思惟石

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柚月裕子『盤上の向日葵』

2020-12-22 13:31:55 | 日記
柚月裕子『盤上の向日葵』。
第15回本屋大賞(2018)で2位にランクイン。

売り文句が「将棋界を舞台にした『砂の器』」です。
社会派ミステリってことか?

小説は、現代と過去を行き来する構成。

現代は、刑事がとある遺体遺棄事件を追う様子。
冒頭から犯人らしき人物が特定されています。

過去は、その人物の幼少期からの人間ドラマ。

全体構成としては、豪快などんでん返しとかはなく、
丁寧に人間ドラマを描いています。
貧困家庭問題と社会からの救済の折り合わなさを
懇々と説く感じは、『砂の器』っぽいのかな。
ちょっと長いと思ったけど。

刑事さんの泥臭い調査は『砂の器』感満載ですね。
ベテラン刑事と若手刑事が組んで
あちこち弾丸出張して(泊まる余裕はない)、
せめて駅弁を!つってもそもそ食べてる感じ、いいですね!

まあまあおもしろく読みましたが、
『砂の器』と言うのは荷が重い気もします。
店頭映えもあると思うけど。
ラストもあれで良いのか、ちょっと疑問。

なんとなく社会派ミステリというよりは、
刑事ものというか”刑事ドラマ枠の実写化向き小説”っぽい印象でした。

と思ったら、BSでドラマ化されてるんですね。
ジュウケイが竹中直人なのは、私の想像と違ったけど、
いいね!そう来たか!
石破刑事が大友康平なのもいいですね。
トレンチコートと駅弁が似合いそうである。

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