昔住んでいたアパートに
帰省している
夜
忙しくバタバタしていた中で
ようやくとれた休み
昔の小さなブラウン管テレビで
『LIFE!』の総集編をやっていて
スタジオでウッチャン達が
これまでの出演者やコントのハイライトを
シーズンごとに流して
振り返ってトークしている
綾瀬はるかちゃんも出ている
途中から全然見たことのない
出演者ばかりになり
アレ? これ知らないな
途中1年位見ていなかった時期があったから
その時こんな人たちが出てたんだ
ずっとレギュラーのムロさんすらいない
テレビを見ながら
そのすぐ横にある
中が3、4段くらいに分かれた
透明ケースの中を片付けている
人気の女性アイドルのドラマの
いろんなシーンが
回ごとにまとめてあり
それを手元にある容れ物に入れて
最終的には1~最終回まで
番号を振ってきちんと並べようと思うが
見てもどの回なのか思い出せず
一度ぐちゃぐちゃにしてしまったら
もう二度と元に戻せないから
ひとまとまりになっているのは
混ぜないにようと気をつける
シーンを立体化(!)したものなので
伸縮はしても全然入らない
もっと大きな容れ物にしなきゃ
テレビを見ながらやっているので
集中力が半減する
*
なぜかわからないが
鋭い包丁で慣れないことをしようとして
左手の指を深く切ってしまい
すぐに血が滲み出してくる
動揺するが
そのまま作業を続けて
また同じ左の中指の
上のほうを切ってしまう
どうしてこうなるの!?と焦る
手元が引き寄せられるように
指に向かって違う箇所に
包丁が入ったまま
今度は引っかかって抜けない
落ち着いて 落ち着いて
そのまま抜かなきゃ
なんとか抜いて
傷口から血が出てきて
もう一人では無理だ!と
傷口を押さえて
家庭に必ず1個ある
救急箱を掴んで階段を降りて
母に助けを求める
*
実際のアパートの1階は
食事用のテーブルと
父の無線スペースだったが
もっと寛いだ居間のような部屋で
父はテレビを見ていて
母は家事が終わって
座って何か別の手作業をしている
私:見て! こんなに包丁で切っちゃった
母は顔色ひとつ変えずに
何か諭すように
普段の私が注意散漫
心ここにあらずでいるから
こういうことになるんだ
みたいなことを淡々と話して
何もしてくれない
こんなに切ったのに?!
私:ここなんかざっくりと深く切っちゃって!
V 字型になった
生々しい傷口を見せる
母:あーあー、だから○✕
とまた説教めいたことを
他人ごとのように話すが
私はそれどころではなく
全然話が頭に入らず
この状況を受け入れられず
ぼんやりしている
父は私の慌てぶりを
机越しに振り返って見て
薄笑いしている
私:
どうしたらいい?
お願いやって!
母は救急箱を開けると
サージカルテープが何箱があり
それでいきなり巻くつもりか?
消毒しなくていいの?
何か薬を塗って
ガーゼを当てて巻くんじゃないの?
それより病院で縫ってもらうレベルじゃないの?
それも怖いけど
こんなの自然に治る
とでも言うように落ち着いている母
これから1、2ヶ月の間
中指を使う度に
この何箇所もの切り傷を気にしながら
頭を洗ったり
手を洗ったりしなきゃいけないのか
治るには長期間かかるのに
切ってしまうのはあっという間だ
時間を戻して
切る前の手に戻したい
と後悔が湧いてくる
目が覚めて、どこも切っていない手を見て
ありがたいとさえ思うほどリアルだった
帰省している
夜
忙しくバタバタしていた中で
ようやくとれた休み
昔の小さなブラウン管テレビで
『LIFE!』の総集編をやっていて
スタジオでウッチャン達が
これまでの出演者やコントのハイライトを
シーズンごとに流して
振り返ってトークしている
綾瀬はるかちゃんも出ている
途中から全然見たことのない
出演者ばかりになり
アレ? これ知らないな
途中1年位見ていなかった時期があったから
その時こんな人たちが出てたんだ
ずっとレギュラーのムロさんすらいない
テレビを見ながら
そのすぐ横にある
中が3、4段くらいに分かれた
透明ケースの中を片付けている
人気の女性アイドルのドラマの
いろんなシーンが
回ごとにまとめてあり
それを手元にある容れ物に入れて
最終的には1~最終回まで
番号を振ってきちんと並べようと思うが
見てもどの回なのか思い出せず
一度ぐちゃぐちゃにしてしまったら
もう二度と元に戻せないから
ひとまとまりになっているのは
混ぜないにようと気をつける
シーンを立体化(!)したものなので
伸縮はしても全然入らない
もっと大きな容れ物にしなきゃ
テレビを見ながらやっているので
集中力が半減する
*
なぜかわからないが
鋭い包丁で慣れないことをしようとして
左手の指を深く切ってしまい
すぐに血が滲み出してくる
動揺するが
そのまま作業を続けて
また同じ左の中指の
上のほうを切ってしまう
どうしてこうなるの!?と焦る

手元が引き寄せられるように
指に向かって違う箇所に
包丁が入ったまま
今度は引っかかって抜けない

落ち着いて 落ち着いて
そのまま抜かなきゃ
なんとか抜いて
傷口から血が出てきて
もう一人では無理だ!と
傷口を押さえて
家庭に必ず1個ある
救急箱を掴んで階段を降りて
母に助けを求める
*
実際のアパートの1階は
食事用のテーブルと
父の無線スペースだったが
もっと寛いだ居間のような部屋で
父はテレビを見ていて
母は家事が終わって
座って何か別の手作業をしている
私:見て! こんなに包丁で切っちゃった

母は顔色ひとつ変えずに
何か諭すように
普段の私が注意散漫
心ここにあらずでいるから
こういうことになるんだ
みたいなことを淡々と話して
何もしてくれない
こんなに切ったのに?!
私:ここなんかざっくりと深く切っちゃって!
V 字型になった
生々しい傷口を見せる
母:あーあー、だから○✕
とまた説教めいたことを
他人ごとのように話すが
私はそれどころではなく
全然話が頭に入らず
この状況を受け入れられず
ぼんやりしている
父は私の慌てぶりを
机越しに振り返って見て
薄笑いしている

私:
どうしたらいい?
お願いやって!
母は救急箱を開けると
サージカルテープが何箱があり
それでいきなり巻くつもりか?
消毒しなくていいの?
何か薬を塗って
ガーゼを当てて巻くんじゃないの?
それより病院で縫ってもらうレベルじゃないの?
それも怖いけど
こんなの自然に治る
とでも言うように落ち着いている母
これから1、2ヶ月の間
中指を使う度に
この何箇所もの切り傷を気にしながら
頭を洗ったり
手を洗ったりしなきゃいけないのか
治るには長期間かかるのに
切ってしまうのはあっという間だ
時間を戻して
切る前の手に戻したい
と後悔が湧いてくる
目が覚めて、どこも切っていない手を見て
ありがたいとさえ思うほどリアルだった
