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『民主主義とは何か』 参加と責任とファイト

2024-01-23 09:12:55 | 日記
『民主主義とは何か』
宇野重規

民主主義の歴史をなぞりつつ、
様々な観点からの「民主主義」を解説する一般書。
専門で学んでいる人には物足りないらしいですが、
「わかりやすい」ということで話題になった新書です。

と言いつつ、
政治経済が苦手すぎて右と左の違いもよくわからないのが
私。
これは、ガイド無しでは読めないな…。
と思ってましたが、
私のランニングのお供「コテンラジオ」が
民主主義を取り上げてくれたわけです。
読むなら今でしょ!今!!

コテンラジオの「民主主義」を聞きなおしながら読んだので
解像度が爆上がりじゃ〜。
ありがとうコテンラジオ!
コテンラジオなかったら読了できなかったよ絶対!!

なにしろ冒頭で語られた民主主義の危機のひとつ、
「ポピュリズム」もよくわかっていなかった。
「ブレグジット」(イギリスのEU脱退)も何それ食えんの状態。
勉強って大切よね…。

古代ギリシャのアテナイから始まる民主主義の歴史は
とてもおもしろいです。
アリストテレス(なんでも分類したがる)の
「君主制」「貴族制」「民主制」は、
「僭主制」「寡頭制」「衆愚制」という堕落形態になる。
民主制にプライドを持っているアテナイと、
その一方で古代ローマは「共和制」を採用する。
システムの改善をし続けるのも人類の歴史ムーブだなあと思える。

アメリカが民主主義を一般に広めるために書いた『フェデラリスト』。
アメリカのタウンシップを評価したトクヴィルの
『アメリカのデモクラシー』。
ワイマール共和国のシステム(憲法)を
まったく活かせない強権大統領制
(この章の小見出しが「マックス・ウェーバーの苦悩」だ。切ない)。
ハンナ・アーレントの「モッブ」(モブキャラの語源。
あらゆる階級社会から「取り残された」存在)の話。
大変勉強になりました。

宇野先生によると、
民主主義とは「参加と責任のシステム」であり
政治とは「公共的な議論による意思決定」。
その「システム」をどうルールづけて、
どう運用するかは、その時代、その場所によるよなあ。
(特にワイマールを見ていると、切ない)

最後にコテンラジオのおまけ知識。
僭主(せんしゅ・古代ギリシア語でティラノス)は
ティラノサウルスの語源。

あとヤンヤンが、民主主義を意地するには
「がんばるしかない」的なことを言っていました。
それな。

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