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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

書籍「極夜行/角幡 唯介(著)」寒い寒い寒い記録

2018-05-12 01:09:12 | 読書の時間
書籍「極夜行/角幡 唯介(著)★★★☆
単行本: 333ページ
出版社: 文藝春秋 (2018/2/9)




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「ノンフィクション界の
トップランナーによる最高傑作が誕生!
探検家にとっていまや、
世界中どこを探しても
”未知の空間“を見つけることは難しい。
大学時代から、様々な未知の空間を
追い求めて旅をしてきた角幡唯介は、
この数年冬になると北極に出かけていた。
そこには、極夜という
暗闇に閉ざされた未知の空間があるからだ!」

(出版社HPより)


何故かこの作者の本は
出版されると目につき
結局読んでいる

自分は別に冒険なんて求めてないし
自分の代りに彼に
冒険の何かを見つけようと
しているわけでもないのに。


極北の閉ざされた世界
グリーンランド北西部の
地球最北のイヌイット村の
シオラパルクに拠点を置き、
白夜の正反対の「黒夜」ともいうのか
太陽も登らない漆黒の闇を
グリーンランドとカナダの国境付近を
四ヶ月かけて探検した記録だ。



よくまあ、そんなこと
思いつくなぁ、

ヘッドライトの僅かな灯りを頼りに
平坦ではない道なき道を
一匹の犬とともに進むという、
全然やって見たくない
まさに冒険だ。

だから、読んでいて
わくわくはしない、

何でこんなことするんだろうという
気持ちの方が大きいが
彼は冒険家なので、それは問わない。


テントの中まで凍ること、
服の中まで凍る事
それらはイメージは出来る、
体験したことは無いが。

でも彼の置かれたというか
自分で進んで行ったのだけれど
極夜と氷の大地を進むというのは
想像を超えている。

ただ、読んで行くと
予想しなかった困難に遭遇し
当初の予定からは外れ
なんか思ったより
ショートカットというか
後半はピューッって走り過ぎて
ラストは尻切れトンボのような印象だった。


思っていたのと、ちょっと違った

これはよくあることだ、
でも本にはそのあたりは
明確にされていない、
だから「極夜を超えて見た太陽の光」に
本来の明るい光を見たい・・・・、
そんな彼の思惑は
こちらにそれが成功したのかどうか
もうひとつよく分からなかった。

未開の地というものは
この地球上には
ほとんど残っていないだろう
だから冒険家は
「違う状況」という方面から
アタックしないと
冒険は成り立たないのかもね。


そういう意味では
地球は狭くなったけれど
何処へ旅しようと
日本と全く違う風景や風習をみれば
まだまだ地球は広いんだとも思う。

次の冒険も期待したい。

関係ないけど
一時人気になった戦争写真家の
あのベレー帽の人
今はどんな写真を撮っているのかな。

★100点満点で75点
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映画「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」ソン・ガンホのリアル

2018-05-10 01:09:05 | 韓国映画・アジア映画
映画「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」★★★★
製作年/国、2017年/韓国
配給:クロックワークス
時間:137分
公開日:2018年4月21日(土)
監督:チャン・フン

ソン・ガンホ、トーマス・クレッチマン
ユ・ヘジン、リュ・ジュンヨル 出演



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「実在の人物をモチーフに、
韓国現代史最大の悲劇とも言われる
光州事件のもうひとつの真実を紐解くドラマ。
『高地戦』のチャン・フンが監督を務め、
事件の実情を伝えようとするドイツ人記者と、
彼を乗せ、光州の中心部に入った
韓国のタクシー運転手の物語を描く。」

(ぴあHPより)

チャン・フン監督は、
かつて熱くなった「映画は映画だ」←過去記事へ
の監督なので楽しみに劇場へ。


韓国という国は若い、
国の歴史は古いが、
現在の様な民主的な国家となるまでは
急激な変化がいくつかあり、
この映画が描く「光州事件」も
何度か映画化されている。


ソン・ガンホ演じるタクシー運転手が
光州事件の真っただ中に
放り込まれるが、
歴史を変える様な人じゃなく
ソウルのそれも成績の良くない
運転手が見た真実に
リアルな恐怖を感じた。



主人公のマンソプはタクシー運転手
家賃を4か月滞納し、
11歳の娘をひとり育てている、
家計は苦しいが、いい加減さと明るさで
悲惨な感じはしないのが救いだ。


ソウルから光州に外国人記者を
乗せていけば高額は報酬を
もらえるということで
他のドライバーが受けた仕事を
強引に自分のものにして
光州に向かうが、そこには
想像してなかった悲惨な事件が起こっていた。

当時、報道も政府に統制されていたため
少し離れた隣町では
光州で何が起こっているか知らされず
普段の生活を送っていたが
光州でデモを行う学生に向かって
発砲や暴行が行われていた。

タクシー運転手は、
自分の仕事をしているだけなのに
いつものタクシーのフロントガラスから
見える光景は
報道で知らされていることとかけ離れ
何が起こっているか知ることになる。



ソウルでは、学生が勉強そっちのけで
デモをしているのを
批判的にさえ見ているが、
彼らの考えがどうこうじゃなく
一般民衆に向けられた軍隊の砲火が
「これは違う」と肌で教える。

見てるこっちも
主人公と一緒にその渦中に居て
何か尋常じゃないことが
政府によって行われていることを知る。



今ならスマホですぐに誰かが
発信出来るかもしれないが
新しい時代には
違った形の大きな力の制御が
働いているのかもしれないなと思うと
ちょっと怖くもなる


官僚が誰かと会ったことを
「思い出した」と言って
証人喚問に応じると
ニュースで言う、
誰がどんな力で
記憶を「覚えがない」とか
「思い出した」とか言わせてるのだろう?

本当の恐怖は身近なところにも
あるのかもしれない。


★オススメ度合い★
起こっている事件は悲惨だが
ソン・ガンホが時にコミカルに
飽きさせないので見て損なし。

★100点満点で85点

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映画「パシフィック・リム アップライジング」大味で細部がおろそかで気になる

2018-05-07 19:09:33 | 大作映画ハリウッド系
映画「パシフィック・リム アップライジング」★★★
原題:PACIFIC RIM:UPRISING
製作年/国:2018年/米
配給:東宝東
時間 111分
公開日 2018年4月13日(金)
監督 スティーブン・S・デナイト

ジョン・ボイエガ、スコット・イーストウッド
ジン・ティエン、ケイリー・スピーニー
菊地凛子、新田真剣佑 出演



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「KAIJU群との死闘から10年。
英雄ぺントコストの遺児ジェイクは、
イェーガー・パイロットとしての
高い資質を持ちながらも環太平洋防衛軍を去り、
違法な転売行為に手を染めていた。
ある日、孤児の少女アマーラと
出会ったことでジェイクの運命は一変。」

(ぴあHPより)

2013年に公開された
ギレルモ・デル・トロ監督による
SF超大作の続編。
デル・トロは引き続きプロデューサーとして参加し、
新たなオプションを装備した
人型兵器イェーガーと、
進化を遂げたKAIJU(怪獣)の
壮大なバトルを描く。

この映画もムビチケを買って
楽しみにしていた作品。


テクノロジーは進化してるんだか
進化した部分は飛躍的に
進化していない部分は
いつまでも置き去りになっているのか
考え出すと辻褄が合わない気がして
気になって仕方なかった。


まあ、本来は映画なんだし
そういうことは言ってはつまらないが

なんか、違和感満載で楽しめなかったな。


前回の大きな戦いから
まだまだ復興の途中、
若き訓練生の中に新田真剣佑を発見、
ちょっと嬉しい・・・
でも出番は少なかった。

怪獣が現れて大変な時に
中国人の女性ボスが高いヒールのサンダルで
走る姿は笑うしかないし、
機械を直すときも
周囲の人達はかなり汚れた服装なのに
彼女だけはバッチリメイクで
一糸乱れぬ感じ、
マンガみたいだ。


絵空事だからリアルを
どのくらい求めるか・・・だけど
やはりおかしい部分は
手直しが必要、
こんな巨大プロジェクトなんだからね。

デコボココンビが奮闘し
巨大な怪獣に打ち勝つわけだけど
どうもラストも
「勝った!」と気持ちよく喜べない、
なんでだろと考えたが
自分自身が映画に入り込んで
楽しんでいないからだろう


冷静に見てたら
ハリウッド映画なんて楽しめないのにね

ということで
妙に冷静で機械と怪獣の戦いを
作り物のワンシーンとしてしか
見られなかった。

何でだろう?

そんな「ハテナ」を考えながら
地下鉄に乗った。

★オススメ度合い★
単純に巨大予算の大作映画を
楽しもうと思って見れば
楽しめる映画だ。

★100点満点で65点

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書籍「水田マリのわだかまり/宮崎誉子 (著)」平成のプロレタリア作家とは?

2018-05-03 11:42:16 | 読書の時間
書籍「水田マリのわだかまり/宮崎誉子 (著)」★★★
単行本: 158ページ
出版社: 新潮社 (2018/2/27)

<リンク:
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

水田マリのわだかまり[本/雑誌] / 宮崎誉子/著
価格:1620円(税込、送料別) (2018/5/3時点)


>@

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「水田マリ16歳。正直に言うと、
高校中退ってこと、かなりわだかまってます。
高校を3日でやめて働き始めた16歳のマリ。
殺伐とした洗剤工場の閉塞感の中で、
ストレスがほこりのように積もっていく。
だけど、ウップンと不満は、
生きるのに欠かせないガソリンだ
。低賃金労働の現場といじめ、
外国人労働者、毒親、
そして介護の問題を独特の文体で
リアルに描く平成のプロレタリア作家待望の新作。」

(出版社HPより)

この本は朝日新聞で紹介されていて、
気になったのでネットで購入し読んだ。

16歳の女子の考えや行動が
分からない年代に自分がなってしまったのか、
主人公の言葉や行動は
どれも自分には響くものは無かった、

「ああ、こんなふうに考えるのか」と
思った程度。

どうも最近気分にピタッと来る作品に
めぐり合えていない、
もっと新しい作品を読むべきなのだ、きっと。

指を挟んだら千切れる・・・だとか、
シンナーの様な強烈な匂いが
充満したセクションや
重機が走る危ない工場の敷地内
そんな場所で働く16歳をもって
現代のプロレタリア文学等々
そんなコピーを付けてしまうのかもしれないが、
そんなキーワードから連想される
搾取だとか、権利がないがしろにされるといった
かつてのプロレタリア文学とは
明らかに隔たりがあるので
なんとも居心地が悪い感じがする。



というより
主人公はかなりハードな仕事も
考えようによっては
楽しめるような雰囲気もあるし
せっかくの小説を
おかしなレッテルで一括りにするのは
返ってこの小説に先入観を与えるようで
もったいないなあと感じた。


今なら職業は選び放題、
かつての閉そく感は無い、
ただだからこそ、選べない現実もある、
主人公はプジティブに考え
行動して軽快ささえ見せてくれる。

ワリとさらっと読めたが
自分には深い部分で何か言いたかったのか
良くわからなかった。

表面的には今どきの女の子と読めた。


★オススメ度★
リアルな感じがしなかったというのが
本音、著者の他の作品も
それ程読みたいとは思わない。
読み物として面白いが
そこに何かあるかというと
良くわからなかった。

★100点満点で65点

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