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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「キサラギ」ずれているのはどっちなのか、楽しんだものが勝ち!

2007-07-31 00:39:31 | 邦画
「キサラギ」★★★★面白いよ!
小栗旬、ユースケサンタマリア、小出恵介主演
佐藤祐市 監督、2007年、108分



3流アイドルが自殺した、
ひとりのファンがその一周忌をネットで呼びかけ
5人のファンが集まった。

面白いと評判の映画をやっと見た。

ひとつの部屋で展開される話は
思わぬ方向へと進み、
落ち所がどこになるのか、
謎解きの要素も加わって面白かった。

脚本がうまいんだよなーと
終始感じながら、
濃密でどこへも逃げられない中、
新たな事実が加わって
登場人物の誰もがどこかおかしく、
でもこれは全ての人に
どこか当てはまることだとも感じた。


ファンのアイドルへ向ける情熱は
他人からは分からない
ものすごいエネルギーだ。

それがもっと別の有効利用があれば
世の中は確実に良くなりそうだが、
人間はその馬鹿馬鹿しいことに
分かっていながらのめり込んでいくものなのだ。

自分も映画のチラシを集めている、
そんな人は身の回りには皆無だ。

何が面白いの?と言われるけれど、
理由なんて無い、ただ劇場でチラシを見つけると
スッと手が伸びて、
同じ映画の2種類目や裏の柄違いなんかを
見つけるとかなり燃える。

これはもう同好の人としか分かりあえないし、
しばらく停止しているが
以前はネット上でチラシにお金を出して
買っていたしね。

ファンなんてものはそんなもの、
マニアックになればなるほど
理解は難しく、同じ程度のマニアとは
ホントに分かり合えるのだ。

ここに描かれるコアなファンも
他人から見れば、どうかしてると思えるが
真っ当すぎるくらい、真っ当なのだ。

この映画は。良くできている。
ラストには泣きそうなシーンまで、
でも何か足らないとすれば
華がないかな、でもそれは欲張りか。

★100点満点で85点くらいか、
映画の大画面の醍醐味には欠けるか★

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ドランク・ドラゴンの塚地が肩の力を抜いたとぼけた味を出して
役得だったか。

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「街のあかり」敗者も夢を見る

2007-07-30 00:09:53 | ミニシアター系映画
「街のあかり」★★★
アキ・カウリスマキ監督
2006年、ドイツ フィンランド フランス 、78分



会社で礼遇され
パブでのナンパもゴミのように
扱われてしまう。

淋しい、悲しい、でもなんだかおかしい。

国民性なのか分からないが、
登場する皆がぶっきらぼうで、
言葉の多くが感情がこもらない。

互いの心の中に入ることが
出来そうも無く、手ごわいのだ。

冴えない男の転落人生を
淡々とどこか何故かおかしく感じながら、
ラストにわずかな、あるかないかの
希望を見せる。

でもここでハリウッド的な
ハッピーエンド出ないところが
この映画の良いところ。

ゆるい緊張感がラストまで続くけれど、
オチのない、真面目にやってるのに
どこかおかしく感じるというのは、
なんだか自分たちの日常と重なる。

誰も人を笑おうと身構えてはいない、
でもそこにおかしな、不条理な間が存在し、
人は道化にならずに居られないのだ。
そしてその傍らで笑ったり、笑われたりと、
結局どちらで居るかを選べないのだ。

さて、映画はどうだったかと言うと、
あんまり面白くは無い、
でもこの映画を見る時の妙な緊張感は
たぶんこの映画でしか得られないのだ。

★100点満点で65点くらい、
あまり映画を見ない人には決して勧めない★

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この映画は、たまたま見たという人より、
前作や兄弟の作品を見てる人が、またあの不思議な世界を
見たくていくような映画、大作好きな人にはキツイ。

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「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 」子供には難しく、大人には物足りない

2007-07-26 00:39:28 | 大作映画ハリウッド系
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 」★★★☆
ダニエル・ラドクリフ主演
デヴィッド・イェーツ 監督、2007年、イギリス



ハリーも随分と大人になりました。
子供っぽく見せようと丸メガネと前髪おろしで
なんとか誤魔化してるけどね。

規律に厳しい女性の校長の誕生の
サイドストーリーを絡ませつつ、
宿敵ヴォルディモートを倒すため
ハリーは友人と力をあわせて立ち向かう。


書けば簡単だけど、多くの登場人物と
背景を持つ人々がドバッと出てきて
これお子チャマには難しくないか。

見た目のバカバカしい笑いが無い分
子供はこの長い映画を我慢できるのだろうか。


だったら大人向きかというと
これがそうでもない、大人も唸らせるような
高い理想を掲げて作ったわけでもないからだろう、
大人が鑑賞するとなれば
話は別だ。

人を好きになるまでの過程や、
その後、誤解から心が離れるシーンなど
あまりに短絡的で納得できない。

大人の世界との狭間で
成長する姿を描いているが
そのあたりがあまりに性急すぎて
これでは受け入れられないのだ。


2時間を越える上映時間ながら
あの厚い原作の内容を描くには不足だったか。

ただし光と影の印象的なシーンや
深い森と幻想的ないくつかのカットは
はっとさせられる部分もあり、
見逃せない作品とまでは言えないが
「パイレーツ・オブ・カリビアン3」といい勝負というところか。

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原作の完結第七話がイギリスで発売されたと新聞、
イメージがこんなふうにスクリーンで表現される、その行為に
何度も感動する、人間の頭の中ってすごいと改めて感じる。

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「フリーダム・ライターズ」人は変われる?でも一人では無理だ

2007-07-25 00:50:15 | ミニシアター系映画
「フリーダム・ライターズ」★★★☆
ヒラリー・スワンク主演
リチャード・ラグラヴェネーズ監督、2007年、アメリカ



理想に燃えた新米の国語教師が
人種の制約を取り払った
新しい試みのクラスにやって来た。

人は人種を越えて分かり合える。

言葉では簡単だが、
白人、黒人、プエルトリカン、東洋人と
彼らはそれぞれ固まり、他に交じろうとはしない。
学校で同じクラスに座って居ても、
外へ出れば若者たちはお互い銃を向けあっているのだ。

そしてその高校一年のクラスは
学校側でもほとんどは途中で落ちこぼれ、
卒業はムリだろうというレッテルを貼られていた。

クラスがまとまらず、
授業所ではない状況、
それでも主人公の情熱を冷ますものではなく、
彼女は生徒に考える事や
本を読む喜びをなんとか伝えようとする。

彼らに日記をつけることを提案し、
生徒達も自分の日々の考えをそれに綴っていく。

これは真実の物語だ、
うまく行き過ぎ、美化されている部分もあるだろう。

それでも親からの愛に飢え、
自分の言葉で気持ちを言い表すことさえ
出来なかった生徒が、少し上を見据え、
自信を持つシーンには自然と感動する。

人に何かを教えることは難しい、
人前に立ものでもホントは教えるというより、
自分の生き方の一部を見せることになるのかもしれない。

上滑りな言葉では
人の心を動かすことなんてできないからだ。

自分のやりたいことと、
それが目の前の人の為になることは
必ずしもバッチリ合わさることはない、
それでも前に立つ以上、
あきらめずに伝えなくてはならないのだろう。

久々にさわやかな涙がでた、
それは悲しいものじゃ無く、
勇気が沸くようなもので
伝えたい気持ちがあれば、伝わる。

そんな気持ちを強くさせてくれた。

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人は常に現状に満足できず、ここではない何処かへ
思いを馳せている。本当は満ち足りているのに
それでも同じ場所で立ち止まることをよしとしないのだ。

それは幸せなことだろうか、それとも不幸なことなんだろうか。

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「赤い文化住宅の初子」貧乏について考える(わけないね)

2007-07-23 00:33:12 | 邦画
「赤い文化住宅の初子」★★★
東亜優、塩谷瞬主演
タナダユキ監督、2007年(100分)



夕暮れの橋の上、
視線を下に落として
少女が「お金、お金、お金」と言いながら
歩いて行く。

その予告編で見ることを決めた作品、
前売り特典のマッチ箱というのも
なんだか雰囲気で良い。

本編が始まって
あれ、なんだか予想と違うぞと思う、
オレが期待したのは
「嫌われ松子」のような
どこか破綻したような、訳の分からない展開だ。

なのになんだかこの映画は
真面目に貧乏くさいのだ、
というか真正面から
貧乏な少女と彼女の恋、そして
同居の兄をただ真面目に描いていく。

なんだかマズイぞと思う、
これは何だろう、そして考える。

この映画は何処を目指しているのだろうかと、
このまま終わるなら、
自主制作映画の出来の良い部類と
そのくらいしか感じられない。

たぶん、もうすぐその「何か」は起こるのだ。

そしてみすぼらしい家は焼けてしまい、
兄弟は別の町へ向かう。

なんだこれ、
逆に面白いとか、ひねくれたあれこれを
思いつくが、やはり消化不良だ。

何が悪かったんだろうと考える、
そうだこのところ、ワリと面白い邦画に
当たってるのがいけないのだ、
だからちょっと色気出してしまうと
こうなるのだ。

作品選びはムヅカシイ、
自分の時間とお金を費やすのだから、誰だって
良い映画に出会いたい。

でも心に残り、何かを考えさせ、
人にも勧めたくなるような映画はやはり
そうそう無いんだと、改めて感じた次第。

貧乏くさい映画が見たいなら
この映画はその期待を裏切らない。

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好きになった人にはたまらない作品となるかもしれない
親密な映画だけれど、オレはノレませんでした。
自分の目で確かめてみるのもいいかも。

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★原作は著者: 松田洋子のコミック

出版社: 太田出版
サイズ: コミック
ページ数: 175p
発行年月: 2003年07月