首都に国立公園がある!:スウェーデン・フィンランド視察旅行5

2008年03月12日 | 持続可能な社会

 昨日、青色申告がようやく終わりました。

 税法上は自営業・著述業なので、毎年この時期にはこれがついてまわるのです。

 そのため、スウェーデン・フィンランドの報告をどんどん書きたいと思いながら、なかなか筆……じゃなかったキーボードが進みません。

 今日も天台宗の布教師会の講演で出かけます。

 が、出かける前にちょっとだけ書いておこうと思います。

 今回の旅で、スウェーデン人にとって自然と切り離された生活というのはもともと考えられないものなのだということを実感しました。

 ガイドさんによると、スウェーデン人に「どんなことに関心があるか」というアンケートを取ると、必ずといっていいほど順位が決まっているのだそうです。

 第一が休暇、第二が自然、第三がスポーツ、だということでした。

 なんと健全な国民性でしょう。

 働くために生きるのではなく、生きるために働く。

 そして、生活と自然はいつも一つのものである。

 さらに、積極的に体を動かして活き活きと生きている。

 休暇になると、自然の中に入って、のんびり、ゆったりと過ごしたり、スポーツをする。

 それは、首都であるストックホルムに住んでいる人々にとってもそうで、前回にもお話しした市街地のすぐそばユールゴーデン島にはきわめて広い国立公園・エコパークがあり、たくさんの人々が土日になるとここにやってきて、森の中の道でウォーキングやジョギングなどを楽しんでいます。

 この公園は16世紀から王家の狩猟場だったそうですが、少し前は都市開発の波で危機にさらされたこともあったといいます。

 しかし、自然環境保護の運動が起こり、市民団体、自治体、政府の間で合意がなされ、1995年国会で天然資源法の改正が行なわれて国立公園になったそうです。




                枝の上にあるのはサギの巣




       太陽の光が水面に反射していてもやや寒々しくいかにも「北欧の冬」という感じ      



 この、市民団体-自治体-政府の間で「都市開発よりも自然保護」を優先するという合意が成り立つところが、すばらしい!

 当面の経済よりも自然と一体の生活を大切にする、というのが合意の背後にある価値観でしょう。

 それがスウェーデンの国民性の一つの決定的な特長だと思われます。

 かといって、中長期の経済に関していえば、決して犠牲や我慢といった路線ではなく、健全な成長を続けているのですから、日本の平均的常識からすれば、驚きです。

 しかし、よくわかってくると、それは理にかなったことなのでした。

 それについては、3月23日「持続可能な国づくりの会」の学習会でやや詳しく話したいと思っています。よろしければ、お出かけください。



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コメント (5)
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