思惟石

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『世界の台所探検』 ゆるふわじゃない系の世界の台所

2023-09-21 16:31:53 | 日記
『世界の台所探検
料理から暮らしと社会がみえる』
岡根谷実里

サブタイトルは学び系の新書っぽいけれど、
意外とメインタイトル通りの「世界の台所探検記」です。
ライトに読みやすい。

が、想像以上に出入国の難しそうな国や
たどり着くのが大変そうな辺境に行ってらっしゃる…っ!!

北欧とかヨーロッパの「女子の憧れ」みたいな
キッチン探訪じゃないの〜?という予想は
見事に裏切られます。
(表紙がそれっぽい写真なのもな)

「本場のロイコペやイッタラの食器かわいい〜」
「マリメッコのテーブルウェア〜」
は出てきません、どころか、
まな板も出てこない笑
そういう場所をメインに巡っています。

なんかすごいぞこの人…。

作者は、東大大学院を卒業後、クックパットに勤めながら、
世界のあちこちのご家庭にお邪魔しているらしい。
「友達のつて」「友人の友人」の幅がめちゃくちゃ広いよ、
太いよ、さすがですよ。

辺境メシ』にも出てくる料理を体験しているってのもすごい。
薄い生地をひたすらミルフィーユ状に焼くフリア。
アルバニアの郷土料理らしいですが、
著者はコソボの家庭で体験。
『辺境メシ』の高野さんもフリアはコソボのソウルフードと
紹介しています。

また、イスラエルに封鎖されている
パレスチナの家庭にもお邪魔しています。
著者の目的は「台所探検」なので、
紛争の背景や現状をレポートするわけではないですし。
一読すると、するんっと台所に入って料理してる風なのだけど。
パレスチナは入るのも出るのも大変でしょ…?
なんかすごいなこの人。

パレスチナの状況は『紛争地の看護師』が
わかりやすく説明してくれています。
著者の白川さんが国境なき医師団で派遣されていた国
というだけでも、行きやすい国ではないということです。

そんなこんなで、意外と辺境系やレアな国の
リアルな台所や食事風景が見れて楽しい一冊。
続編が出たら、また読みたい。

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