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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「真夏のオリオン」日本よ浮上せよって現代経済みたいなコピーだ

2009-06-30 00:09:03 | 邦画
「真夏のオリオン」★★★
玉木宏、北川景子、堂珍嘉邦、平岡祐太、黄川田将也 出演
篠原哲雄 監督、125分

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「太平洋戦争末期、
残された僅かな物資で
日本軍は実りのない戦争を続けていた、
今、何故この映画なのか
それは映画からは分からなかった」


無惨に、無念にも
人がひとつの塊のように
死んでいく映画が多い中、
この映画の主人公達は生き残って
終戦を迎える。

その最後の戦闘を描いた映画だ、
潜水艦という特殊な乗り物での
戦闘は目で相手を確かめるのではなく
探知機と今後の展開を決める艦長の戦闘の勘が
勝敗を左右する。

空気の少なくなった艦内の様子は
見ているこっちも息苦しくなるほど、
僅かな金属音が命取りにもなることや
限界深度を越えてパイプなどから
水が吹き出るシーンは気持ち良いものではなかった。

この映画では声高に「反戦」は語られない、
生きるために戦うその瞬間を描いている、

教科書が書き換えられ、
ラジオの情報が操作された時代、
戦争に勝つことが最高のことだと
きっと庶民も含め兵隊も思っていただろう、
自分たちは戦後、その教訓を
過去から知っているだけだから。

せっかく「生き残った」潜水艦の乗組員の
その後が描かれなかったことが
残念だった、
彼らがその体験から何を考えどう行動したか、
今知りたいのはそういうことだからだ。


戦争なんて無いほうが良い、
自分が銃を手にすることも考えられない、
でも近代の戦争は「核」を持つことで
もう誰を殺すとかそんなことじゃなく
ボタン一つで民族が消えてしまう、
そんなことがないようにと
戦後の日本を復興させてくれた人たちの
心の底にある願いは
この映画からは感じられなかった。

語り口がさわやかな分、
青春映画のような感じで
伝えるべき事が弱くなったように感じた。

★100点満点で65点

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かつて「Uボート」という映画で
潜水艦のバランスを保つため
艦内を走り回るシーンは面白かった。

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「ウルトラミラクルラブストーリー 」こんな大げさなタイトル程の映画じゃない

2009-06-28 00:09:47 | 邦画
「ウルトラミラクルラブストーリー 」★★
松山ケンイチ、 麻生久美子 主演
浜聡子監督、2009年、120分



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デタラメだけど真っ直ぐで、一途な恋の物語

「映画のコピーと予告編はよく出来てて、
何かを期待させてくれたが、
素人っぽい、くだらない映画だった、
麻生久美子はいつもの麻生久美子だったが、
松山ケンイチがもったいなかった」



青森で祖母の農業を手伝う主人公は、
ちょっと頭のネジがゆるんだ感じ、
子供のまま大人になったようで、
周囲の人たちに迷惑をかけているが、
本人にはその自覚は無い。

ある日東京からやって来た保育士の町子先生と出会い、
「両想い」になりたいと、
その気持ちをストレートに告げるが
相手にはその真意は伝わらない。

主人公の高すぎるテンションでは
女の子も引いてしまうしかないだろう。


そして彼はとんでもない行動に出る。
これはもう子供が欲しいものを手に入れるまでは
何でもするって調子で
微笑ましいというよりただ痛々しい、
どこかに楽しみを見つけたいと思って見てたが
主演の二人が「もったいないあぁ」と思うばかり。

加入しているwowowでは頻繁にコマーシャルが
入って、なんか面白そうだったのに、
完全に思う壺で劇場に座っていた。

破天荒な面白さを狙ったのかもしれないが、
面白くないという致命的な欠点を
早いうちから晒してしまい、
途中の意味不明な映像は
自主映画のノリだ、
最初に断ってほしいよね、そういうこと。


主演の二人のファンなので
まだなんとか座っていたが
そうでなかった、もしくは相当期待していた場合は
めったにないことだけど、
途中で出てもよかったか。


レンタルになっても見る価値の無い
映画でした、残念。
久々の時間を損した映画でした。

★100点満点で30点


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麻生久美子の良さがまったく生きてなくて、
女性の監督だからなのかな。


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「ハゲタカ」経済と言う怪物を身近に感じた

2009-06-26 00:09:34 | 邦画
「ハゲタカ」★★★★
大森南朋 、玉山鉄二、柴田恭兵 主演
大友啓史監督、2009年、134分



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「日本を代表する大企業「アカマ」が
突然買収の危機にさらされた、
名乗りを上げたのは、“赤いハゲタカ”こと
劉一華(リュウ・イーファ)、
果たしてこの危機を回避出来るのか、
殺し合いのないサスペンスも面白い」



週末の映画館、開始時間ギリで
「愛を読む人」のチケットボードを見ると
「満席」の表示、急いで映画館を移って
「剣岳」を見ようとするも、こちらも
「満席!」で
あと10分で始まる「ハゲタカ」に滑り込んだ。


公開買い付け、敵対的企業買収、
こんな言葉は少し前はアメリカの小説の中だったが、
ここ数年で日本でも聞くようになった、
だから描かれる買収劇が
絵空事に思えず、結構現実味があり、
緊迫感が伝わって、途中で思わず
「この映画、結構面白いじゃん」と感じた。



映画としては買収する方を「悪」
される方を「善」のように描いてはいるが、
経営という地道な経済活動を
マネーゲームのような流動的なものにしたのも
企業そのものなのだ。

「どうなるんだろう」と思いつつも、
買収を仕掛ける「赤いハゲタカ」なる
もうひとりの主人公も実は現実社会に
取り込まれもがいているひとりと分かると
なんだか大きな流れの中で
人間ひとりの存在の無力さに
経済活動は常に「勝つ」方が
善となるが、それだけでは計れない
人間ドラマを見ることが出来て収穫だった。


モノ造りを真面目にしていては
悪賢い人たちに足元からスクワレル
そんないびつな経済世界、
真の「悪」は実は存在しないのかもしれないと
ふと思った、
全然期待してなかった分、
骨太で良質な映画を見ることができて良かった。

★100点満点で80点


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かつて日本企業がアメリカのエンパイアステートビルを買収し
「アメリカの心」を買ったとまで言われたが、なんなく実感できるようになった。


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「1Q84」今夜空には二つの月が見える

2009-06-24 20:09:02 | 読書の時間
「1Q84」今夜空には二つの月が見える
村上春樹著


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どんな内容かも分からず、
とりあえずネットで注文、
一日早く書店に並んだことを知り、
思わず届くのを待てずに、書店で
買ってしまおうかとさえ思った。


「村上春樹ブシが帰ってきた、
イミ不明の『空気さなぎ』や
『リトルピープル』という言葉を
記号に置き換えて
とりあえず文章の調子を確かめるように
読み進めた」



本を読むのは主に地下鉄の移動中、
でもこの時期、部屋に戻っても
鞄から本を取りだして
まさに読みふけった。
読み終えてもう一度読み返して
10日あまり、幸せな時間を過ごした。

何を言いたいのか本当のところは
分からないけれど、
何かの象徴としてのキーワードが
頻繁に登場し、
現実と空想の世界の間を
危うい綱渡りをしているような
奇妙な浮遊感を味わった。



それでも文章は平易で読みやすく、
とりあえずあれこれ考えて
思い悩んで立ち止まることもなく、
久しぶりに音楽もかけない、音のない空間で
コーヒーの香りだけを側に
本と向き合う時間を過ごして
本の感想もさることながら
こんな時間の使い方さえ新鮮だった。

ラスト近く、
「この後どうなるんだろう」と
Book3があるのかもと思いながらも
この次ってまた5年とか待たされるのだなと
物語の主人公の様な深いため息をついた、
声をかけても誰も答えてくれない
深い井戸の底の底をのぞきこむように。

発売2週間を待たずに100万部突破という
社会現象となっていながらも
内容について話す人は驚くほど少ない、
感嘆に「こうだ」と感想を言えるような
内容でもないし、
この本を多くの人が読んで
「他の人はこの本をどう読んだのだろう」と
様子を窺っているようで
その雰囲気も面白く思える。

これまでの集大成のように
オウムを思わせるものや、善なるものの
不完全さや、自分の立つ足下がいかに脆いか等々、
様々な部分に自分が引っかかる何かを
見つけられるような
不思議な読書体験だった。


★100店満点で90点


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心に深く突き刺さる「何か」は無かった。

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「レスラー」これが男の生きる道

2009-06-22 22:39:38 | ミニシアター系映画
「レスラー」★★★☆
ミッキー・ローク 、マリサ・トメイ 主演
ジョー・ライト 監督、2009年、117分


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「1980年代大スターだった男、
彼は“ザ・ラム”と呼ばれ、
リングの上で輝いていた、
そして20年あまりが過ぎ、
男はまだリングの上に上がっていた、
あちこちガタのきた体にテーピングして
キメ技で沸く声援を体に受けて」



この映画で心が震えるのは
主人公と演じるミッキー・ロークが
画面の上で重なるからだ、

かつてのハリウッドスターも
このところとんとスクリーンで見かけなくなった、
そしたらなんと崩れかけたような
老醜をさらして、たるんだ肉体で
レスラーとしてスクリーンに登場したのだ。

全然関係無いけど、
南田洋子さんの姿がふと思い浮かんだ、
彼女は今のボケてしまった姿を
TVで晒したくなんかないだろう、
隣で「献身的」に介護する自分の選んだ
ダンナが決めたことだから仕方ないのだろうが、
思わず目を逸らしてしまう。

ミッキー・ロークは自らをレスラーという役で
たるんだ裸の姿を観客に晒して
ボロボロの体で最後は
トップロープからマットに倒れる相手への
渾身のダイブ!

足が震えているのを
カメラはしっかりと捕らえている、
そこで映像は途切れ、
ブルース・スプリングスティーンの渋い歌声が流れる。

涙。

この映画はハリウッド映画的な
ハッピーエンドではない、
「ロッキー」のようなチャンピオンの名声もない、
でもそれが良い、
そんな夢のような事は実際には起こらないと
知っているからね、
もっと自分達は現実的だ。

でもだからこそ、「ここ一番」って時に
「無理だ」と思えたとしても
その時の自分の精一杯を尽くすしかないからだ。

それでもこの映画でミッキー・ロークの手にした
成功を思えば、
「夢」は叶うのだと思えるはずだ。


アカデミー賞の主演男優賞(ミッキー・ローク)、
助演女優賞(マリサ・トメイ)にノミネート。


★100点満点で80点

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「ナイン・ハーフ」では美男の象徴のような扱いだったミッキー・ロークの
今後も見守りたい。

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