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読書と旅行と柴犬のブログ
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ヤプログから引っ越してきました。

映画「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」ソン・ガンホのリアル

2018-05-10 01:09:05 | 韓国映画・アジア映画
映画「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」★★★★
製作年/国、2017年/韓国
配給:クロックワークス
時間:137分
公開日:2018年4月21日(土)
監督:チャン・フン

ソン・ガンホ、トーマス・クレッチマン
ユ・ヘジン、リュ・ジュンヨル 出演



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「実在の人物をモチーフに、
韓国現代史最大の悲劇とも言われる
光州事件のもうひとつの真実を紐解くドラマ。
『高地戦』のチャン・フンが監督を務め、
事件の実情を伝えようとするドイツ人記者と、
彼を乗せ、光州の中心部に入った
韓国のタクシー運転手の物語を描く。」

(ぴあHPより)

チャン・フン監督は、
かつて熱くなった「映画は映画だ」←過去記事へ
の監督なので楽しみに劇場へ。


韓国という国は若い、
国の歴史は古いが、
現在の様な民主的な国家となるまでは
急激な変化がいくつかあり、
この映画が描く「光州事件」も
何度か映画化されている。


ソン・ガンホ演じるタクシー運転手が
光州事件の真っただ中に
放り込まれるが、
歴史を変える様な人じゃなく
ソウルのそれも成績の良くない
運転手が見た真実に
リアルな恐怖を感じた。



主人公のマンソプはタクシー運転手
家賃を4か月滞納し、
11歳の娘をひとり育てている、
家計は苦しいが、いい加減さと明るさで
悲惨な感じはしないのが救いだ。


ソウルから光州に外国人記者を
乗せていけば高額は報酬を
もらえるということで
他のドライバーが受けた仕事を
強引に自分のものにして
光州に向かうが、そこには
想像してなかった悲惨な事件が起こっていた。

当時、報道も政府に統制されていたため
少し離れた隣町では
光州で何が起こっているか知らされず
普段の生活を送っていたが
光州でデモを行う学生に向かって
発砲や暴行が行われていた。

タクシー運転手は、
自分の仕事をしているだけなのに
いつものタクシーのフロントガラスから
見える光景は
報道で知らされていることとかけ離れ
何が起こっているか知ることになる。



ソウルでは、学生が勉強そっちのけで
デモをしているのを
批判的にさえ見ているが、
彼らの考えがどうこうじゃなく
一般民衆に向けられた軍隊の砲火が
「これは違う」と肌で教える。

見てるこっちも
主人公と一緒にその渦中に居て
何か尋常じゃないことが
政府によって行われていることを知る。



今ならスマホですぐに誰かが
発信出来るかもしれないが
新しい時代には
違った形の大きな力の制御が
働いているのかもしれないなと思うと
ちょっと怖くもなる


官僚が誰かと会ったことを
「思い出した」と言って
証人喚問に応じると
ニュースで言う、
誰がどんな力で
記憶を「覚えがない」とか
「思い出した」とか言わせてるのだろう?

本当の恐怖は身近なところにも
あるのかもしれない。


★オススメ度合い★
起こっている事件は悲惨だが
ソン・ガンホが時にコミカルに
飽きさせないので見て損なし。

★100点満点で85点

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映画「血も涙もなく」今では名声を確立した俳優たちの熱は感じる

2016-04-15 01:09:48 | 韓国映画・アジア映画
映画「血も涙もなく」★★★☆DVD鑑賞
チョン・ドヨン、イ・ヘヨン、チョン・ジェヨン、
リュ・スンボム、シン・グ 出演

リュ・スンワン 監督、
116分、2002年3月1日韓国公開
2002、韓国
(原題/原作:피도 눈물도 없이 / No Blood No Tears)



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「カンヌ国際映画祭(07)で韓国人女優初となる
主演女優賞を獲得したチョン・ドヨンをはじめ、
話題作が相次ぐチョン・ジェヨン、
韓国ドラマでお馴染みのイ・ヘヨンら、
実力派俳優を起用したスリリング・アクション。
韓国版『バウンド』とも言えるシナリオの面白さ、
アクションの痛快さは超一級。
最後まで目が離せない展開にハラハラ、ドキドキ。」

AMAZON HPより


チョン・ドヨン、チョン・ジェヨンが出演と
それだけでしっかりした作品と思うが
映画が始まって、しばらく
何がどう展開していくのか
もうひとつ分からない、

「何だ、これ」
そんなふうに思っていると
やっとひとつのストーリーが見えてきた。


チョン・ドヨンは多くのシーンで
サングラスをかけていて
演技っていう演技も見せない、
そこへいくとチョン・ジェヨンは
今では心優しい印象があるが
この映画では破天荒な男を
熱演していて、彼にとっては
美味しい役だったかも。



リュ・スンボムも出てくるが
パッとしない感じ

製作年を確かめると2002年ということで
なんとなく分かる
彼女、彼らが今のような
確かな名声を得る前の映画なのだ。



そう思って見ると
なんかギラギラしたものが
強く迫って来る気がする。
何か傷跡を残そうとするみたいに。


緊迫感のあるアクションシーンというより
ちょっと間延びした感じ、
それでも熱量は伝わって来る。


なので今では名声を確立した
俳優の駆け出しの頃の
ちょっと恥ずかしい映画なのかも、
ラストは哀しくて、可笑しくて
この映画が目指そうとしたものが見えた。


でもまあ、劇場で見るほどの出来ではないな
日本でのDVDレンタルも2007年ということで
出演者たちが有名になった頃
やっとDVDとなったようだ。

自分のように韓国映画が好きなら
チェックして、この映画自体と言うより
この映画の出演者の現在と
比較して見るもの面白い見方だ。


★100点満点で75点

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映画「薄氷の殺人 」何もかもが氷に閉ざされた世界で

2016-04-05 01:09:13 | 韓国映画・アジア映画
映画「薄氷の殺人」★★★☆wowow録画で鑑賞
リャオ・ファン、グイ・ルンメイ、
ワン・シュエピン、ワン・ジンチュン 出演

ティアオ・イーナン 監督、
106分、2015年1月10日公開
2014,中国、香港,ブロードメディア・スタジオ
(原題/原作:白日烟火/Black Coal, Thin Ice )



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「2014年のベルリン映画祭で最高賞の金熊賞と、
主演男優賞を受賞した、中国製のフィルムノワール。
人体をバラバラに切り刻んだ
殺人事件の謎を追う刑事の奔走を描きながら、
中国の田舎町の現状を浮き彫りにする。
『第三の男』等の名作のカメラワークを踏襲しつつ、
現代社会を描き切った俊英ディアオ・イーナンの
シネフィル的センスに注目したい。」

ぴあ HPより


この映画の感想は3月30日に書いている、
この記事は公開予約で4月5日に
ブログ上に公開されるが
その頃、私は中国を旅行中だ。



今回は西安へ「兵馬俑」を見に行ってくる、
せっかくなので帰りに上海にも滞在
5泊6日の短い春の旅をしている最中。
この映画みたいに寒くないど良いけど。

ということで
ベルリン国際映画祭で金熊賞と
銀熊賞を受賞したクライムサスペンス、
そんな大きな勲章をもらった作品が
どんな中国映画なのか

気になっていたものを
wowowで放送してたので
録画してやっと見た。


とのかく寒い寒い映画、
描かれる華北地方という場所が
中国のどの辺か全く分からないが
とにかく氷に閉ざされたような
寒い寒い場所。


何かに頑張ろうと思っても
とりあえず寒いから
ストーブの前から離れたくない
そんな気分。

未解決の連続殺人を追う
元刑事は、被害者たちが
ウー(グイ・ルンメイ)という未亡人と
近しい関係だったことを突き止める。

このあたりから物語の行くへが
分からなくなってくる、

張り込みをしてるうちに
その女を好きになり
事件を解決したいのか
彼女と親しくなりたいのか・・・。

そんなあれこれを
寒い寒い中で
何処へ向かうのかと考えてると
とりあえず事件の核心に近づくが
それさえこの映画の
些細な出来事のひとつのようだ。

これが最高賞の映画?
その意味が分からない

でもその冠がなければ
この映画を見なかっただろうから
そえだけでも意味はあったとも言える。


これを劇場で見ていたら
また印象が違っただろうか?
それはもう分からないことだけど
時々TVで放送されてるのを見て思う、
これをお金を払って劇場で見てたら
印象は違ってたんだろうかと。


ということで
wowowで放送してくれて良かった、
自分にはそれ程目を引くところもなければ
劇場でこそ見たかったとも
思えなかったからだ。

とにかく冬には見たくない
寒い寒い映画だった。


★100点満点で75点

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映画「鬼はさまよう 」韓国映画のテイストが凝縮された残酷映画

2016-03-26 19:09:35 | 韓国映画・アジア映画
映画「鬼はさまよう」★★★☆wowow録画で鑑賞
キム・サンギョン「テス 」
キム・ソンギュン「スンヒョン 」
パク・ソンウン「ガンチョン」 出演

ソン・ヨンホ  監督、
103分、
2015 韓国
(原題/原作:The Deal)



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WOWOWの放送が日本初公開。

「ベテラン刑事が偶然逮捕した当て逃げ犯は、
実は連続誘拐事件の犯人だった……。
展開が二転三転していく
社会派クライムサスペンス。」

wowow HPより

韓国映画を情熱を持って
追いかけていた時期があった、
まさに玉石混交の夥しい新作が
韓国でどんどん公開されていて
日本で待っていたんじゃダメダ
そんな気持ちでソウルに行っていたっけ。

そういう頃から比べると
あの情熱が無くなったわけじゃないのに
そこまでする気が起こらないのは
韓国映画の独特のテイストに
慣れたしまったからだろうな。


といううことで
このクドイ、クドイ、しつこい映画は
まさに韓国映画の正統派にふさわしい、
過剰なまでの残酷なシーン、
気味の悪い殺人犯は
もう人間じゃない。

途中で「交換殺人」という
驚くべき展開もあるが
驚くと言うより
「よく考えたなー」と。


ラストはどうするんだ
これで良いのか
こんな終わり方なんだ・・・と
思わせておいて
スカッとしたラスト、
人道的には許されないだろうが
気持ち的には断然許してる。


wowow放送が日本初公開と、
劇場公開は見送られた作品、
以前ならこの程度の作品なら
公開されていたと思うが
状況は厳しいのだろう。

人に「面白いよ」と
勧めるような映画じゃないが
見て損したとは思わない
でも見終えて
次はもっとホワッと癒されるような
優しい映画が断然見たくなるのだ。


★100点満点で75点

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映画「国際市場で逢いましょう」庶民の経験した韓国近代史

2016-02-20 01:09:48 | 韓国映画・アジア映画
映画「国際市場で逢いましょう 」★★★★DVD鑑賞
ファン・ジョンミン
キム・ユンジン
オ・ダルス
チョン・ジニョン
チャン・ヨンナム
ラ・ミラン
キム・スルギ
ユンホ

ユン・ジェギュン監督、
127分、2015年5月16日公開
2014,CJ Entertainment Japan
(原題/原作:国際市場)



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「朝鮮戦争の頃から続いている韓国、
釜山のマーケット“国際市場“を
舞台にした人間ドラマ。
1950年代、エネルギーに
満ちあふれたこの場所で、
家族のために働き続けた男の生を描く。
庶民生活のリアルで
ノスタルジックな描写が光る。」

ぴあHPより

韓国映画にはまっていた頃は
わざわざソウルまで行き、
分からないハングルでも
画面に食い入るように見ていた、

15回行ったところで止めたが、
この映画にはその頃の
「熱」の片鱗を感じる事が出来る。
いつの間にか韓国映画も
洗練されてしまい
熱い熱いドラマが少なくなった。

この映画は1950年代から2014年まで
近代韓国の歩んだ日々を
庶民の生活から描き出している。

南北が分断される騒乱に紛れ
家族が引き裂かれた過去、
こういう歴史は自分達、部外者には
理解しきれない部分がある、
それでもファン・ジョンミン演じる
主人公のドクスが大切にする
家族と言う絆は万国共通だ。


家族の為に必死で働く主人公、
西ドイツの炭鉱で働き、
ベトナム戦争に従軍し、
ドクスは何度も命の危険にさらされる。


彼は自分に言い聞かせるように
「戦争の時代を生きたのが、
子供たちでなく僕たちでよかった」と言うが
それは自分の力で家族を守った
彼だからこそ重みを持つ言葉だ。



釜山の国際市場で
叔母のやっていた小さな店を
買い取って立ち退きの話にも
頑固に反対する主人公の秘密が
ラストに明らかになるが
泣ける



韓国の人達、特に朝鮮戦争を体験した
時代の人達には
とても身近な話だろうな、
ただし映画として観た場合は
彼らの激動の時代を凝縮して
それが幾分薄まってしまい
もうひつ心に響かなかった。


きっと主人公の感情が
かなり抑えられていたことが原因だ、
でもそれこそが製作者の
意図だったのかもしれない。

もう過去を声高に言う時代から
脱却しようと言っているのかもしれない。

この映画もレンタルで借りて見た、
劇場で見ていれば
もっと違ったかもしれない、
韓国では上映中、観客がどうだったかも
気になった。
彼らは熱いからね。

★100点満点で80点

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