soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「チェンジリング」完成度は高いが今日性には疑問

2009-02-28 22:17:04 | 大作映画ハリウッド系
「チェンジリング」★★★☆
アンジェリーナ・ジョリー主演
クリント・イーストウッド 監督、2008年、アメリカ、142分




「ある日、仕事から戻ると子供の姿が無く、
数ヶ月後、発見され電車でつれてこられた子供は
別人だった、主人公は自分の子供でないと
主張を続ける」



実際にあったことだという、
警察の横暴さと、偶然の不幸が
重なった事件。

見ながら思ったのは、
何故、イーストウッド監督は
このテーマを選んだのかということ。
映画の完成度としては極上の部類、
でもテーマは好きじゃない。



アカデミー主演女優賞にノミネートされた
アンジェリーナ・ジョリーにとっては
「演技する」という部分では、
最適な映画だったけれど、描く内容は
今更の問題提起って訳でもないだろうし、
やはり何故「今」なのかは気になった。

警察の横暴さをことさら強調しているが、
たぶん悪いヤツだっていただろうが、
描き方が一方的過ぎて、
主人公の側にだけ同情的にはなれなかった。


しかしイーストウッドの精力駅な活躍は
すごいなぁと、そっちの方に感心する、
演技者としては評価は低いが、
監督として、表現者という面では
充分に評価されている。

先日の新作で見た最近の風貌は
「ガイコツ」みたいだったけれど、
自分の頭の中に、表現したいものが
溢れているのだろうなと思うと
その動く姿が眩しくさえ感じる。


この世にたぶん「悪意」は存在する、
そして普通の人間は、その悪意に巻き込まれたとき
途方に暮れ、運命というものに
身を任せるしかないのだろう、
「事件」そのものより、
「自分自身」を貫くという強い意志が
人間には必ずあるのだと伝えたかったのかもしれない。

こういう映画を見て思う、
時々なら良いけれど、出来たら
ちょっといい気分になれる映画を見たいな、
日常の少し先にある希望の輪郭が見えるような。

★100点満点で70点

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強い女のイメージのアンジェリーナ・ジョリーは
そのうちにはアカデミー賞を穫れるだろうが、
一体どんな映画で評価されるのか、期待したい。

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アカデミー賞記念!「おくりびと」さよならをするために

2009-02-27 00:29:10 | 邦画
昨年9月に書いた記事を再掲載します、
アカデミー外国映画賞という栄誉は
この映画にはちょっと華々し過ぎる感じですが
これを機に多くの人に見てもらえるのは
映画も嬉しいだろう。



「おくりびと」★★★★☆オススメ
本木雅弘 、広末涼子 、山崎努 主演
滝田洋二郎 監督、2008年、130分




高校生のときにボランティアで
老人ホームへお手伝いをしに行っていて、
誰も尋ねてこないおばあさんが急に亡くなった時、
知らせを受けて駆けつけてきた身内の人たちが
泣く姿を見ながら
なんか違うだろと憤りを感じた。

泣くくらいなら
生きてるうちに


「死」をテーマにした映画は苦手だ
人は死ぬために生まれてくるかもしれないが
その避けられない現実から
目をそらすように生きているからか、
どうしても真正面から受け止められない。



色々なことが簡素化され
様々なことが効率化され
それでも人の命の尊さは変わらない。

「泣く」映画だろうなと、ちょっと敬遠していたが、
時折のユーモアと丁寧な心理描写で
良質な映画が出来上がった。

主人公はその丁寧な仕事ぶりで
感謝され、自分の天職を見つけたようだ、
同じ自分の時間を費やすなら
やりがいや達成感を得られる仕事をしていたい
誰もが願うが
その「場所」がなかなか見つけられない。

でも日々の精一杯が
その運命を運んでくれるのかもしれない、
だとすると気を抜いて生きていたらいけないのだろう。
それがなかなか難しいことなのだけれど。


納棺師という仕事があることさえ知らなかった、
その仕事があるということは
それが必要だということだ、
ストーリーを追いながらも様々なことを考えさせられた。

死んでしまうということをしっかりと見据えるということは
いかに「生きるか」を自分に問いかけることだ。


何が出来るのかと言えば、
ただ懸命に生きるということ。

こういう映画を見ると内容とは別に嬉しくなる、
多くの人に見てもらいたい。

★100点満点で90点

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3月にDVDが発売さるようだが、気になるなら
是非、劇場で。

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「ノン子 36歳(家事手伝い)」坂井真紀もうちょっと選んだほうが良いな

2009-02-26 22:10:12 | 邦画
「ノン子 36歳(家事手伝い)」★★☆
坂井真紀 、星野源、新田恵利 主演
熊切和嘉 監督、2008年、105分




「同級生が経営するスナックで
ひとり酒を飲み、ウサ晴らしの主人公は
東京で芸能人やってたが、
今は実家の神社でブラブラしている、
彼女は36歳」


36歳独身、家事手伝い
家族と同居し、小さな町で
自分の現状をかなり諦め、
将来に特に展望もないと言う状態。

映画を見ながら思った、
その状況から何を伝えたいのだろう、
そこにある「閉塞感」や
軽めの「絶望」みたいなものは
何も映画にしなくたって
誰でも容易に想像出来る。


だからただ無気力に日々を過ごしてる主人公に
何も感じないのだ、
東京から戻ったのも、他人のせいにしているような
そんな彼女が、目の前に現れた
「夢のようなもの」を持った男から
目が離せないのも分かる。

この映画はいつもちょっとメジャーからは
離れた映画を撮る熊切監督の作品だったので
見に行ったが、彼らしいところは
ラストの祭りのシーンくらいで、
あとは何の目新しい切り口も無かった。

この監督なら何かやってくれるかな、
主演が坂井真紀ってのもいいなと思って見たが、
TVの9時台の2時間ドラマみたいでした。


ということで、お金払ってまで見る必要はないかな、
TVの深夜枠でなら、寝転んで
ゆるく見たらそれはそれで良いかもしれない。

★100点満点で50点

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映画の出来と映画が語る事柄の意義はまた別物。

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「少年メリケンサック」宮崎あおいが佐藤浩市に蹴られる!

2009-02-25 17:35:14 | 邦画
「少年メリケンサック」★★★☆オススメ
宮崎あおい 、佐藤浩市 、木村祐一 、田口トモロヲ 、
三宅弘城 、ユースケ・サンタマリア 主演
宮藤官九郎 監督、2009年、125分



「レコード会社の新人発掘部門で働く主人公、
ネットで見つけたバンドと契約しようとするが、
その映像は25年前のものだった」


くだらないけど、面白い

国民的番組「篤姫」で女優としての格も
蒼井優よりグンと一段上がった感のある
宮崎あおいが選んだ映画がこれなんだ。


そんなふうに思いながら見ていた、
やっぱ、こういう別方向の過剰に
目が向いてしまうのかなとも。

宮崎あおいはどのシーンでもキラキラ輝いているが、
やはりこの映画の主役は佐藤浩市 であり、
田口トモロヲ だった。


「何でも出来るなー」と役の幅みたいなものに
関心しつつ、「オジさんで何が悪い!」と
開き直った、ある意味小気味良い態度は、
現在の「まだ若いだろ」と必死に主張する
「若さ」に囚われた風潮に、
真っ向、暴力的な言葉を投げつける。


見ていて感じたのは宮藤官九郎 という人のイメージ、
そろそろ「同じような、というか似たような」ところから
別の面も見せて欲しい気もする、
もちろん、このテーマでコレだけ面白く見せてくれるのは
凄いことは確かだけれど。

アカデミー賞で「おくりびと」が賞を受けたが
日本的なものを前面に出すのでなく
無国籍な、ただ面白い映画っていうのを
作れると期待できる数少ない監督というか
アイデアの発案者だから、
次は驚くような別の面を見たいと思った。

登場人物の全部に生活観はない、
このまま舞台で出来そうだ。
見逃したくないとまでは言わないが
映画館で見るとすごく親密な気分が味わえる。

★100点満点で70点

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次の宮崎あおいは、大作映画で見てみたい。

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★決定!第81回アカデミー賞(2009)

2009-02-24 00:09:55 | 大作映画ハリウッド系
『スラムドッグ$ミリオネア』2冠!第81回アカデミー賞(2009)

今朝(23日)、アカデミー賞の授賞式があり、
wowowで録画していたのを早速チェック。

今年はヒュー・ジャックマンが司会し、
驚いたことに歌うし、踊るしでしたが、
2008年の映画を振り返ったり、
女優賞、男優賞では過去の受賞者が現れ、
それぞれ解説していくのも豪華だった。

映画の祭典にふさわしい式、
やっぱこれくらいやって欲しいものだ。

日本の「おくりびと」が外国語映画賞を受賞というのも
快挙だし、良い映画なので評価されて嬉しいことだ。


作品賞[Best Picture]

『スラムドッグ$ミリオネア』


監督賞[Directing]

ダニー・ボイル『スラムドッグ$ミリオネア』


主演男優賞[Actor in a leading role]

ショーン・ペン『Milk ミルク』


主演女優賞[Actress in a leading role]

ケイト・ウィンスレット『愛を読むひと』


助演男優賞[Actor in a supporting role]

ヒース・レジャー『ダークナイト』

助演女優賞[Actress in a supporting role]

ペネロペ・クルス『それでも恋するバルセロナ』


外国語映画賞[Foreign Language Film]

『Departures おくりびと』(日本)

この他
「つみきのいえ」が短編アニメ賞を受賞している。



soramove
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ソファイア・ローレンがプレゼンターで登場したが
すごく美しく、貫禄でした。

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