思惟石

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アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』フツーにおもしろいけど

2019-05-16 17:22:37 | 日記
アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』
文庫の上下巻で読みました。

売れてるみたいですね〜。

普通におもしろいです。
読んで損はないと思います。

ただ、ちょっと煽りすぎじゃないか?
まあ、おもしろい本はとことん売った方が良いんだろうけど…。
解説にまで「翻訳ミステリーの史上最高傑作」みたいなこと
織り込まなくても良いと思う。
ひねくれているので、
史上最高?本当に?と思って読んじゃうからなあ。


と、売り方に対しては文句たらたらですが、
内容はきちんとおもしろいです。
数日で上下巻を一気読みできる楽しさです。

主人公は女性編集者なんですが、
彼女が担当編集している作家の原稿『カササギ殺人事件』を読む、
という体裁で、上巻はほぼほぼ作中作です。
この作中作の『カササギ殺人事件』が
古き良き英国ミステリへのオマージュとなっていて
なかなか読み応えがあります。

その外側にもうひとつ、女性編集者が担当作家の死と
原稿の欠落に関して調査する、という現代のミステリがある。

入れ子構造の、どちらにもちゃんと謎があって、謎解きがあって、
一作で2度美味しいミステリですね。

外側の物語のたたみ方は少々バタバタだったかなという印象ですが、
作中作の
「英国の風習や風景」「田舎の人間関係(怪しい人だらけ!)」「探偵!」
「凡庸な助手」「言葉遊び」「不吉なわらべ歌」
等々のお約束はいい感じに満載で、楽しめました。

女性編集者の性格は、好き嫌いが分かれるところかもしれませんが、
クレバーに見えて恋愛感覚がちょっとポンコツというか、
最終的にそこでグッときてそっちいくんかーい、って感じ、
私は結構いいんじゃないかなと思いました。


個人の感想としてはやっぱり「翻訳ミステリ史上最高傑作」とは言えないけど、
まあ、普通におもしろい、よくできたミステリです。

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