soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「ウォンテッド」強引なアクションに見所アリ

2008-09-30 00:09:44 | 大作映画ハリウッド系
「ウォンテッド」★★★☆
アンジェリーナ・ジョリー、ジェームズ・マカヴォイ主演
ティムール・ベクマンベトフ 監督、2008年、アメリカ、110分



全米では6月最後の週に公開され
ディズニーの「WALL・E/ウォーリー」に次いで
5.000万ドルで2位発進のヒット作。
最終的には1億3.000万ドルと大ヒットの目安の
1億ドルを超えた。

実はチャートマニアでもあって、
アニメ以外はハリウッドの大ヒットは必ず見ると
誓いを立ててますが、
この映画、ストーリーはともかく、見せ方には
相当力を入れていることが伺える。


宣伝で使われていた、
道路上で頭を抱えて
立ちすくむ主人公に体当たりするかと思える
真っ赤な車にタイミングよく、ちょこんと座ってるという
ありえない状況だけど、
そのあたりから映画の魔法にかかっていく、
これはリアルを見るのでなく
どう見せてくれるか、それをただ楽しめばいい。


果たして弾丸の軌道は曲がるのか?
ワケナイけど、ちゃーんと曲がります、
ラストでは円を描いて一周するしね。

くだらなく、ダメダメなさっきまでとは全く違う世界が
「君は特別だ」と言ってくれたら・・・。
御伽噺のような設定ながら、
誰だってふと思うことはあるはず。

選ばなかったもうひとつの自分の未来。

映像は凝っていてスゴイ、
これは大スクリーンで見るべき
単純なアクション映画


銃をぶっ放すこともなく、
電車に飛び乗るなんてありえない、
ナイフを持った男になんて立ち向かえない、
逃げるのみ
それが全部、ヒーローばりに何でも出来るようになれば
面白いだろうな、
そのくらいの感慨でラストへ突っ走る。

アンジェリーナ・ジョリーは完璧、
でももう一人の主役の男優はハードルが高かった、
華がなく、もっと他にいるだろうにと
素直な感想。

ラストのモーガン・フィリーマンの表情もイイ。

★100点満点で75点

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見終わって地下鉄に乗る頃には細かいところは
あっさりと忘れてしまうが、そんな映画も面白い。
とりあえず、面白いものと聞かれたらこれ、ススメます。

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「さよなら渓谷」伝えたい事柄の核心までは到達せず

2008-09-29 00:09:17 | 読書の時間
「さよなら渓谷」★★★
吉田修一著



買ってからすぐ、読みたいミステリーや
旅行を挟んだりで
やっと読み終えた。

前作「悪人」では本好きな心を
充分に楽しませてくれたので
かなり期待して読んだが、
またしても軽目の気を抜いたような作品に
戻ってしまったようだ。


そもそも「悪人」は
この小説がつまらなかったら
もう吉田修一は読むのをやめようと思っていたら
予想を上回る本当に幸せな時間をくれたので
これでまたしばらく読もうと思ってこの作品。

どうにも小説の内容にリアルが
感じられない。

「ありえないよ」

何度かつぶやいた。

もちろん、信じられないような偶然や巡り合わせは
小説に出てきて、違和感を感じつつも
そんなこともあるかもと、
どこかで納得させてくれる、
でも今回の作品の偶然はかなりの
力技で、こっちの疑念は
ねじ伏せられていないあたりが
どうしても納得出来ないことにつながる。

なにか面白いところを書きたいが
「ありえないよ」その言葉しか浮かばない。

でもね、起死回生の特大ホームランの後だから
まだしばらくは読みたい、
くじを引くみたいに、しばらくは
どきどきしながら新作を手にとるだろう。

人間の心を描くことにここでも挑戦しているが
いくらなんでも設定があまりに突飛で偶然に支配され
だからそこに登場する人物の心理なんか
どうでもよくなる、
「そうかな」「そうかな」絶えず思いながら
読みやすいので、すぐに読めてしまえたけれど。

★100点満点で60点
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芥川賞を受賞した「パークライフ」は今でも
あまり好きじゃない。でも気になる作家だ。

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「最高のパートナー」勝負作じゃないが、見所アリ

2008-09-28 00:49:31 | 韓国映画・アジア映画
「最高のパートナー」★★★
アン・ソンギ、チョ・ハンソン
キム・ジョンヒョン監督、2008年・110分



韓流シネマ・フェスティバル2008
名古屋会場は厚生年金会館というデカイホールで
映画を見る環境としては不満、
カン・ドンウォンの舞台挨拶をペイするには
このくらいの観客を集めないといけないのだろうが
純粋な韓国映画ファンにとっては迷惑なことだ。

さて、一日で4本見た映画の感想でも、
アン・ソンギは年間出演作は
何本くらいだろう、
脇役じゃなく、ほとんどが主役というのが
すごいことだ。

大統領からヤクザまで、
変幻自在振りがまたすごい。


時々失敗作もあるが、
たいていは安心のアン・ソンギ印だから
ソウルへ行って、他に見るものがなければ
彼の出演作をみれば
たいていは泣けるか、ほんわかとした気分に
させてくれる。


今回は汚職警官として
地方に飛ばされた男と
その男をずっと他人には「死んだ」と
言って憎み続ける息子が主役、
韓国映画らしい熱く、暴力に満ちた作品だ。

釜山には行ったことがないが、
山に沿って小さな家が連なっているのは、
先日見たブラジル映画に出て来た家々と
似ていて目を引いた。

相変わらずのありえ無い展開と
ラストのチカラ技でなんとか無理やりまとめた
感じもするが、
つまらないということは無く、
まずは無難な出来。


ジェットコースターのシーンなどは、
アクションとして頑張ってるけれど、
それをウリにするなら
20年位前のジャッキーの映画で勉強すべき。

★100点満点で70点

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「オオカミの誘惑」の頃とは全然違うチョ・ハンソンは
映画で久しぶりに見たが、これから
もっと見る機会が増えるだろう。

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「12人の怒れる男」暑苦しいおっさんが怒ってます

2008-09-26 00:09:20 | ミニシアター系映画
「12人の怒れる男」★★★★
セルゲイ・マコヴェツキー、アレクセイ・ペトレンコ他 12人
ニキータ・ミハルコフ監督、2007年、ロシア、160分



ハリウッドの名作にロシア人監督が
新しい命を吹き込んだ。

ヘンリー・フォンダの紹介では必ずこの映画の
名前が出て来るほどの名作として名高いが、
見たことはないので比べられない。

リメイクは多く作られているが
元ネタが有名になればなるほど
出来上がった作品の評価は芳しくない。
でもこの映画に関しては
ワリと好意的な評価が多かったので
どんなものかと劇場へ。

ハリウッド色は皆無でロシアの現状を踏まえ
何の違和感も無く、たぶん大胆に
アレンジされたのだろうということが窺える。

人が人を裁くということは、
日本でも裁判員制度が開始されることもあり、
全く他人事ではないが、
その裁判が一人の人間の生死を決定するとなれば、
これはそんなに簡単なことじゃない。

この映画でも先入観や
自分のこれまでの生き方が
その裁判の判決に微妙に影響し
ほんとうにこれは困ったことになったなと
映画を見ながら考えた。

叫ぶような台詞回しは
舞台劇を見ているようで、最初はその剥き出しの
激しい口調が気になったが、
そのうち、人が人を裁くということは
理性的というより
自分自身をさらけ出し、
さまざまなものを総動員して決定していかないと
いけないのだと感じる


紛れ込んだ小鳥、
突然の停電

いろんな事柄がそれぞれ何かを示唆しているようで
目が離せない、
しかしこの暑苦しさはどうだ、
女性は全く登場せず
むさ苦しい男が唾を飛ばしながら話してるだけの映画、
まずヒットしそうにもない映画に
正面から取り組んだ心意気が素晴らしい。


映画らしい映画ながら、
こんな映画を見た後は
見たらすぐに忘れてしまうような軽目の
ハリウッド映画が見たくなる。

おなか一杯、ごちそう様。

★100点満点で75点

soramove
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映画の出来としては文句無いが
しばらくこんな濃い映画はいいや。

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「パコと魔法の絵本」映画は見た目じゃない

2008-09-25 00:09:47 | 邦画
「パコと魔法の絵本」★★★☆
役所広司 、アヤカ・ウイルソン 、妻夫木聡 、
土屋アンナ 、阿部サダヲ 、加瀬亮 、國村隼 出演
中島哲也 監督、2008年、105分




監督で映画を見るなんて
ほとんどしないことだ。

この映画の宣伝を見ただけでは
「見るのはパス」しそうだけど
前作「嫌われ松子の一生」で作家性というか、
自分のスタイルを持ってる人と感じ
自作も絶対と思っていたので
とりあえず劇場へ

このハイテンション、
近くに座ってる年金受給者の方達は
大丈夫かと心配になるほど。


動きの面白さから
子供は最初からハマっている、
大人たちはちょっと居心地が悪いような時間が過ぎ、
降りかかる金のキラキラした粉が
心に届く頃
見た目の大げさな演技とは別に
心に染みてくるものを感じる。


人に何かしてあげたい、
その気持ちはホント純粋に人間にあるものだろう、
それはその人に好かれたいという気持ちもあるだろう、
でもそんな根底にあることよりも
まずは衝動に突き動かされるような
優しい気持ちの存在を信じられることから。


「ポニョ」には正直ガッカリしたけど
「パコ」の魔法はバッチリだった、
これは大人の童話だ、
この魔法は劇場でないと魔力は薄まるから
是非劇場で見て欲しいと。

やりすぎのギリギリセーフあたりで
うまくバランスをとって

見た目のケバさや、作りこみすぎのキャラが
画面狭しと動き回り
それを目を追いながらも
ちゃんと心に響くものを伝えているところが
スゴイ!

なんなんだ、この監督は、
この人だからのこの映画、堪能しました。
次も期待してます。


★100点満点で75点


soramove
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褒めたワリには75点は低めですが、スキか嫌いかといえば
特には好きではないということ、でも良く出来た映画

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