「煩わしい」ことから避けるように暮らしている。

この映画の主人公達の暮らすアパートは
隣の壁が薄いのか、
かなり隣の生活音がはっきりと聞こえる、
だからフランス語を勉強する声や
コーヒーミルでジャリジャリとコーヒーを
挽く音も聞こえて、
それがうるさいなと思う場合もあるだろうが、
この2人はなんとなくお互いが
変わらない日常を送っていることに
ほっとしているようだ。



そしてふたりはそれぞれの生活を
淡々と送っている、
いつもと違うことが起こったり、
新しい出会いがあったりするが
お互いの部屋で過ごす時間に変わりは無い。


この先どうなるんだろう?と思っていると
少しずつ種明かしがされる、
この結末は特に感じることは無かったが、
自分達はひとつの住む場所を決め
その周囲で何年も過ごし
一体何を得ているのだろうかなどと
ふと考えた。

「ちょっと幸せ」

そんな映画、目を見張る何かや
大きな成功の話でもない
だからこそ自分達の話のように感じられるのだろう。



★100点満点で70点

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麻生久美子の映画がどんどん公開されてる不思議。


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「漁師と歌姫」自分自身を発見する旅に出る

2009-05-25 00:09:03 | 読書の時間
「漁師と歌姫」★★★☆
又吉栄喜著、潮出出版、333ページ、2100円




「昭和36年の沖縄の小さな漁村、
TVは長老の家にしかなく、
およそ現代の生活とは遠い暮らしの中、
青年はゆっくりと大人になっていく」



舟で沖へ出て鮫とひとりで格闘することで
自分を表現したい主人公と
彼を慕う弟分との永遠に続きそうな
のどかな日々、
それでも確実に少しずつ彼の生活は
変わっていく。

ここに主人公が恋する和子という
女性が登場し、
彼の生活は色づきそして
これまで考えもしなかった自分の将来などを
身近に考えるようになる。

小さな村の共同体、
「世話役」に選ばれた和子は
様々な場面で「詩」を詠み
それはシャーマン的な雰囲気を漂わす。


舞台が50年近く前ということもあり、
文明から遠く、濃密な人間関係、
そして目の前に広がる大きな海原と
背景には山を抱え
その全てのイメージが
あと少しでパーフェクトな物語になったと思うが
荒々しい魂と神聖なものの
対比がもうひとつというか、
和子という世話役にそれ程、
普通ではない「力」を感じられなかったのが
どうも読後感を悪くさせている。

それぞれの選択が「その場所」から
離れてしまうのも、なんとも残念な気がする。

何もかもが「有る」場所を
本の舞台に選んだのにな。

それでもラストまで「どうなるんだろう」と読ませる
展開は巧妙で、まさにラストまで
余韻を楽しみつつ一気読み。

次も気になる作家さんを見つけた。
それが嬉しいことだ。

★100点満点で70点


soramove
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芥川賞「豚の報い」は以前読んだと思うがもうすっかり忘れてしまった。


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