思惟石

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『侍女の物語』なにこのディストピア…!

2020-09-11 18:28:44 | 日記
Amazonかブクログあたりで評価が高いので
興味を持っていた小説。
マーガレット・アトウッド『侍女の物語』。

中世ヨーロッパ版「家政婦は見た」みたいな小説かな〜
超たのしそう!
と、脳内にお花畑状態で読み始めました。

ぜんぜん違う笑
超絶ディストピア!

ザ・ディストピアのオーウェル『1984年』に対して
女性作家によるディストピア名作として有名なようです。
タイトルしか脳みそにインプットしてなかったわ…!

以下、衝撃的感想。

アメリカに突如クーデターで登場した男性優位社会。
「侍女」は出産装置として社会システムの一部に組み込まれた存在。
その役割しか与えられていない、超絶人格否定。
侍女の一人「オブフレッド」(訳すと「フレッド氏の所有物」
であり、本名ではない。記号。怖っ!)の語る物語。

不自由(という表現も空虚なくらい装置だ)な現在と、
自由だった過去の記憶を織り交ぜながら語る。

カズオ・イシグロ『私を離さないで』を思い出した。
が、あちらはシステムをよく理解してなかった幼年時代と
現代との対比。
「侍女」の方が「自由」の意味や、
過去と現状の落差や諦念が大きくて、
読んでいてヘビー!

しかも主人公は過去に夫と娘を持っていた33歳
(出生率が低下している環境下で、出産可能な女性ってことで、
必然的に出産経験のある女性が集められたということでもある)。
別れた家族との幸せな思い出がツライ。
なんなのこのディストピア!

なんかもう、色々と衝撃的だった。

凄い小説だと思うけど、次はもうちょっと
脳内にお花が咲くものを読もうと思う…。

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