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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

映画「アントキノイノチ」二人のファンなら見てもいいかな

2011-11-29 21:35:53 | 邦画
「アントキノイノチ」★★★
岡田将生、榮倉奈々、松坂桃李、原田泰造、
染谷将太、檀れい、鶴見辰吾、柄本明、
堀部圭亮、吹越満、津田寛治、宮崎美子 出演

瀬々敬久 監督、
131分、 2011年11月19日公開
2011,日本,松竹
(原題:アントキノイノチ )







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「映画と原作は別物と常に思っている、
でも原作を気に入っている場合は
やはりそれなりに期待するもの。
この映画は宣伝を見ていた時から
原作の持つ硬派な部分より
恋愛が表に出ていて気になったが
映画を見終えて、この後味の悪さで
ワリと出来の良かったラスト直前までを
無残な印象しか残らない作品にしてしまっていた」



永島杏平(岡田将生)は高校の時
身近な友達を亡くして
しばらく鬱病を患っていた、
そんな彼は遺品整理の仕事を始め
同僚や上司とのふれあい
そして仕事を通して
自分らしい生き方を見つけていく。


「無縁社会」「孤独死」と
時々キーワードのように話題になるが
この映画はまさに孤独死を迎え
死後しばらく経って見つかった人の
部屋を片づける仕事が描かれている、
そんな仕事もあるんだ
そんなふうにも思うけど
やっぱりあるんだろうなと思う、切実に。



彼らが入っていくのは
ちょっとどこかへ出かけたような
生活感そのままの部屋
主だけがいない
彼らは帽子を取り合掌してから作業を始める、
誰かが死んでしまったという喪失感より
誰かが確かにここで生きていたことを感じる、
しかし丁寧な作業の後は
何もなくなった部屋、
窓から入る柔らかい太陽の光を
かつては誰かがここで浴びていたのだ。


主人公と同僚として
久保田ゆき(榮倉奈々)が登場する、
彼女も高校時代に暗い過去を持ち
そんな境遇が二人を結び付けていく、
彼女の登場はこの映画の視点を曖昧にしている
違和感なく物語は進行するが
ラストでとんでもなくあざとい展開で
一気に映画の魔法から冷めてしまった。




様々な理由から家族との縁を切って
孤独な死を迎える
残された家族は遺品は要らないから
全部捨ててくれというが
それでも先に逝った親や兄弟の心を知り
無関心でいた過去に涙する、

そんないくつかのエピソードの積み重ねと
そんな場に居合わせた主人公が
不器用ながらも
人と関わり続けていくことを選んでいくのだけれど
映画はそんな繊細な部分を
ラストの出来事で台無しにしてしまった。


原作はなかなか良かったので残念。


★100点満点で65点★



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岡田将生出演作品

アヒルと鴨のコインロッカー(2007年5月12日公開、ザナドゥー) - 免許のない学生・佐藤 役
天然コケッコー(2007年7月28日公開、アスミック・エース) - 大沢広海 役
ROBO☆ROCK(2007年11月23日公開、アステア) - キリコにカモられたタトゥー少年 役
ブラブラバンバン(2008年3月15日公開、トルネード・フィルム) - 村雨亮 役
魔法遣いに大切なこと(2008年12月20日公開、日活) - 緑川豪太役
ハルフウェイ(2009年2月21日公開、シネカノン) - シュウ(篠崎修) 役
ホノカアボーイ(2009年3月14日公開、東宝) - レオ役 ※初主演
重力ピエロ(2009年5月23日公開、アスミック・エース) - 奥野春 役
僕の初恋をキミに捧ぐ(2009年10月24日公開、東宝) - 垣野内逞 役
告白(2010年6月5日公開、東宝) - ウェルテル(寺田良輝) 役
瞬 またたき(2010年6月19日公開、SDP) - 河野淳一 役
悪人(2010年9月11日公開、東宝) - 増尾圭吾 役
雷桜(2010年10月22日公開、東宝) - 斉道 役 ※主演
プリンセス・トヨトミ(2011年5月28日公開、東宝) - 旭ゲーンズブール 役
アントキノイノチ(2011年11月19日公開予定、松竹) - 永島杏平 役 ※主演
宇宙兄弟(2012年春公開予定、東宝) - 南波日々人 役 ※小栗旬とダブル主演
ひみつのアッコちゃん(2012年9月公開予定、)

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書籍「沈黙への三日間(上下」もっとスリムでタイトにすべき

2011-11-28 21:51:44 | インポート
「沈黙への三日間(上下」★★★
フランク・シェッツィング 著 ,
早川書房 、2011/3/31、1版
(526ページ /559ページ , 966 /966円)







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「この作家の本は初めて読んだ、
なにか面白そうなミステリー小説はないかなと
そんなとき『暗殺サスペンスの最高峰 』なんて
新聞広告を見つけてさっそくネット注文し、
読み始めたがこれが上巻はもたついて
途中で投げ出しそうになったが
映画も本も最後までと決めてるので
なんとか我慢して読み切った」



厳重な警備のターゲットを
指定時刻、指定場所で
全世界がその暗殺の光景を目撃できること。


不可能と思える計画
そこで名前が上がったのは
ヤナと言うコードネームで仕事を請け負う女性暗殺者、
舞台設定も役者も揃ったという感じ、
けれどこれがなかなか核心に近づかないし
余計な話が多すぎで
ミステリーのテンポなんか無視し
どうなってるんだこれと
何度も感じた。



9・11以降、平和っていうものの形が
見えにくくなったというか
なにか根幹にある揺るぎないものが
全く信じられなくなった、
今だくすぶり続ける民族紛争
この小説の描くものは古さしか感じない
そして手口も説明されてても
いまひとつピンとこないくらい。



けれど上下巻で2000円近くという
時間とお金は取り戻せない
高い買い物だった。


次は別の作家の本を読もう。


★100点満点で55点★




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海外の翻訳ものは当たり外れが大きい、
訳者の影響もあるのかもしれないが、
日本語としてこなれていないと読みにくい。

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映画「マネーボール」自分の考えを貫くことの厳しさと喜び

2011-11-27 19:09:45 | 大作映画ハリウッド系
「マネーボール」★★★☆
ブラッド・ピット、ディミトリ・マーティン、
フィリップ・シーモア・ホフマン、ロビン・ライト 出演

ベネット・ミラー 監督、
133分、 2011年11月11日公開
2011,アメリカ,SPE
(原題:Moneyball )







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日本では公開2週連続3位、
興行収入10億くらいか。


「ブラビが家族で来日した報道で
この映画の宣伝は完了、
でも美しいブラビを見に行った女性客は
この映画をどう感じただろうか、
実際のモデルとなったGMは
今もアスレチックスでその職に就き
日本では松井秀喜をエンゼルスから呼び寄せたことで
話題となった、
視覚的に大いに盛り上がるシーンなど
登場しないが
周囲の取り巻く状況を踏まえ決断することや
自分にとって何が大切なのか
改めて考えさせてくれる映画だった」



育て上げた主力選手を高い契約金で引き抜かれ
少ない予算でどんな補強が出来るだろうかと
ジェネラル・マネージャーの
ビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は
プロのスカウト達の意見を聞くが
そのどれもが「もし予算があれば」という
空論にすぎず
ではどうしたらいいか迷っていた、
そんな時、選手を補強する話をしにいって
データ分析が得意なピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)に出会い
彼を引き抜き新しいチーム作りを始めた。


「マネーボール理論」と名付けられたそれは
1勝するために何が必要か
また優勝する為には何勝が必要で
そのためにはどんな選手が最適かを
データから割り出すことで
実績や名のある選手より
全体のバランスには欠けていても
勝つために必要な能力をもっている選手を
安い契約金で集めるというもの。


最初はうまく機能しなかったが
徐々に効果をあげて
アスレチックスはプレーオフに進出するが
惜しくもそこで敗退してしまう、
現実は映画じゃないから
最高の成績を手に入れハッピーでしたとはいかない、
けれどビリーは、その手腕を買われ
レッドソックスから巨額のオファーを受けるのだ。



何より結果にこだわるビリー
「良くやった」ではだめなのだ、
最高の勝利を掴まなければ意味は無い、
何度か繰り返される言葉

では良く頑張ったというのでは
本当にダメなのだろうか、
実生活では夢の実現や理想は
ほとんどの場合遥か遠くにあり
常に焦がれ続けてはいるけれど
手に入らないことをどこかで分かっているような
それが現実と言ってしまえばおしまいだが
それでも頑張る背中でいたい。


スポーツ選手の現役生活は短い
契約を切られて次が無く
不安な現実と向き合う選手を
良い面を見つけてチームで働いてもらうが
他の良い選手を獲得すれば
バッサリと切ってしまう冷酷さも見せるが
彼の思い描くものは最高の勝利
ならばそれは仕方のないこと。


最高額のオファーを断り
今のチームで自分の理論を実証しようと
今も奮闘する実在の人物
いかに生きるか
どう仕事と向き合うか
考えさせてくれる映画だった




★100点満点で75点


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フィリップ・シーモア・ホフマンは監督役で出演していたが
彼を起用したのはあの体格だからだろうか?
もうひとつ意味が分からなった。

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映画「恋の罪」みんな城の入り口を探して歩き回っている

2011-11-23 11:03:47 | 邦画
「恋の罪」★★★☆水野美紀、冨樫真、神楽坂恵、
児嶋一哉(アンジャッシュ)、二階堂智、
小林竜樹、五辻真吾、深水元基、
内田慈、町田マリー、岩松了、
大方斐紗子、津田寛治 出演

園子温 監督、
144分、 2011年11月12日公開
2011,日本,日活
(原題:恋の罪 )





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「『冷たい熱帯魚』(2011年)の衝撃からわずか
新作もかなりエグイ映像と内容、
セリフも未完成な印象の部分もあったが
途中からそんなこと全く気にならなくなった
人の心の奥底の痛い部分を
全部あけっぴろげて
その鮮烈な滴る血の一滴一滴を見せつけられた、
ホラーやオカルトチックナのに
まさしく人間ドラマを見た気分だ」



1997年に実際に起きた話からヒントを得て製作された、
渋谷のラブホテル街の木造アパートの空き室で
39歳の東電OLの死体が発見され
所持金473円バッグには未使用のコンドームが28個
会社では管理職として出世コースを歩みながらも
退社後は一日に4人の客をとるノルマを
自ら課していたことが明らかになり、
さらに裁判の過程で母親も娘が売春をしていたことを
知っていたことも話題となった。


まさにその事実をなぞりながらも
他に2人の女性を登場させ
3人のそれぞれの人生の交差点を
かなり衝撃的な映像で見せ切った作品、

自主映画のような感覚を残しつつも
洗練されていない荒っぽさの中に
人間とその抱える性という
厄介なものに真正面に取り組んだ作品と感じた。

上映終了のエンドロールで水野美紀が
行ってしまったゴミ収集車を追いかけて行く

象徴的なシーンまで
収まるべきとこにストーンと収まり
フーッと大きく息を吐くような
それはもちろん充実感からきたもので
スクリーンの裏側に
監督の意図したものが
見事に調和し完結したのだろうなと
前作よりさらに完成された作品を感じた。



毎日の繰り返しの中で
ふと埋めようのない空虚な穴を
誰もが抱えている

ほとんどの場合は別の何かで
その埋め合わせがなされ
もしくは他の何かにすり替えることで
とりあえずその穴をふさいでいるのかもしれないが
でもその穴は何を持っても
埋めようが無いのかもしれない。


言葉が溢れている時代だ、
見えるもの
見えないもの
それら全てに名前をつけ言葉に置き換えている
でも言葉に置き換えられないものがあることも
知っている


映画が終わり
次の上映を待つたくさんの人の間をすり抜け
外へ出ると冷たい風に吹かれる
寒さをしのぐように
上着の前を合わせて歩きだすが
組んだ腕の間からも
冷たい風が抜けていくようだった。



★100点満点で75点★


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園子温監督作品
『俺は園子温だ!』(1985年)ぴあフィルムフェスティバル入選
『男の花道』(1987年)ぴあフィルムフェスティバルグランプリ受賞
『自転車吐息』(1990年)ぴあフィルムフェスティバルスカラシップ作品、ベルリン映画祭正式招待作品
『部屋 THE ROOM』(1994年)サンダンス映画祭審査員特別賞受賞
『BAD FILM』(1995年)
『桂子ですけど』(1997年)
『男痕 -THE MAN-』(1998年)
『0cm4』(1999年)
『うつしみ』(1999年)
『性戯の達人 女体壺さぐり』(2000年)
『自殺サークル』(2001年)新宿武蔵野館における過去最高の観客動員数を記録
『ノーパンツ・ガールズ 大人になったら』(2004年)
『夢の中へ』(2005年)
『Strange Circus 奇妙なサーカス』(2005年)、第56回ベルリン国際映画祭フォーラム部門にて観客の人気投票によって選ばれる「ベルリン新聞・読者審査賞」 (The "Berliner Zeitung" Reader's Jury Award) を受賞
『紀子の食卓』(2006年)第40回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 特別表彰&国際シネマクラブ連盟ドンキホーテ賞
『気球クラブ、その後』(2006年)
『ハザード』(2006年)
『エクステ』(2007年)
『愛のむきだし』(2008年) ベルリン国際映画祭で、「国際批評家連盟賞」「カリガリ賞」を受賞
『ちゃんと伝える』(2009年)
『冷たい熱帯魚』(2011年)
『恋の罪』(2011年)
『ヒミズ』(2012年)

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書籍「コフィン・ダンサー(上・下」人物描写は殺し屋に至るまで緻密で最高

2011-11-22 07:00:08 | 読書の時間
書籍「コフィン・ダンサー(上・下」★★★★☆
ジェフリー ディーヴァー著 ,
文藝春秋 、2004/10
( 315ページ/ 379ページ , 各690円)






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「映画でリンカーン・ライムを知ってから
どのくらい過ぎただろう、
今でも自分の頭の中のリンカーンは
デンゼル・ワシントンだし、
サックスはアンジェリーナ・ジョリーだが
『ボーン・コレクター』の頃と比べると
アンジーは有名になりすぎて
ちょっとイメージは変わってきたかな」




「棺の前で踊る男(コフィン・ダンサー)」の
異名を持つ殺し屋は
ターゲットを狙ったら決して外さない、
今回リンカーンにはその殺し屋を捕まえる手助けが依頼された、
操作中の事故により重度の肢体不自由でベッドで過ごす彼は
手足となる最新のコンピュータを駆使し
犯罪現場で手足となって活躍するアメリア・サックスと共に、
決して不用意な証拠など残さないダンサーを
追い詰めていくわけだけど、
次がどうなるか気になる、
まさにページターナーと言われるだけのことはある、
文庫で上下巻なのがうれしい、
読み始めはまだまだたくさんるとどんどんめくれるからね。



リンカーンの実質的な手足となるアメリア・サックスも
今作では犯罪現場の科学捜査官として
成長した姿を見せてくれる。

実際のアンジェーリーナ・ジョリーは
この作品のサックスよりも知名度や実力も上がってしまったので
その点ではイメージの原作と俳優がちょっと食い違うが
それでもヒットした映画ってのは
それ以降も強烈な印象を残してしまうから
原作者が映画化に慎重になるのも仕方ないだろうな。


ある犯罪の重要証言をしてくれる3人の証人のひとりが
経営者でありパイロットでもある彼が飛行中の爆発で殺された、
残る2人をダンサーの手から守り
そしてダンサーを捕らえようと
犯行現場やさまざまな考えから集めた証拠をもとに
ダンサーの近辺には迫るが
いつも彼らの手からスルリと消えてしまう、
このあたりの展開を読んでいて感じるのは
捕まってほしいが、そう間単に捕まってもらいたくもなく
そのもどかしさとでも期待を裏切らない展開で
ホント楽しませてくれた。



今回はリンカーンとサックスの際どい関係や
明敏さを感じさせない分析官のメル・クーパーにも
リンカーンは実は信頼してる描写があったり
ニューヨーク市警の殺人課からきた二人も時折登場しては
ちょっとした笑いやなるほどと思わせるような活躍もし
チーム全体として事件にあたる様子が
丹念にそしてスピーディーに描かれていて
今後のチームの発展も期待したい。



この作品はリンカーン・ライムシリーズの2作目、
最新刊は新書で読んだけれど途中が全部抜けてるので
文庫で続けて読もうと思っている、
映画は知っていたがそのときはジェフリー・ディーヴァーという
原作者は知らなかった、
彼の作品を読もうと思ったのは今年亡くなった
児玉清さんがさかんに薦めていたからで
こうして人の想いってものは伝わるんだと感じている。




★100点満点で90点


soramove
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上下巻を週末の2日で読破、
嬉しいような、もったいないような
こんな気分を味わいたくて
また新しい本と出会う。

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