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梨木香歩『椿宿の辺りに』行きたいです

2021-09-29 08:47:28 | 日記
『椿宿の辺りに』梨木香歩

ちょっと不思議で自然豊かな世界で
小難しい思考を巡らせる男性ががんばる、
この作者らしい物語。
「痛み」が象徴的に描かれる長編小説です。

主人公の佐田山幸彦(名前!)が
自分のルーツとちょっと不思議な人々と
そして謎の「痛み」と、向き合うお話し。

古事記の海幸彦山幸彦の兄弟物語も、
この小説の重要な軸となっています。
(とはいえ孫に「やまさちひこ」って名付けるか、祖父よ!)

で、祖父・佐田藪彦氏の故郷である
「椿宿(つばきしゅく)」の辺りに向かうわけです。

山幸彦の三十肩(自称)の痛みも辛そうだけど、
従姉妹の海子(本名は海幸比子である。祖父の命名!!おい!!)の
痛みとの取り組みも大変そう。
なのに、二人とも飄々としている。
粛々と「痛み」と取り組んでいる。

うらやましくはないけれど、
そうありたいな、と思う人たちである。

『f植物園の巣穴』の続編、もしくは兄弟作品と言える
物語らしい。
f植物園、一応10年前に読んでいるんだけど、
リンクする箇所が全然わからない…。
再読しますか!

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