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明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

名将が舌鼓を打った街中華 淵野辺『品香園』

2024年04月02日 | 中華食堂
「名将」→すぐれた武将。名高い大将。また、野球やサッカーなどのすぐれた監督。  ※goo辞書より
歴史上の武将や、スポーツの名監督は多いけれど、私がもっとも尊敬している名将は、
拙ブログではおなじみ、我が母校・日大三高の硬式野球部前監督である、小倉全由さんである。

※令和5年高校野球東西東京都大会・出場校選手名簿より

小倉監督は、自宅に帰ることはほとんどなく、学園内にあった野球部の寮で、部員たちと共同生活を送っていた。
野球漬けの日々を過ごす中、生徒たちには時々、お菓子をふるまったり、休日を与えていたように、
小倉さんも自身も、たまには高校野球を忘れ、一杯やりたいときもあったはず。
そんなとき、監督が足を運んでいたのが、日大三高と同じ町田市にある中華食堂『品香園』


スポーツ報知の記事によると、小倉さんが初めて訪れたのは2001年とのこと。
この年、三高野球部は春夏連続で甲子園に出場し、夏には全国制覇を遂げている
訪問した時期は不明だが、マスコミ取材が殺到し、OBからは激励や(余計な)叱咤を受け、監督が多忙だったことは間違いなく、
こちらのお店で飲み食いすることで、活力をチャージしていたのかもしれない。
その後、常連となった小倉さんは、部員と一緒に訪問したり、冬合宿の打ち上げで、総勢50人を連れてきたこともあったらしい。
小倉さん及び三高野球部のファンである私が、彼ら御用達の中華食堂を訪れるのは、必然であった。

初訪問は昨年の秋。店内はなかなか広く、厨房を囲むカウンター席の他、テーブル席や座敷席もある。
カウンター席に座り、とりあえず「瓶ビール(中)」620円を注文。すぐにキリンラガーが運ばれてきた。
卓上のメニューを撮影。まずはドリンク類とおつまみ。


こちらは一品料理とスープ。「ギョーザ」は、6個入りの方が少しだけ割安。


麺類も豊富で、基本の「ラーメン」は650円だが、ハーフサイズの「1/2ラーメン」380円や、倍量の「4/2ラーメン」1000円もある。


最後に、定食・丼などのご飯もの。メニュー豊富で席数も多いが、働いているのはご夫妻と息子さんの3名体勢。


お客さんも結構入っていたが、親子3人の好連係により、待たされることはなかった。
最初に注文したのは、ギョーザ6個と「豚肉とキクラゲの玉子炒め定食」900円の単品750円。どちらも私の大好物だ。
息子さんが餃子を焼き、お母さんが食器を並べ、旦那さんが鍋を振り…大勢の注文をさばいていく。
私が頼んだKTI=キクラゲ玉子炒めも、すぐに提供された。


全体の量自体がやや多めだが、ご覧のとおり、キクラゲの割合が他店より明らかに多い。


味付けは濃くなく、印象に残るのはやはり大量のキクラゲ。竹の子も入るため、どこを食べても歯応えがある。
しばらくして、ギョーザも到着。きれいに形が揃っていてイイね!


自家製の餃子は、野菜と肉が6:4くらいか。バランスがよく、誰もが好きなテイスト。


ビールを飲み終え、「ウーロンハイ」430円に替え、餃子とKTIをガツガツと頬張り、シメの食事を注文することに。
ベーシックな醤油味のラーメンは選ばず、塩味カテゴリーから、これまた大好物の「五目ソバ」870円をチョイス。
ほとんど待つことなく、五目ソバが完成。繁盛店の鍋をひとりで担っているだけあって、旦那さんの手際の良さは抜群。


具材は、白菜、キクラゲ、人参、竹の子、絹さや、焼豚、カマボコ、海老、うずら、ゆで玉子、カイワレなどなど。
いろんな旨味が融合した塩味スープの中で、黄色い細縮れ麺が踊る。


ここまで結構飲み食いしてきたので、五目ソバを食べ終わったあとは、結構満腹になった。
会計を済ませたのち、お店の方に許可をいただき、もう1枚だけ、撮影をさせていただくことに。
品香園さんには、数年前バナナマンの日村さんがロケで来たらしく、壁には彼のサインと番組ステッカーが提示してあるが、
私が撮ったのは、別の場所に貼ってあった、下記の画像。


小倉監督のモットーである、「練習は噓をつかない」のメッセージが入った、三高の校章入りミニタオル(?)だ。
書いたのも当然、ご本人である。撮影後は、両手を合わせて拝ませていただいた。なにかご利益がありそうだ(笑)。

旦那さんは、ほぼ目の前にいたけれど、ほとんど話せず。実際、他の客とも会話はしていないが、
無言で調理に専念している様子が、いかにも腕利きの職人みたいで、そういうスタンスは嫌いではない。
高校野球の名将・小倉さんもきっと、字は違うが中華の名匠である、旦那さんを敬っていたに違いない。

年が明け3月に入ると、高校野球の対外試合も解禁になる。
3月2日、選抜甲子園に出場する関東一との練習試合を観戦しに、三高グラウンドへ行ったところ…誰もいない(嘆)。


普段は午前10時くらいから始まるのに、この日の試合は午後開始だった模様。
母校キャンパスは丘の上にあり、3月上旬だとまだ寒いので、午後まで待たず退散し、11時開店の品香園さんに向かう。

開店時間になり、ノレンが出てきて入店を許される。私のあとからも、客がどんどん入ってきた。
飲酒などで長居はせず、この日注文したのは、とろみカテゴリーの「肉ソバ」950円と、「半チャーハン」380円。
相変わらず、旦那さんの鍋捌きは軽快で、ふたつの料理をほぼ同時に完成させていた。


肉ソバは、「豚肉と玉ねぎの甘辛あんかけ煮込み」を、具ナシ醤油ラーメンに乗せたもの。


半チャーハンは、たしかにハーフサイズの量で、麺類とのセットだと330円になる。


まずは肉ソバのあんかけを避け、基本のスープをすすってみたところ、おお、魚介ダシだ!
街中華のラーメンは、いわゆる昔ながらの醤油スープが出てくる場合が多いのだが、
こちらのスープは、今風にアレンジされた魚介テイストで、かなりウマい。
肉あんかけとの相性も悪くなく、とろみスープが麺とよく絡む。


一方のチャーハンは、元々のご飯が柔らかいのか、パラパラタイプとは対照的な、しっとりタイプ。
近年、「チャーハンはパラパラタイプが正統」みたいな風潮があるけど、私は「ウマけりゃどっちでもいい」派である。
無論、品香園さんのチャーハンは、油っこくなく味付けも適度で美味しい。グリンピースがいい脇役だ。
いつものようにお行儀悪く、「肉あんかけチャーハン」にしたりして、双方ともすぐに食べ切った。


会計時、小倉監督がよく食べていた料理をお母さんにたずねたところ、「肉野菜炒めかな…」と教えていただいた。

尊敬する小倉さんが、舌鼓を打った料理を堪能すべく、数日後に3度目の訪問。
「肉野菜炒め定食」880円のおかず単品730円に、初回と同様、瓶ビールを合わせる。
つい先日、「今後は、食事の際は酒を控えようと決意」したのだが(詳細はこちらの冒頭)、この日も酒の誘惑に負けてしまった。
ビールを飲み始めると同時に、旦那さんが調理を開始。あまり待つことなく、肉野菜炒めが完成。


横アングルも撮影。野菜不足の私に最適な、ボリューミーかつ彩り鮮やかな一品である。


他店との違いは、キャベツが細かく刻まれていることと、油通しされた豚肉が、意外と多いことか。
濃いめのテイストでビールが進み、今回も途中でウーロンハイにチェンジ。肉野菜炒めが残りわずかになったところで、
厨房の旦那さんにも、小倉さんがこちらのお店で、何を食べていたのか聞いてみた。
普段は寡黙で、ちょっと怖そうに見える旦那さんだが、私が監督のファンと知ると、表情が柔和になった。
「小倉さんはねえ、まず餃子と肉野菜炒め、さらにツマミを頼んでラーメンで締めることが多かったかな」。
結構食べているし、「ツマミ」ということは…? 「ええ、お酒も飲んでましたね」。
最近、酒のあとにメシが入らなくなった私よりも、年長の小倉さんがそれだけ飲み食いするのはスゴイ! 
だからこそ、孫みたいな世代の部員たちと一緒に、練習で身体を動かせるのだろう。
そんな監督に負けじと、私も【小倉全由フルコース】を味わってみることに。

肉野菜炒めとビールは注文済み。餃子は以前頼んだので、「春巻」1本140円を2本追加。
さらにウーハイのお替わりと、小倉さんが酒のアテによく頼んでいたらしい、「つまみチャーシュー」500円もお願いした。
先に春巻が揚がった。ハシで等分してからかぶりつく。


具材は豚肉、竹の子、椎茸で、甘口の味付けが印象に残る。他ではないテイストゆえ、春巻も自家製かな? 


続いて、生野菜の上に盛りつけられた、つまみチャーシューが登場。


上記画像を見て、タレだけでなく、魔法の白い粉がかかっていたのに気づいた。
ここのチャーシューの脂身は、冷たくてもしつこくない。野菜も付いてきたし、むしろヘルシーだろう。

春巻もチャーシューもウマく、3杯目のウーハイも飲み干し、そろそろ酩酊してきたので、シメのラーメンを注文。
あとで聞いたら、「小倉さんは1/2ラーメンでしたよ」とのこと。私も半分サイズにすればよかった…イヤ、
さっき書いたように、スープが美味しいので、フルサイズで正解だろう。
小さめのチャーシューにメンマと海苔、ネギとカイワレが乗った、シンブルだけど奥深いラーメンが登場。


前2回の訪問時に、ラーメン丼の横アングルを撮ってなかった。


残ったつまみチャーシュー2枚を加え、いざ食べ始める。


お酒と料理でお腹一杯のはずだが、絶品スープのお陰で、麺がスルスル入っていく。
よせばいいのに、スープも残さず飲み干し、小倉さんのフルコースを完食!
酩酊&満腹状態だったが、監督のパワーを授かったのか、淵野辺駅まで徒歩20分以上の帰路も、苦にならなかった。

最後に個人的な話題を少々。
実は、このお店のすぐ近くに、かつて高校の同級生が住んでおり、学校帰りや休日に、よく遊びに行ったものだった。
たまに、彼の家で中華の出前を取ってくれたのだが、そのお店は、ここ品香園だったのではないか。
会計後にご夫妻に、だいぶ前ですが、○○(←友人の名字)さんの家に出前しませんでしたか? とたずねたところ、
「もう40年くらい営業しているから、記憶はあいまいだけど、○○さん宅には何度か配達したと思う」と、お母さんが教えてくれた。
結果的に、品香園の料理は、高校野球の名将・小倉監督だけでなく、ボンクラ高校生の私も味わっていたようだ。

友人とはもう20年以上会っておらず、彼の実家も引っ越してなくなっていたが、品香園さんは今も元気に営業中
今後も、母校での試合観戦後などに寄らせていただき、小倉さん直筆のメッセージを眺めながら、飲み食いしたいと思っている。



品香園
東京都町田市根岸町2-26-32
JR淵野辺駅より徒歩約22分、日大三高からも同じくらい。店の前にバス停留所「下根岸」あり
営業時間 11時~15時、17時半~21時
定休日 水曜
※駐車場が12台分あり、詳細はこちらのお店HP
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MajiでKoiする街中華 武蔵境『末広』

2024年03月05日 | 中華食堂
はたらけど はたらけど猶(なお) わが生活(くらし) 楽にならざり ぢっと手を見る
上記は、石川啄木の有名な短歌だが、ロクに働いていない私の生活が、楽になるワケもなく、
最近ようやく、無駄な出費を減らそうと考え始め、真っ先に思い浮かんだのが、食事中の飲酒。
東洋経済オンラインの記事によると、サラリーマンの平均昼食代が624円という時代に、
ほぼ無職の私が、ビールやウーロンハイを追加し、ランチで2千円くらい使うのは、さすがに図々しい。
今後は、昼夜関係なく酒とメシをはっきり分け、居酒屋や飲み会ではガンガン飲むが、食事の際は酒を控えようと決意!

ところがつい先日、そんな私の決意をいきなり揺るがしかねない、恐ろしいお店を知ってしまった。
そのお店とは、この回の最後に「ミニねぎ豚丼」を紹介した、『中華料理 末広』


1969(昭和44)年創業の老舗食堂で、住所は三鷹市だが最寄り駅は武蔵境。ただし、徒歩だと20分くらいかかる。
西武多摩川線・新小金井の方が少しだけ近そうだが、乗換が面倒だろうから、JRユーザーには武蔵境を推奨する。

駅からのアクセスに反し、かなりの繁盛店らしいので、初訪問時は夜営業の開店前に到着したら、すでに若者客ふたりが並んでいた。
店頭には、昔懐かしい料理サンプルがあるが、一部商品は実際のサイズと異なるので、気をつけよう(後述)。


開店数分前になると、女将さんが入口ドアを開け、「お待たせしてすみませんでした。カウンター席へどうぞ」と迎え入れてくれた。
待ち客の存在と、女将さんの丁寧なあいさつで、噂どおりの名店だと確信。そして、入店後も期待は裏切られなかった。
店内はカウンター7席と、4人テーブル席がふたつ。テーブル席は広くないので、大人4人だとキツそうだ。

メニューを撮影したので以下で掲載。
まずはめん類。「ラーメン」500円など、現在も昭和価格を維持してらっしゃる。


各種定食や一品料理、チャーハンなどご飯もの。


麺類、ワンタンとのお得なセットメニュー。


最後に、サイドメニュー・スープ・飲み物。アルコール類が豊富で、ビールだけでも5種類用意されている。


「まずはビール!」といきたいところを、冒頭で決意表明したとおり、なんとか我慢し、
注文したのは、大好物の「餃子」400円に、ちょっと珍しい「玉子スープメン」600円と「ミニねぎ豚丼」のセット250円。
働いているのは、女将さんと現店主の旦那さん、そして先代の奥様、つまり大女将の3名。
旦那さんは調理に専念し、女性ふたりが調理補助や接客を担当。厨房には岡持ちが置いてあり、以前は出前もやっていたようだ。
しばらくすると、まずは玉子スープメンが登場。


こちらが横アングル。右脇に見えるのは、府中本町『天下一』のときも読んでいた、「ナニワ金融道」だ。


繁盛店ゆえ、待つこともある末広さんだが、漫画もたくさん置いてあるので、読みながら完成を待とう。
その直後に、餃子とミニねぎ豚丼もやってきたので、さっそく食べ始める。


ミニねぎ豚丼は、この前語ったように、刻んだチャーシュー&ネギを、ゴマ油やタレで和えたものだが、全然ミニではなく、食べ応えがある。


焼き色の揃った餃子は、立川の『四つ角飯店』と同様、具材が細かく刻まれており、味自体も似ていた。


そして、玉子スープメンは、塩味の透明なスープに、炒り卵や野菜を加えてある。
麺はちょい柔らかめの中細麺。スープを吸ってさらにウマくなる。


具材は玉子、キクラゲ、玉ねぎ、人参、ピーマン、竹の子など。「玉子スープ」450円という商品も、たぶん同内容だろう。


ねぎ豚をスープに加えたり、反対に玉子を丼に乗せたりと、トレードを楽しんだのち、全部たいらげた。


3つとも美味しくボリューミーなのにお手頃価格。さらには女将さんの明朗かつ丁寧な応対も素晴らしい。
四拍子揃った中華食堂に感激しつつ、多摩地区にあったのに知らなかった、今までの自分が悔しい。

別の料理も気になり、数日後に再訪問。店頭で少しだけ待ち、前回と同じカウンター席に案内された。
なお、この日私の隣に座った常連風のおっさん客は、「チキンライス」600円の大盛を頼んでおり、しばらくするとオレンジ色の山が登場。
「中華丼」に使用するような、すり鉢状の器に、一般的なチャーハンの3倍以上のチキンライスが盛られている。
おっさんはすごい勢いで食べ終えたが、メニューには「大盛」の価格は記載されていない。
気になったので会計に耳を澄ませたところ、女将さんが「700円でーす」だって。
+100円であの盛り具合とは…末広さんには、もっと若い頃に出会いたかったよ(泣)。

ネットで予習したところ、チキンライスだけでなく、ご飯ものはだいたい山盛りで、定食はご飯もおかずもたっぷり。
“当店人気NO.1”の「タンメン」620円も、『ラーメン二郎』のように野菜がてんこ盛りで、
私がこの日頼もうとしていた、好物のKTI=「玉子とキクラゲ炒め」650円も、モヤシが大量に入る様子。
なので注文時、女将さんに「モヤシ少なめにできますか?」とたずねたところ、「では、少なめでお作りします」と承諾してくれた。
なお、一緒に頼んだのは、ライスや麺類ではなく、「す、すみません、キリンラガー(600円)も…」であった。
【食事中に酒は頼まない】という決意は、早々と瓦解(恥)。意志の弱い私を許しておくれ。
なお、ビールは大瓶で、お通しのポテサラ付きなので、600円は安い。


先客の調理が重なっており、キクラゲ玉子炒めは、しばらく待つことになった。
減らすのはモヤシだけでいいのだが、女将さんの口調だと、全体的に少なくなりそう…と心配していたところ、
運ばれてきたのが、下記の商品。「これで少なめ!?」(笑)と、思わず笑ってしまう量である。


横アングルだと、さらに凄さがわかる。これより多い普通サイズの量と、それなのに650円という価格に震撼。


左手にビールグラス、そして右手でハシを握りしめ、いざ「大物」に挑んでいく。
大量のモヤシをかき分けていくと、玉子もたっぷり隠れていて嬉しい。


ビール2本を費やし、一般的なお店のKTI以上の量を食べたはずだが、まだ1/3くらい残っている。
ここでビールはやめ、シメとしてご飯とラーメン500円を頼むことに。
当初は「半ライス」170円の予定だったが、念のため女将さんに量を確認したところ、
さっき紹介した全然ミニじゃない、ミニねぎ豚丼用の器を使うらしいので、「小ライス」120円に変更。
小ライスの器は、ひと回り小さかったのだが、出てきたご飯は、ご覧のようにてんこ盛り。一般的なお店の並ライス=200グラムくらいありそうだ。


ほぼ同時にラーメンが登場。チャーシュー、メンマ(太めと細めの2種)、わかめ、ナルトと、500円だけど具材は豊富である。


まずは全然小じゃないライスを、残ったKTIと一緒に食べていく。
半分くらい食べたところで、ラーメンのわかめなども乗せ、ミニKTI丼を作成。見た目はイマイチ(私のせい)だが美味しい。


ラーメンは、正統派の醤油スープで塩分控えめ。麺は玉子スープメンと同じものだと思う。
ご飯と並行して食べていたつもりなのだが、気付いたら麺が増えてる!? 


店主が勝手に替玉を追加…するワケはなく、元々の麺が多く、スープを飲んで減った分、増えたように見えたのだろう。
KTI、ごはん、ラーメンをどうにか食べ終え、腹パンパンの状態でお会計。帰路は往路より、約5分余計にかかった(苦笑)。

そしてつい数日前、初訪問から1ヶ月ほどしかたっていないが、早くも3度目の訪問。
この日は食事メニューのみ注文で、「ワンタン」550円と「ミニカレー丼」のセット250円に、「ミニかつ丼」400円も追加。
半チャーハンはないのに、かつ丼や親子丼の縮小サイズがあるのは面白い。
最初に来たのが、そのミニかつ丼。ちゃんとスープとたくあんも付いてきた。


和風出汁と玉子でとじた、カツは決して小さくなく、横アングルで見れば、ミニではなく立派なかつ丼である。


その直後に、ミニカレー丼も完成。かつ丼にも乗っていた、グリンピースが懐かしくていいね!


最後にワンタンが登場。かつ丼は食べかけだが、揃ったところで集合写真。


一瞬、食べ切れるか心配になったが、どれも味がいいのでスルスル胃に収まっていく。
ラーメンと同じ醤油味スープに入ったワンタンは、具ナシの昭和風ではなく、生姜風味のお肉がパンパンに詰まっている。


少し食べてから、単独画像を撮っていないことに気付いたが、ワンタンは計10個入っていた。


カレー丼は、人参やじゃがいもが入る家庭的なタイプ。かつを乗せて「ミニかつカレー」にしてみた。


ハシ、スプーン、レンゲを駆使し、ガツガツとたいらげ「ごちそうさまでした」。1200円で腹イッパイ、そして大満足である。

さっきも書いたが、味、量、価格、接客のすべてが素晴らしく、酒類も含めメニュー豊富で、衛生面も問題なし。
前回紹介した、白糸台の『やすいみ~と』と同様、末広さんも「混んでいる」以外は欠点が見当たらない…
あ、ひとつあった。「ミニ」「小」「少なめ」が信用できないこと(笑)。店頭の料理サンプルも、実際の量より明らかに少ない。
無論、お店に悪気はなく、「お客さんにお腹一杯になってもらいたい」という真心を、客としては素直に受け止めたい。
末広→広末から連想した、今回のブログタイトルは我ながら下劣だと思うが、お店のファンであることは事実なので、
僭越ながら、末広さんの末広がりな発展・繁栄をお祈りさせていただき、本稿の締めとする。



中華料理 末広
東京都三鷹市深大寺2-35-26
JR及び西武線武蔵境駅から徒歩約18分、西武線新小金井駅の方が少しだけ近そう
営業時間 11時~15時、18時~20時(ラストオーダー)
定休日 火曜、第一第三月曜
※容器代+30円で持ち帰りも可能
※※品切れ早じまいもある模様
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モデルもこなす腕利き店主 東府中『あじさい』

2024年02月10日 | 中華食堂
府中本町の『天下一』から始まった、【府中市内にある個人経営の食堂を巡る】シリーズ。
第2弾の激安洋食店『きねや』に続く、第3弾の今回は、中華食堂『あじさい』をリポート。
こちらのお店に興味を抱いた理由はズバリ、牛乳ラーメンを提供していたから。


日本唯一の牛乳ラーメン評論家を自称する私としては、駆けつけずにはいられないお店であった。
なお、牛乳ラーメンの紹介自体も、天下一から数えて3軒目となる。 ※2軒目は高井戸の『ほづみ亭』

お店について予習したところ、酒やツマミも豊富なようなので、軽く一杯やってから食べさせてもらうことに。
店舗の場所は、京王線東府中駅のすぐ近く。カウンター席がひとつ空いていたので着席。


働いているのは、厨房の料理長兼店主と、接客及び調理補助担当のおばちゃん店員。ふたりが夫婦なのかは不明。
店内はカウンターとテーブル合わせて約15席、実質12人くらいで満席かも。
私の入店後も、今から入店可能か確認する電話が多数かかってきており、かなりの繁盛店のようだ。
まずはドリンクから、「プレミアムモルツ・ジョッキ」600円を注文したところ、キンキンに冷えたジョッキが登場。


隣の客の瓶ビールは、保冷容器に入った状態で提供されており、あじさいさんはビールの提供にも尽力しておられる模様。
注文した料理を紹介する前に、メニューブックを掲載。まずはサラダ・つけ物に、焼き・蒸し・揚げ物のページ。


上記から、好物の「焼きギョーザ」380円を頼んだら、残念ながら品切れだったので、「手作り焼売」450円に変更。
さらに、これまた大好物のKTI=キクラゲ玉子炒めもオーダーした。
こちらのKTIは少々変わっており、商品名は「豚肉と玉子の炒め」750円なのだが、
下記画像のように、(キクラゲ・ニラ・納豆・長ねぎ)から、好みの食材を追加できるのである。

※わかりづらい画像でゴメン

私は当然、キクラゲを選んだが、偶然にも3つとも「NTI」になる、ニラや長ねぎも悪くないし、納豆もマニアにはたまらないのでは。
まずは、生野菜が添えられた、1人前3個の焼売が提供された。


肉の旨味と甘味が詰まった、小さいけれど頼もしいヤツ、である。
先述したように、店内は満席だが調理人は店主ひとり。なので、炒め物の提供はそこそこ時間がかかる。
無論、店主もなるべく早く提供すべく、おばちゃんに指示を出しながら、手際よく中華鍋を振っている。
一見ピリピリムードだが、入退店する客への挨拶は欠かさず、さらには、
他の客が頼んだカニ玉らしきものを、オムレツのように鍋から空中に高く舞い上げ裏返す、パフォーマンスも披露。
カウンター兼アリーナ席から見た限り、店主の腕は確かなようで、出てくる料理に期待が高まる。
カニ玉の次に取り掛かったのが、私の豚肉玉子炒めwithキクラゲであった。


一般的なKTIは、醤油主体の濃褐色タレでの味付けが多いが、ここのタレは薄い茶色なので、炒り玉子や青菜が原色を維持している。
それでも、食べてみると塩分はしっかり感じられ、肉やキクラゲの歯応えもじゅうぶん。
最近食べたKTIではもっとも美味で、こちらのお店の実力を証明する逸品である。

ビールを2本飲み終わり、お腹が苦しくなる前に、お目当ての「牛乳ラーメン」800円を追加注文。
こちらが麺メニュー。「しじみラーメン」や「レモンラーメン」、いかにも辛そうな「炎口湯麺」など、独自の商品も多い。


茹でた麺にスープと具材を合わせた中華鍋に、紙パックの牛乳を「そんなに!?」と見ていて驚くほど注いでいき、
少々煮込んだのち、牛乳ラーメンが完成。 ※冒頭の画像を再掲。


自作も含め、人生で食べてきた牛乳ラーメンの中では、もっとも白いビジュアルであった。
ベースは塩スープだと思うが、味がやや薄口なのは、牛乳が多いからか。
具材はモヤシ、キャベツ、キクラゲ、青菜、ひき肉少々で、麺は中細のちぢれ麺。


乳成分特有のコクがあり、塩バターラーメンのようだが、塩分は控えめな分だけヘルシーだ(←自信なし)。
満腹になったため、スープは残したけれど、麺は食べ切りお会計。
この日品切れだった餃子や、他の商品も気になったので、「また来ます」と告げて退散。

数日後、同じ京王線の千歳烏山駅にある図書館に寄った帰りに、あじさいさんに再訪。
この日は「ウーロンハイ」400円を注文し、餃子はまたしても品切れだったため(泣)、「ミニハルマキ」400円に変更。
ウーハイを飲み終えた頃、春巻き3本がやってきた。


中身のアンはトロトロで、使用具材は判別不能。たぶん自家製ではないと思う。
途中で、激辛シールが張られた、自家製と思われるラー油を付けて食べてみた。


私でも耐えられる辛さだったが、あとから舌がピリピリと痺れてきた。
なお、こちらは「ハイボール」と「メガハイボール」があり、ウーハイのメガをお願いしてみたところ、
おばちゃんが写真のメガジョッキウーハイを持ってきてくれた。会計時、価格は700円と判明。量は通常の倍なのでお得だよ。


春巻きを食べ終えたので、ツマミにもなりそうな食事を追加することに。
豚肉玉子炒めも4種あるこちらは、チャーハンの種類はさらに豊富で、普通の「チャーハン」だけでなく、
「海老」「カニ」「鮭」に「レッド」など、レギュラーメニューだけでも20種類ある。


ツマミ兼食事ということで、「月見肉かけチャーハン」850円をオーダー。
なお、ここまで4ページ分のメニューを掲載したが、店内ホワイトボードなどにも、日替わり料理が多数記載されている。

他の客の注文が重なり、提供まで時間がかかったが、待った甲斐のある商品が登場。


ただでさえウマそうな肉あんかけの中央に、黄身ちゃんを鎮座させるとは、罪深いチャーハンである(?)。


肉あんかけは当然、舌が焦げるレベルの熱々だが、甘じょっばい味付けで濃厚すぎず、お肉も柔らか。
お肉でメガウーハイを飲み切ったあとは、あっさりとした醤油味のスープでお口をリフレッシュ。


黄身ちゃんを崩してから、肉、米、スープと一気呵成にかきこみ、満腹中枢が働く前にたいらげた。


あじさいさんの炒め物が美味しいことはよくわかったが、私が中華でもっとも好きなのは、餃子及び点心である。
なのでつい先日、どうしても餃子が食べたくて、3度目の訪問をしたところ、運よく在庫があった。
この日は生ビール中と、念願の「焼きギョーザ」5ヶ380円と「さっぱりゆで餃子」3ヶ350円をオーダー。
いつものおばちゃんとは別の女性だったが、生ピールは以前と同様、丁寧に注がれていた。
まずは茹で餃子が完成。ゴマ風味のタレとラー油がかかり、青菜が添えられている。


会計時に気付いたが、上記はさっばりゆで餃子ではなく、メニュー表でひとつ下の「オリジナル四川風水餃子」500円であった。
意思疎通がうまくいかなかったようだが、これはこれで美味しかったので問題ない。
数分後、焼き餃子もやってきた。さすがに美しい焼き色である。


餃子自体は水餃子と同じもので、具材はお肉主体でニラの風味も感じる。味付けは薄口なので、調味料を使う。
あじさいさんの卓上には、醤油、酢、コショウ、先述の激辛ラー油に普通のラー油、そしてソースやピンク色の塩もある。
近年は、酢+コショウが流行しているようだが、私がおススメしたい餃子の合わせ調味料が、塩+ラー油である。


上記画像ではコショウも加えているが、塩&ラー油の素晴らしさは、別の機会に改めて語ってみたい。

ビールを2杯飲み、双方の餃子も食べ終えたので、シメのお食事を。
普段は麺類の注文が多い私だが、店主の炒め物の腕前を信頼し、「ブラックチャーハン」の1辛650円をお願いした。
イカ墨スパゲティのような、漆黒のチャーハンかと思いきや、出てきたのはこちら。


普通のチャーハンに黒コショウをたっぷり振った、いわゆる「ブラックペッパーチャーハン」であった。


さっきの月見肉かけ~のときに説明し忘れたが、量は結構多めで、一般的なお店のチャーハンの5割増しくらい。
具材は玉子と刻んだチャーシューとネギ、さらに、刻みではなく細切りタイプの玉ねぎが入る。 
パラパラのご飯に玉子とチャーシューが合わさり、たまに玉ねぎのシャキっとした食感が混ざるのが面白い。
刺激を求め、コショウと激辛ラー油を追加。醤油もかけて、真・ブラックチャーハンにすればよかったかな?


スープと一緒に、今回も一気に完食。次回はエビチャーハンか、それとも普通のチャーハンを頼んでみるか。
なお、店内には「2月11日から一部商品の値上げ」をお知らせする貼り紙があったので、
明日以降は、今回ブログの価格とは異なる商品もあることを断っておく。

何度か称賛したように、あじさいさんはビールも美味しい。
市内に工場があるサントリーも認めているようで、店頭や店内には、プレミアムモルツのポスターが貼ってあるのだが、
モデルは、キャンペーンガールなどではなく、こちらの中村店主ご本人なのである!


当然、無許可の手製ではなく、サントリーが公認・作成したポスターだと思われる。
連日、厨房内では孤軍奮闘で腕を振るいながら、大企業のモデルまでも務める、
多才な店主が作る絶品料理の数々を、皆さんにもぜひ味わってほしい。



中華料理 あじさい
東京都府中市清水ヶ丘1-1-14
京王線東府中駅から徒歩約1分、JRなら府中本町駅から徒歩約20分
営業時間 11時半~14時半、17時~22時 21時半ラストオーダー
定休日 火曜
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こんなところにポツンと良店! 豊田『味風』

2024年01月02日 | 中華食堂
読者の皆様、明けましておめでとうございます。2024年も拙ブログを、よろしくお願いします。

今年も新年一発目は、自信を持って推奨できる、とっておきの飲食店を紹介。
そのお店とは、豊田にある『味風(みかぜ)』。正式名は『蒸し料理とワインの店 味風』だが、メインは中華料理。
ただし、普通の中華屋さんの商品とは、見た目や味が異なる料理を提供しており、しかもそれが、ことごとく美味しい
たとえば、こちらのセイロに入った商品。一見、中華風デザートのようだが、


こちらでは、これが「揚げ餃子」なのである。価格は540円。


皮というか外側の部分は、最初はサクっと、その後はモチっとした食感が楽しめ、具材はひき肉が主体。 
ピロシキっぽいのだが油っこくなく、むしろ軽く感じたため、何個でも食べられる逸品である。

お店を知ったのは昨年秋頃。『トヨチカ』で飲んだ帰り、豊田駅とは逆方向に向かい、あてもなく彷徨っていると、
比較的新しい商業施設の端っこ、他の店舗などとは独立した場所に、飲食店があるのを発見。
定休日だったが、メニュー表が展示されており、気になる商品がいくつかあったので、数日後に再訪問。

店内は町中華というより、喫茶店のような作り。女将さんに案内され、カウンター席へ。
まずは、味風さんの主要料理メニューを紹介。こちらは、お店自慢の蒸し料理が多い【飲茶】。


こちらは、【本格中華料理】【食事】【デザート】。この他にも【おつまみ】や、揚げ餃子を含む【揚げ物】などもある。


まずは生ビールの「アサヒスーパードライ(中)」590円を注文すると、お通し(250円)と一緒に登場。


左はひじきと豆の煮物だが、右は枝豆の紹興酒煮という、ちょっと変わった一品。
食べてみたら、紹興酒のアルコール分や癖はなく、芳香だけが残っている。
この枝豆で期待が膨らみ、いろいろと食べてみたら、さっき記したように、どれも美味しくハズレなし。
その後も通い続け、結構な数の料理を食べてきたが、すべてを紹介すると長くなってしまうので、
特に感激したメニューを厳選し、以下で掲載していく。

まずは、私が大好きな餃子から。普通の焼餃子が見当たらないので、「水餃子 ピリ辛ごまダレ」580円を選択。
茹でた餃子に、オレンジ色のタレをかけ、青梗菜を添えてある。


チュルンとした皮の歯触が素晴らしく、具材の味とタレの辛さは控えめで、合わさるとちょうどいい塩梅。
この水餃子とさっきの揚げ餃子で、「ここの大将は天才かも…」と思ったものである。
そんな凄腕料理人がいるお店を見つけた、私の嗅覚も天才的だな、ムフフフ……ゴメン、調子に乗った。

餃子類ではもう一品、「エビニラ餃子」540円も注文。ニラの緑色が透けて見える。


中身の撮影は失敗したので割愛。ニラの風味が強く、海老の印象は薄かった。

餃子のライバルである焼売=「ジャンボ旨肉焼売」は390円。


「豚のテーマパーク」として有名な、埼玉『サイボク』の豚肉を使っており、品質は折り紙付き。


しっかりとした味付けと歯応えで、実に肉々しく、サイズの割には安価である。

揚げ物カテゴリーから、点心の「春巻」380円もオーダー。


ハシで割ってみたが、片栗粉主体の既製品とは一線を画す、豊富な具材。


蒸し料理がウリだが、揚げ物にも手抜きはなく、皮のパリパリ食感、具材の旨味、ともに申し分なし。
あと、皆さんもお気づきだろうが、どの商品も形がしっかり整っている
あまりにも均等な成型なので、失礼ながら、商品によっては「工場生産の業務用?」と疑ってしまったが、女将さんいわく、
「手間はかかりますが、(店主は)成形までキッチリしないと気が済まない人でして…」と、すべて自家製らしい。
大将は、来客者には「いらっしゃいませー」と声掛けするが、普段は厨房からあまり出ず、黙々と調理や仕込みに励んでいる。
いかにも頑固職人風なのだが、それは誤解であったので、後述する。

ドリンクはワインの他にも、各種焼酎や日本酒、「ウーロンハイ」480円なども用意されている。
私はだいたい、最初にビール、次にウーハイを頼むが、ある日「レモンサワー」480円を頼んだら、
自家製レモンピールが添えられていた。ドリンクにも、ひと手間加えているのはさすがである。


ある日、せっかくなのでワインも注文。一番安い【日本ワイン】の「大和葡萄酒GOLD 白」のグラス500円。


感想は、ワインの知識がないため省略。その前に結構飲んでいたので、ベロベロに酔ってしまった。反省。
なので、その次の訪問時は、同じ白ワインのデカンタでスタート。価格は1500円。


この日注文した料理で、ワインと好相性だったのが、12月限定メニューの「蒸しハンバーグ 中華風ソース」630円。


上記画像ではわかりづらいが、焼きでも煮込みでもない、珍しい蒸しハンバーグは、柔らかくも弾力のある食感で、
中華風と称するソースも、醤油主体だけど別の調味料も入っており、洋風料理じゃないけどワインにも合い、そして美味しいのだ。
あと、メニュー表には記載されていなかった、半熟玉子の存在が嬉しい。これで630円はお得だよ。


今書いたように、味風さんは月ごとの限定商品がある。こちらは11月のメニュー表だが、


本格中華カテゴリーに、私の好物「豚肉・玉子キクラゲの炒め」の「ピリ辛」仕上げがあったので、当然オーダー。
炒め物はセイロではなく、四角い大皿で登場。


豚肉とキクラゲは、チンジャオロースに入るような形状で、同型のタケノコも入っている。


とろみのあるピリ辛タレで、玉子や他の具材をまとめており、お酒のつまみに最適。
私が野菜嫌いなもので、お肉料理の紹介が続くが、こちらはレギュラーメニューの「豚角煮 マスタードマッシュポテト」880円。


横アングル撮影。角煮は、一般的なレンゲにちょうど収まるサイズ。


角煮には、さっきのハンバーグソースと同じく、醤油ベースで味付けされているが、何か隠し味も加わっている。
「醤油麹の角煮らーめん」というランチメニューがあり、この角煮にも醤油麹を使っているのかも。麹菌のお陰か、肉質は柔らかく旨味も増幅。
マッシュポテトは本当にマスタード風味で辛く、ジャガイモや豚角煮の甘味を引き立てる。

どの料理も美味しいが、この角煮がナンバー1かと思っていたが、さらに超えたのが麻婆豆腐。
商品名は「陳麻婆豆腐(辛)」880円で、辛マークにビビりつつも、注文してみた。
数分後、取り皿や胡椒とともに、グツグツと煮立っている麻婆豆腐が登場。


「熱いのでお気をつけください」の忠告どおり、取り皿にすくって、少し冷ましてから食べる。
それでも、麻婆由来の辛さと、山椒由来の痺れが口内で暴れる…けれどもウマい!


あまりの辛さとウマさで、ウーロンハイがどんどん進んでしまいそう。
なので、忙しい女将さんの二度手間にならぬよう、2杯同時に注文。


それもすぐに飲み終え、最後にワインも頼んでベロベロになった…のは既述した。

メインの料理だけでなく、デザートもしっかりしている味風さん。
こちらは、「中華蒸しパンマーラーカオ カスタードクリーム味」250円。


中身は、黄色どころかオレンジに近い、色鮮やかだけど甘さ控えめなカスタードクリーム。


ひとり客なので1個しか頼まなかったが、手間を考えたら複数個頼むべきかも。
私の好きな杏仁豆腐も、こちらでは「麹甘酒ときなこの杏仁豆腐」380円と、やはりアレンジを加えての提供。
商品はこちら。手前のスプーンにきなこが盛られており、「そちらをかけてお召し上がりください」と説明された。


指示に従い、まずはきなこを振りかけて、


上の麹甘酒シロップ(?)とよくかき混ぜて、杏仁豆腐をすくって食べる。


信玄餅のようなテイストを想像したが、麹甘酒は黒蜜ほど甘くないため、杏仁の香りも相まって爽やかだった。

ある日の会計時、たまたま厨房から出てきた店主と、少しだけお話しさせていただいた。
こちらの店主は、このとき店名を出したが詳細は不明だった、豊田の『杏花飯店』出身らしい。
「飯店」を名乗るだけあって、今の味風さんと同様、町中華よりは本格的な料理を提供していたようだが、
店主は「働いていた先輩たちはすごいけど、当時の自分は下っ端で、たいしたことないですよ」と謙遜する。
ここの料理は、どれも個性的で美味しいです、と絶賛したところ、「独自の手法もありますが、基本は杏花飯店で習ったものです」だそうで、
「ピロシキ風の揚げ餃子も、ロシアから中国の北方に伝わったもので、私のオリジナルではないんです」とのこと。
飲茶類の成型も、ひとつひとつ丁寧ですね、という感想には、「イヤイヤ、よく見たらそんなにきれいじゃないですよ」と否定するが、
今回紹介した以外にも、私は多くの料理を食べてきたが、成型も盛り付けも、すべて手抜きなし。
頑固で寡黙な職人ではなく、謙虚で陽気な方だったのに驚くと同時に、ますますお店のファンになった。

今回は泣く泣く削ったが、「小籠包」や「スープ水餃子」など、紹介したい料理はまだまだあるし、ご飯ものや麺類などの未食メニューも多い。
さらには、お店SNSによると、焼き餃子などの裏メニューもあるようだし、店主や女将さんにもたずねたいことは多い。
味風さんについて、後日続編を綴るかもしれないし、いずれにせよ私は、今後もこちらに通わせていただく。

最初の方で記したように、こちらのお店は『トゥモロープラザ』という施設内にあるのだが、大通りからはもっとも奥の位置にある。
周囲は子供用広場や畑があるエリアで、酒が飲めて絶品料理が出てくるお店があるなんて、気付かない方も多いはず。
なので、通りから入ってすぐの場所には、下記のように“こんなところにポツンと酒場”のノボリを出している(笑)。


勝手ながら、今回のタイトルに、上記コピーを拝借させていただいた。



蒸し料理とワインの店 味風
東京都日野市多摩平3-1-1 TomorrowPLAZA107
JR豊田駅から徒歩約8分、店舗近くにバス停あり
営業時間 11時半~14時半、17時~22時、ラストオーダー21時
定休日 月、隔週で火、その他年末年始など
※定休日などの詳細は、お店HPでご確認を

※※年明けは、4日からの営業です
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飯田橋『雲仙楼』の食べ飲み放題は素晴らしい!

2023年12月07日 | 中華食堂
コロナ禍前、飯田橋エリアでたまに働いていた私が、ランチで利用していたお店『雲仙楼』
長崎県の地名である「雲仙」が屋号にあるように、メインはちゃんぽん・皿うどんのはずなのだが、
ラーメン、チャーハンはもちろん、カレー、ハンバーグ、スパゲティなどなど、長崎はおろか、中華とも無関係の商品も多数存在する。
下記は、2019年8月にランチで食べた商品。レンゲもあり、スタ丼のような料理だと思うだろうが、


実は、お店オリジナルの「汁なしスタミナラーメン」850円だったりする。肉野菜&卵黄と麺は、当然好相性。


以前、メニューが豊富すぎる店として紹介した際、「総数は300を超える」「しかも、いまだに増え続けている模様」と記したが、
昨年、某TV番組で紹介された際は、「400以上」とやはり増えていた。

コロナも収まり、通常営業が再開されたようなので、閉業直前の人気ラーメン店『びぜん亭』で食べた帰りに寄ってみたところ、
17時半を過ぎ、営業時間中のはずなのに、「準備中」の札が出ており、店内も暗いまま。


後日、久々に食事がしたくて、予約の電話を入れたところ、「夜は17時からで、準備中の札が出てても入ってきていいよ」だって(苦笑)。
予約当日、飲み仲間とふたりで訪問。4年ぶりの入店だが、店内メニュー札が相変わらず多く、圧倒される。

※会計直前に撮影

お目当ては、前回紹介時に予告していた、「3時間飲み放題食べ放題 3300円」
こちらのコースは、ドリンクは下記画像メニューからの選択だが、フードは「何食べてもOKです」の太っ腹なサービス。


まずは「生ビール」250円(※タイムサービス)をお願いしたら、店主に「ピッチャーでいい?」と聞かれ、もちろん承諾。
早い時間帯は、調理も配膳も店主ひとりのため、ドリンクの頻繁な注文は控えるべし。
ピッチャービール(写真なし)を飲み終え、ウーロンハイ250円(同)を頼んだら、焼酎とウーロン茶がまとめてやってきた。


この方が店主も楽だし、我々も好みの濃さで飲めるので、ありがたいよ。

せっかくなので、お料理もガンガン頼む。卓上に紙とペンがあり、希望メニューを記してから店主に渡す。
以下で、この日オーダーした料理を、順番に羅列していく。どの料理も、ふたりで食べてもじゅうぶん足りる量である。
なお、各料理の価格はメモってなかったので、世話になるのはシャクだが、食べログの投稿画像を参考にした。

まずは、私の大好物であるKTI=「木くらげ玉子炒め」。定食は900円で、単品価格は不明だが…


友人が頼んだ「マーボーはるさめ」は、定食900円・単品700円らしいので、上記KTIも、単品は200円引きと仮定(下記商品も)。


非中華メニューの「ハンバーグ」は、ケチャップ主体のとろみがあるソースがかかった、巨大なサイズで推定600円。


玉ねぎなどのつなぎはなく、ほぼ豚肉。失礼ながら、業務用の商品かと予想していたので、自家製が出てきてうれしい。


この後も、いろんなメニューを食べたが、雲仙楼さんの料理は、ほぼ自家製である。
再び中華メニューに戻り、「餃子」400円を注文も、品切れとのことで「春巻き」に変更。
価格は1本100円で、本数は指定しなかったが、ふたりなので2本出てきた。


こちらは、中華の定番ながら、以前はなかったと記憶している「エビチリ」800円。


食事系メニューも頼んでおり、友人が注文した「チャーハン」700円は、パラパラとしっとりの中間くらいの仕上がり。


私も、お食事を2品オーダー。ひとつは、すぐ目の前の壁に掲示されていた、新メニュー「マーボー日本そば」850円。


完成した、日中合作麺料理がこちら。


以前、同額の「マーボー焼きそば」は食べたことがあったが、日本そばと麻婆豆腐の組み合わせは面白い。


もう一品は、以前から「中華屋なのに、なぜあるんだ?」と不思議だった、「玉子サンド」600円。
しばらくすると、店主は厨房から飛び出し店の外へ。数分後には、食パンを抱えて戻ってきた!
どうやら、近所のコンビニで購入したようだが、ひとり営業だし、在庫がなければ品切れでもよかったのに…というか、
コンビニでパンを買うなら、玉子サンドそのものを買ってきてもいいのだが、それは店主の職人魂が許さないのだろう。
数分後に完成した、玉子サンドがこちら。茹で玉子ではなく、炒めたものを刻み、マヨを和えたと思われる。


店主の職人魂に感激しつつ、玉子サンドを全部たいらげたところで、ちょうど3時間がたち、「ごちそうさまでした」。
20時になり、おばちゃん店員(店主の奥さん?)が手伝いにきたので、お会計をお願いした。
これだけ食べて、しかもビールやウーハイもしこたま飲んだのに、価格はやはり、ひとり3300円!
私も友人も、大満足かつ大満腹(←変な日本語)で、二次会に行くことはなく、その日は解散となった。

オーダーバイキング形式で熱々料理が味わえる、雲仙楼さんの素晴らしい食べ飲み放題を求め、数ヶ月後には別の友人と再訪。
今回も、ドリンクはビールからスタートし、あとはウーロンハイの予定だったが、他にもいろいろ用意してもらえた。


この日は、同じ時間帯に別の団体客もいたため、ウーロン茶やホッピー用の栓抜きなどを、互いに使いまわした。

以下で注文した料理を掲載していくが、2度目はちゃんと、価格も記録しておいた。
最初に提供されたのは、「レバ塩」700円。レバーの塩風味ソテーだったが、うっかり画像を消してしまった。
続いては、牛丼好きの私が熱望した「牛皿」。700円と記された貼り紙と、900円の貼り紙双方が存在する。
実際の商品は、吉野家の「牛皿」特盛よりも多い量が大皿に盛られており、900円でも安い!


牛丼の次はかつ丼のアタマ…というわけではないが、「かつ煮」700円も注文したら、やはり大皿で登場。


そういえば、コロナ前にひとりで飲みに来たとき、食べ放題について店主にたずねたとき、
「いろいろな料理を食べられるよう、普通より少なめに作るよ」と聞いたのだが、全然少なくないね
ちゃんぽん店なのに、なぜか昔からある「もつ煮」600円も、


居酒屋の容器の倍以上はある、「小ちゃんぽん」用の丼に、たっぶり注がれ登場。


ラーメンなどにも使う、中華スープで作ったのか、一般的な煮込みよりコクがあった。

少しお腹いっぱいになってきたので、しばし休憩とばかりに、テーブルの下をあさる。
前回紹介したように、女性週刊誌が大半で、たまに「松坂慶子写真集」などが混ざっているのだが、
この日座った場所では、小柳ルミ子のヌード写真集を発見! ハンバーグやかつ煮もそうだけど、なぜちゃんぽん屋にあるんだ(笑)。


休憩後、再びオーダーを再開。「チンジャオロース」の単品、推定750円で酒を飲み、そろそろシメに。


友人の注文は、私が過去に食べたことのある「小ちゃんぽん」850円。


ひと口もらったが、九州の醤油由来と思われる、甘口スープの優しい味わいは健在。
私が頼んだのは、水餃子が品切れだったので、同タイプの「ワンタン」600円。


個数は数え忘れたが、ワンタンにはちゃんとお肉が入っており、そういえば口にするのは初めてだった、醬油味のスープもウマかった。
さらに、友人がご飯ものも欲したため、これまた新メニューの「柚子胡椒チャーハン」750円を追加。


名前のとおり、柚子胡椒を使ったチャーハンだが、ピリ辛風味で結構イケる。他の中華屋さんでもやってほしい。
ちょうど食べ終えるころ、おばちゃん店員がやってきた=20時になったのでタイムアップ。
この日も当然、大満足&大満腹だったので仕方がないが、個人的に狙っていた、
新メニューの「バナナホットケーキ」700円にたどり着けず残念。繰り返しになるが、なぜちゃんぽん屋にあるんだ(笑)。


それにしても、「八丁味噌ピリ辛ナス炒め」と「バナナホットケーキ」、さらには「オムナポリタン」に「ケチャップチャーハン」などが、
横並びに掲示されているお店が、他にあるだろうか(たぶん、ない)。

さっきも書いたが、この日は我々以外にも、飲み客が多数おり、20時になっても店内は混雑。
コロナ前は20時半までの営業だったはずだが、店主曰く「今は0時までやってる」らしい!
最初の方でチラッと触れた、某番組の取材では、「メニュー以外の料理も、頼めば作ってくれる」と紹介していた。
可能ならば、次回はハヤシライスを提供してほしいが…ただでさえ忙しい店主を困らせちゃダメだよね。
大満足&大満腹コース…という私考案のダサいネーミングはさておき、食べ飲み放題は今後も利用するので、
雲仙楼の店主&おばちゃん、どうか無理せず営業を続けてください!



雲仙楼
東京都文京区後楽2-3-17
JR飯田橋駅東口から徒歩約3分
営業時間 月~金 11時~14時半、17時~0時 土曜は昼のみ
定休日 日、祝、年末年始

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恩師(?)が愛したラーメン 高井戸『ほづみ亭』

2023年11月11日 | 中華食堂
このブログを開設してから、約7年半が経過した。
ブログ自体は、だいぶ前から友人たちに勧められていたのだが、「メンドくさいから嫌だ」と拒んでいた。
今でも執筆はともかく、見知らぬ方からのコメントの応対は、メンドくさく感じるときもある。
私が「いいお店だ」って紹介しているのに、赤の他人の分際で、わざわざ否定意見を寄こすヤツって、
いったいナニが目的なんだろうか。その店の関係者に、肉親でも殺されたのか?
つい先日も、某店の記事に「ここの店員は愛想が悪い。私は嫌われているのかも」といったコメントが、長文で届いた。 ※投稿は公開前に削除
よくわかんねえけど、会ったこともない人間に、こんな愚痴めいた投稿を送るようなヤツだから、「嫌われている」のではないか。
以前も記したけど、ここで改めて、拙ブログの投稿ルールについて断っておくが、
非常識な言葉遣い、かったるい自分語り、誤字脱字だらけの文など、
メンドくさいコメントは無視するので、どうか送ってこないでくれ


上記デメリットを予測しながらも、ブログを始めたきっかけとなったのが、たまたま見かけた、とあるブログ記事。
ブログ主さんは、職種こそ異なるが私と同じフリーランスで、感銘を受けた記事を大雑把に説明すると、
「今の時代、ブログやSNSで宣伝はできる。待っていても客や仕事はこない。とにかく動いてみよう」といった内容を、
エラそうな物言いではなく、軽妙な語り口調で綴っていたため、へそ曲がりの私でも共感できた。
無論、宣伝だけが拙ブログの開設理由ではないが、上記記事に背中を押されたのも事実。
残念ながら、拙ブログが仕事に繋がったケースは、いまだにないが(金銭面で折り合わず)、
「隠れた名店の情報が寄せられる」というメリットもあり、開設してよかったかな、と満足している。

間接的ではあるが、拙ブログの師匠にあたるブログ主さんに、もうひとつ教わったのが、
『ほづみ亭』というお店の存在。今回も前置きが長くてすまないねえ。
お店の場所は、京王井の頭線の高井戸駅近くで、店頭の黄色い看板が目印。


看板には「ラーメン」と表記されているが、「チャーハン」や各種定食もあり、実際は中華食堂だ。
ブログ主さんは、こちらのお店を「マジでなんでも美味い」と絶賛しており、
食べログの評価点の低さや、投稿内容に対し、「こいつらは味音痴のクソバカ野郎だ」などと罵倒していた。
食べロガー批判とは、さすがは私の恩師である。 ※ただし、クソバカ野郎とは書いてない

そんなブログ主さんが、ほづみ亭さんのイチ押しと評価していたメニューが、「牛乳味噌ラーメン」
4年前に初訪問したときの私も、当然のようにオーダー。価格は当時750円で、現在は850円。

※現在のメニュー札の表記は「牛乳みそらあめん」

横アングルも撮影。おしぼりも付いてくるのはありがたいね。


上記の画像2枚ではわかりづらいが、ほづみ亭さんの丼はかなりデカい
その大きく深い丼に、麺と具材、そしてたっぷりの牛乳味噌スープが注がれている。


麺はやや縮れた細めのタイプで、具材はモヤシ、玉ねぎ、ニンジン、ニラ、キクラゲにひき肉少々。
この商品の特徴はやはり、オリジナルの牛乳味噌スープだろう。
結構油も入っており、最初のひと口は熱々だが、いざ味わってみると、味噌のコクと旨味が広がる。
無論、牛乳のおかげであと味はまろやかで、味噌のしょっぱさよりも、むしろ甘味すら感じる。
店内はカウンター席だけなので、厨房の調理過程も観察できたが、店主は白い粉を2度投入していた。
ひとつは旨味調味料で、もうひとつは砂糖ではないか。塩ならもっとしょっぱいはず。
過去に何度も告白したように、私は甘党なので、甘いスープも甘いひとときも大好きである。
甘いウマい、と食べ進めていくうちに、同時に注文していた「餃子」が焼き上がった。


1人前6個で、価格は当時も今も500円。味は決して悪くなかったが、一緒に頼んだメニューの印象が強すぎた。
牛乳味噌スープが気に入ってしまったので、餃子も浸して食べたりして、


スープまで全部飲み干し「ごちそうさまです」。デカい丼ゆえ、食べ応えがあったよ。

その後は、高井戸方面に行く予定がなかなかなく、2度目の訪問は2年後。
八幡山駅近くの『NAGAHAMA』世田谷店で、ラーメン+替玉をたいらげたあと、  ※『NAGAHAMA』についてはこちら
せっかく近所(でもないか)に来たのだからと、ほづみ亭さんにも寄ってみることにした。
麺類を食べたあとだったので、ご飯ものの中では比較的軽めな(?)、チャーハン700円を頼むつもりだったのだが、
「中華丼」も700円だったので、重めなのは承知で変更。現在はチャーハンが750円で、中華丼は800円。
チャーハンと中華丼、同価格だったら具材豊富な中華丼を選ぶよね!?
前回と同様、寡黙な店主はすぐに調理を始め、ほんの数分で完成させた。


ラーメン丼もデカかったけど、中華丼が盛られた鉢も、かなりのビッグサイズ。


豚肉、竹の子、ピーマン、キャベツ、玉ねぎ、キクラゲなどの具材を、中華アンでまとめている。
ニンジンやナルトなどの赤みがなく、全体的に茶色いビジュアルだが、味については問題ナシ。
満腹中枢が働く前にたいらげたかったが、アンは熱々だし量は多いしで、かなりの苦戦。
付け合わせのスープがいい口直しになり、どうにか全部食べ切ったが、会計後は腹十二分で汗だく。
薄々わかっていたが、他店で食事したあとに、ほづみ亭さんへ行くのは無謀!

そしてつい先日。前回の府中本町『天下一』で、牛乳野菜ラーメンを食べたことで、ほづみ亭さんを思い出した。
あのとき、「牛乳ラーメンは過去に何度か食べた」と記したが、そのうちの1軒がここであった。
久々に食べたくなり、2年ぶり3度目の訪問。荻窪駅からてくてく歩き、夜の営業時間再開と同時に入店。
壁のメニュー表が変わっていたので改めて撮影。角度が悪くて見づらいが、こちらが麺類。


価格部分が隠れているが、右下の「焼きそば」~「広東めん」までは800円で、「スペシャルらあめん」は850円。
ついでに、座席の近くにラーメン丼が重なっていたので、そちらも撮影。丼の大きさが伝わるだろうか?


こちらは、定食などご飯もの類。これまた、照明が反射し一部が判読不明で、申しわけない。

 
見えない料理名は右側から、野菜炒め、肉野菜炒め、ニラレバと回鍋肉を挟み、鶏肉辛味噌炒め、茄子肉味噌炒め、
生姜焼き、さらにニラ玉子を挟んで、竹の子肉ピーマン炒め、のはず。
最後に、お酒や麺類のトッピングなど。元々の量が多いので、「大盛り」は危険。


この日はまず、定食のおかずのみが注文可能かを確認したのち、「ビール 中」600円と「生姜焼き定食」の単品を注文。
ビールはアサヒで、お通しとしてメンマの小皿も付いてきた。


厨房では店主が、中華鍋で豚肉や玉ねぎをサッと炒めてタレを注ぎ…
短時間で生姜焼きが完成。前回もそうだったが、店主は手際がよく、どの料理も短時間で提供する。


横アングルも撮影。餃子用の楕円形のお皿に、たつぷりの千切りキャベツと肉野菜が盛られている。


生姜焼きは、中華丼のようにトロミがあり、ひと口頬張ってみると、当然熱々。
生姜風味よりも先に、牛乳味噌スープと同じくまずは甘味を感じ、その後に塩味や酸味が来て、最後に旨味が爆発!
ビールだけでなく、ご飯にも絶対に合うテイスト。定食はもちろん、「肉かけ丼」も絶対おいしいだろうね。
照りのあるタレが浸みた、キャベツがこれまたウマい! 野菜嫌いの私でも、これなら食べられる。


すぐにビールが空いたので、「烏龍ハイ」400円に変更。店主は無表情のまま宝焼酎と烏龍茶を用意し、
グラスに焼酎をドボドボと注いでいる。氷を加えたら、グラスの約2/3が焼酎だよ。


人見知りの私が珍しく、「焼酎、濃いですねえ」と告げたところ、店主は表情を変えず「……」。まるでゴルゴ13だ。
往路と同様、復路も荻窪駅まで徒歩だったが、濃いウーロンハイが効いたのか、エライ時間がかかった(苦笑)。

酩酊してきたが、せっかくなのでシメも食べていく。
スペシャルらあめんが気になったので、どんなラーメンか店主にたずねたところ、
「ラーメンに野菜炒めが乗る」と教わり、野菜嫌いの私は注文を断念。千切りキャベツと被りそうだし。
なので、同価格の「チャーシューメン」850円に変更。「豚肉被り」はいいのか、と怒られそうだな。
店主が大きな丼をスタンバイし、調理を始める。チャーシューは、注文が入ってから包丁で切り分けていた。


相変わらず手際よく、数分後にはチャーシューメンが登場。


丼の大きさを伝えるべく、割り箸を置いてみた。もちろん、箸はごく普通の長さである。


麺は牛乳味噌と同じ、細い縮れ麺。ただ、中華丼の付属スープと比較すると、スープは結構油っこい。


チャーシューはモモ肉かな? 脂身が少ない噛み応えのあるタイプが計5枚。あとはメンマとワカメとネギ。
スープは残したが、麺とチャーシューはしっかりたいらげ、お会計をお願い。
合計額から、生姜焼き単品は650円と判明。定食が850円なので、単品は200引きと判断。

ほづみ亭さんには計3度訪問したが、私だけでなく他の来店客も、店主と注文以外の私語を交わしたのを見たことがない。
寡黙ではあるが腕利きでもある店主には、同系統キャラのゴルゴ13のように、末永い活躍を期待したい。
高井戸方面に来たときは、また飲み食いさせてもらいますよ!



ほづみ亭
東京都杉並区高井戸東3-28-7 ※食べログでは3-27-8
京王線高井戸駅より徒歩約5分、JR・地下鉄荻窪駅から徒歩約26分 ※どちらも信号次第
営業時間 11時半~14時、18時~22時くらい? 数年前、そのくらいの時間には閉まっていた
定休日 日曜
※住所や営業時間は未確認
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独自メニューが楽しいお店 府中本町『天下一』

2023年11月05日 | 中華食堂
今から数年前、母校野球部の試合が、府中市民球場で行われたときのこと。 ※たぶんこのとき
中央線が事故で動かず、球場最寄り駅の北府中へ行けなかったため、立川から南武線で分倍河原に行き、そこから徒歩で向かった。
試合に遅れないよう、早歩きで向かったので、はっきりとは覚えてないのだが、
明らかな住宅街なのに、老舗っぽい個人営業のおそば屋さんや食堂が、いくつも残っていた。
そしてつい最近、「府中市 食堂」で検索してみたところ、予想どおり個人店がいくつもヒット
その中の1軒で、以前から気になっていたのが、JR府中本町が最寄り駅の『天下一』
以前紹介した、かつて大手チェーンだった『天下一』とはおそらく無関係な、個人経営の飲食店である。

こちらのお店は昨年の夏頃、愛読しているブログでその存在を知り、
店内メニュー札に、他ではあまり見かけないユニークな商品がいくつかあったため、印象に残ったのだ。
府中本町界隈に行く機会はなかなかなく、あと回しにしていたが、先日の夜、ようやく初訪問を遂げてきた。
お店の場所は、駅西側にある遊歩道を、南武線の線路沿いに南多摩駅方面に歩いていき、
大東京綜合卸売センター、通称・府中市場を過ぎて最初の十字路を右折し、さらに歩く。


もはや住宅しかないぞ…と焦り始めた頃、黄色い灯りが見えてくる。


入店すると、カウンター席にテーブル席、さらに、お座敷席もあったりする。

.
カウンターの端に着席し、入口看板に【サントリーモルツ】のロゴがあったので、とりあえず「ビール」を注文。
おばちゃんに「生? 瓶?」と聞かれたので瓶を選択。出てきたのはプレミアムの中瓶で、価格は500円。
サントリービール工場が至近距離にあるので、きっと生ビールもウマいはずだ。

卓上にメニュー表はなく、壁の商品札から選ぶ。麺類などを記した黒い札と、手書きの白い札が混合。


中華主体だが、うどんやハンバーグもあり、さらに定食やお得なセットメニューも。


つい最近、50円だけ値上げしたようだが、それでもまだ安価で、千円超の商品はない。
しかも、「ラーメン」と「ワンタン」だけは、以前と変わらず450円のまま。
今の時代、ラーメンは450円でも安すぎるのに、その価格を頑なに維持する、お店の方針が素晴らしい。
また、さっき触れた「他では見ないユニークな商品」が、いくつかあったのにお気付きだろうか。
珍しいモノ好きの私は、当然注文しているので、あとで紹介する。

瓶ビールに合わせるおつまみは、餃子が見当たらないので「五目ワンタン」700円にした。
これも滅多に見ないメニューだが、実際に出てきた商品も、ちょっと変わっていた。


五目そば=塩味のスープという印象があるが、こちらは醤油味のスープ。
具材は焼豚、メンマ、ノリ、ワカメ、ナルト、カニカマ、ネギに、ゆで玉子に玉子焼き。寿司ネタ風の玉子焼きが珍しい。
さらに、ワンタンはお肉少なめとはいえ、12個も入っていた! 麺がない分サービスなのかな。


順番が違うが、横アングルはこちら。結構大きめの丼である。


醤油味のスープは、色は薄いけれど出汁はしっかり効いており、レンゲが止まらず。
ビールを飲み終わったが、まだ具材もワンタンも残っているので、「ウーロンハイ」400円にチェンジ。


そして、壁の端っこに、ないと思い込んでいた「ギョーザ」400円の札を発見したので、当然追加。


すぐに出てきた餃子は、1人前5個でサイズは普通。


味も、野菜多めの昔風ではなく、肉の甘味を感じる、最近よく出回っているタイプだった。
五目ワンタンのスープを飲み進めたら、お店の屋号「天下一」が、誇らしげに印字されていた。


餃子も食べ終えたところで、そろそろシメのお食事を頼むことに。
希少メニュー愛好家の皆様(いるのか?)お待たせしました、いよいよ「他にない商品」の登場です!
その商品とは、白いスープが目に優しい、「牛乳野菜ラーメン」700円。

※「みそ野菜牛乳ラーメン」750円もある

私自身、牛乳入りラーメンは過去に何度か食べたが、悪い感情を抱いたことはない。
こちらの商品も、塩味のスープに牛乳のコクと甘味が加わり、まろやかな味わいで結構イケる。


具材はキャベツ、ニンジン、ピーマン、玉ねぎ、モヤシ、豚肉で、油も多く含んでいるのか、時間がたっても熱々。
冷めるのを待つため、お行儀は悪いが、カウンター席の下に置いてある、
約30年前の人気漫画・「ナニワ金融道」の単行本を読ませてもらう。せっかくなので記念撮影も。


店内には、中華食堂では欠かせない(?)漫画雑誌も数冊設置してあるが、ナニワ金融道が全巻揃っているのはスゴイ。
その後、麺と具材を食べ切り、絶品スープを約90%飲み干したところで、ごちそうさま。
おばちゃんと厨房のおじちゃんに、「おいしかったです、また来ます!」と告げて退散。

なお、帰路には下記の地下道があるが、照明に誘われ下ってしまうと、線路の向こう側に出てしまい、


府中本町駅からは遠くなるトラップなので、暗くても左の脇道を進もう。私は見事にハマってしまった(苦笑)。

「また来ます!」と告げた数日後、今度も夜の時間帯に、有言実行の再訪。
今回は瓶ビールと、やはり希少メニューの「カツフライ」を頼んでみた。カツ+フライという表記、初めて見たよ。
メニュー札の記載は、「定食 カツフライ 800円」なので、単品でも可能かたずねてからオーダー。
「お時間いただきますけどよろしいですか」と確認され、手間がかかる珍しい料理なのかと、期待が高まる。
文字どおり二重揚げなのか、そもそもナニを揚げるのか。その答えは……普通のトンカツであった(笑)。


ただ、ちゃんとラードで揚げているようで、コロモの香りや歯応えがよく、肉の厚さもちょうどいい。


卓上のソースやマヨネーズを使い、オレンジ色のドレッシングがかかった生野菜と一緒に食べていく。
トンカツ…いや、カツフライの単品は、会計時に600円=定食の200円引きと判明。
なお、2度目なので顔を覚えてもらったのか、おばちゃんから「これもどうぞ」と、青菜の胡麻和えもいただいた。


現在も実施しているかは不明だが、ランチタイムにはコーヒーも出るらしい。ただでさえ安いのにサービスいいね。

カツもビールも減ってきたところで、シメのお食事を注文することに。
「たぬき中華そば」550円も気になったのだが、たぶん醤油ラーメン+揚げ玉だろう。
なので、牛乳野菜ラーメンやカツフライを超える、他店では絶対に見たことのない未知のメニュー、
「肉野菜入りひらひら皿ラーメン」800円を選択した。
そもそも、皿ラーメンだけでも謎なのに、ひらひらというオノマトペが付いては、もうお手上げである。
しばらくすると、肉野菜入りひらひら皿ラーメンが、威風堂々と登場!


横アングルはこちら。丼ではないけれどお皿というほど平たくない、中華丼などに使うような深めの器だ。


トロミがあり熱々のスープの中から、平べったい幅広麺が登場。これが「ひらひら」の正体か。


同じ府中市の『どさん娘』のときにも書いたが、私はこの形状の麺が大好きである。


具材は、牛乳野菜ラーメンと同じ、キャベツ、ニンジン、ピーマン、玉ねぎ、モヤシ、豚肉(※コピペ)の6種。
濁ったベージュ色のスープは、旨味がじゅうぶんで、芝麻醤(チーマージャン)由来なのか、ゴマの香りもする。
麺と具材は当然たいらげ、スープまで全部飲み干してしまった。
おばちゃんとの会計時に、他の麺メニューでも、ひらひら麺に変更できるかたずねたところ、
同じスープを使用している「ごま野菜ラーメン」700円なら可能かも、と前置きしつつ、
「スープとの相性もあるので、他のはできません」とのこと。ああ、それは残念。
「肉南ばんカレーラーメン」700円なんて、あの麺で食べたら、相当ウマそうだけどねえ。

ところで、調理担当のおじちゃんは、注文が入っても最低限の返事しかせず、厨房からは出てこない。
寡黙な頑固職人かと思いきや、会計時は毎回、レジまでやって来て、笑顔で「ありがとうございま~す」と挨拶してくれる。
この、おじちゃんの笑顔が、すごくナチュラルで、なんだか心が和むんだよ。
数々の独自メニュー、そしておじちゃんおばちゃんの応対が気に入った私は、今後も天下一さんに絶対通う。
次はたぬき中華そばか、「ハンバーグ」単品で飲むか。ナニワ金融道もまだ読み終わってないし(笑)。

昨日11月4日のテレ東系「アド街ック天国」は、久々の府中特集であり、魅力的な食堂を2軒紹介していた。
ただ、冒頭でも述べたように、府中市には天下一さんのような個人経営の名店が、星の数ほど存在する
拙ブログでは、アド街も見逃した(?)それらの名店を、順次紹介していく予定である。乞うご期待!



天下一
東京都府中市矢崎町4-13-14
JR府中本町駅から徒歩約13分、西武線是政駅からも徒歩圏内
営業時間 11時~14時、17時半~20時半 
定休日 木曜
※店頭看板の表記は 『味のラーメン 天下一』
※※府中市郷土の森博物館内に支店がある
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駅前開発を逃れた(?)老舗食堂 国分寺『えどっこ』

2023年09月09日 | 中華食堂
近年、再開発されて、見た目はキレイになった国分寺駅の北口。
地元の皆さんは喜んでいるのかもしれないが、私としては、かつて存在していた、
庶民的な居酒屋や飲食店、エロ本ばかりの本屋(駅前なのに…)などが並ぶ、商店街が懐かしい。

それでも、開発されたエリアのちょっと先、メイン通りから西側に一本入った路地には、
懐かしい雰囲気の飲食店、『えどっこ』が残っている。
お店自体は、以前から知っていたのだが、失礼ながら、ノレンも看板もない怪しげな外観だし、

※隣の空き地が草ボウボウなのも怖い

店内も、常連らしき酩酊客でいつも賑わっており、ヨソ者としては入りづらかった。
今年の春頃、久々に『谷信』で飲んだ帰り、小腹が空いていたのだが、
近くの『淡淡』『武道家』『だるまや』あたりでは、「小腹」では済まない(笑)。
悩んでいるうちに、えどっこさんを思い出し、お店に向かってみた。

この路地を歩くのは数年ぶりだったが、お店はちゃんと営業していて、空席もあったので入店。
初入店なのに小腹=ここはそんなに多くない、と思った理由は、入口に貼ってある値札。


「ラーメン」550円、「ラーメン+餃子3個」650円など、昭和価格の値札が並ぶ。
以前見かけた常連客も、高齢の方が多かったし、安価と客層から、量は控えめだろうと予想したのだ。
こちらのお店は、先述のように看板もノレンもないため、私も含め屋号を知らなかった方も多いはずだが、
上の貼紙をよ~く見ると、北・西・東・南の順に、「え」「ど」「っ」「こ」の文字が記されている。

注文はラーメンだけのつもりだったが、餃子に釣られて+3個のセットを選択。
人の良さそうな店主が調理に取り掛かり、まずはラーメンが完成。


スープは、昔ながらの醤油色かと思いきや、少し濁った飴色タイプ。
具材はチャーシュー、メンマ、ノリにネギ。チャーシューは自家製らしく、意外とウマかった。
横アングルでわかるとおり、多くはないが決して少なくもなく、適量といえる。


ラーメンを半分くらい食べたところで、餃子も焼き上がった。


チャーシャーと同様、餃子も自家製で、ニラが多めの家庭的な味わい。


2軒目ゆえ、さすがに満腹になり、この日はすぐに退散したが、店主はいい人そうだし、
なにより、壁紙メニューに気になる商品があったので、次回は空腹&シラフで来ようと決意。

数ヶ月後の再訪時には、壁メニューの撮影に成功。まずは麺、定食、セット。


別の壁には、「冷し中華」や「キーマカレー」などの別メニューも。写ってないが「味噌ラーメン」もある。


そして、ドリンク類とおつまみとなる単品。個人的に大歓迎なのが、単品<すくなめ>の存在


最近胃が小さくなった私にとって、中華食堂の一品料理は、ひとり飲みには多すぎる場合が多く、
半チャーハン以外にも、少なめサイズの商品があるのは、本当にありがたい。
2度目の訪問では、「麦茶ワリ」380円を注文も麦茶がなく、同額の「ウーロン茶ワリ」に変更し、
おつまみとして、「にら玉子いため」350円と、「焼豚」単品のすくなめ480円をオーダー。
書き忘れたが、こちらのお店の最高値は、「焼豚定食」と冷し中華の800円。外観だけでなく、価格も昭和のままである。
注文を受けると、店主はまず、冷蔵庫からキャベツを取り出し千切りにしてから、焼き豚をスライスして盛り付ける。


「すくなめ」とはいえ、自家製チャーシューは4枚も盛られている。普通だと6~7枚になるのかな?
ラーメンのときに感じたように、豚肉の旨味がほどよい。付属の濃い味のタレも、ツマミになるね。
続いて、これまた発注後に野菜を刻んでから調理した、にら玉子いためが完成。


そこそこ大きな皿で提供されており、具材もニラと玉子以外に、豚肉と玉ねぎも入っていた。
数日前に、「テンイチの小ライスは120円とはいえ少なすぎる」と苦言を呈したが、
えどっこさんのニラ玉は、350円とは思えぬ量と品質。全国に、ニラ玉を出す飲食店は星の数ほどあるだろうが、
この価格のニラ玉で、えどっこさんを上回る店は滅多にないのではないか。

他にお客さんがいなかったので、店主に客席で休憩してもらい、いろいろとお話しさせていただいた。
えどっこさんは当初、南口で『江戸っ子』名義で長年営業しており、北口の現店舗に移ってからは、今年で約10年。
「少し休んだ時期もあったけど、両方合わせたら40年くらい。オレの人生のだいたい2/3かな」と店主は語る。
店主は新潟の出身(江戸っ子ではない!)で、こちらの水質の悪さには閉口したそうだ。
単品に「すくなめ」がある理由はやはり、常連客の要望に応えたからだとか。
店の前を通ると、いつも常連さんで賑わってましたね、という私の発言に対し、
店主は「やっぱり、コロナがあってからは、みんな(来店頻度が)減ったよ。だから営業時間も少し短くした」。
ネットでは営業時間は22時までとの情報が散見されるが、現在は21時閉店である。
これはえどっこさんだけでなく、私が通っている居酒屋やバーの店主からも、同様の嘆きを聞いている。
「コロナ以降、飲み歩く習慣がなくなったのか、ハシゴする客が減ったため、夜遅い時間帯の売上が落ちた」と。
実際私も、体力だけでなく、金銭的な問題(←切実)もあるし、終電も早くなったため、ハシゴ酒は確かに減っている。

おつまみを食べ終えたので、店主に再度厨房に戻ってもらい、シメの食事を作っていただく。
前回醤油ラーメンを食べたので、今回は塩味の「たんめん」700円と、「ミニキーマカレー」400円を注文。
たんめんは、別の壁メニューに「野菜たっぷり」の説明があったが、確かに、店主が野菜をザクザク刻み始めた。


さっきも触れたように、注文が入るたびに野菜を仕込むことについて店主は、
「切り置きすると悪くなるし、そんなに仕込んでもお客さんが来ないから…」と謙遜していたが、
実際は、手抜き作業を嫌い、新鮮な野菜を使用したいという、店主の職人魂の表れであろう。
私が知る限り、前もって調理しているのは、餃子とキーマカレーだけだと思う。
その後、店主は大量の野菜を炒め、麺を茹で、さらに冷凍のキーマカレーを解凍し…と厨房内を駆け巡り、
まずは、中央にライスを盛り、周囲にカレーを注いだ、ミニキーマカレーが完成。


横アングルでもわかるように、ミニではなくハーフサイズはある。一般的なキーマカレーより水分も多め。


食べてみると、普通のひき肉カレーと思いきや、辛さの中にほろ苦いコクが感じられた。
隠し味にコーヒーを使っているのかな? とにかく、個性的でなかなか美味しいカレーである。
続いて、本当に野菜たっぷりのたんめんが登場。


前回のラーメンより、丼がひと回りデカく、食べ切れるのか不安になる。


麺はラーメンと同じ縮れタイプ。キャベツ、もやし、人参、ピーマンなど具材もたっぷり。


カレーをたいらげ、たんめんも頑張って食べ進めたが、具材少々とスープを残してしまった。
次回たんめんを頼むときは。同価格でいいので野菜を少なめにしてもらおう。

そしてつい最近、えどっこさんに3度目の訪問。
今回は「麦茶ワリ」があったのでオーダーしたら、お通しの冷奴も付いてきた。


サービスかと思ったら、会計時に150円と判明(苦笑)。まあ他の商品が安いからいいけどね。
おつまみとして、「しょうが焼」単品・すくなめ380円をオーダー。


にら玉子いためと同様、安価の割にはボリュームがあり、380円の豚肉の生姜焼きでは日本一かも。
しょっぱめの生姜タレと絡むマヨキャベツも、これだけで麦茶割りが1杯飲める名脇役である。


この日のシメは、ソース、塩、カレーと3種の味がある「焼そば」650円のカレーにする予定だったが、
先客が食べていた「とんぺい焼」450円が実にウマそうだったので、私もそれを注文。
とんぺい焼きor豚平焼きとは、豚肉のソテーを玉子で包み、ソースやマヨネーズなどをかける関西発祥の料理だが、
小麦粉を混ぜたり、キャベツやモヤシなどの野菜を含むなど、店によって具材や調理法が多少異なる。
そして、えどっこさんのとんぺい焼は、ご覧のとおり円形の玉子にソースや鰹節がかかっているが、


中身は豚肉と焼きそば。要するにオムソバなのである


とん平焼きを450円くらいで出す店はあるが、オムソバを450円で提供する店は、かなり希少だと思う。
麺にはソースだけでなく、ラーメンに使う醤油タレも混ぜており、濃厚なソバとまろやかな玉子がよく合う。


シメのつもりが、あまりのウマさに、焼酎割りをもう一杯飲んでしまい、大満足で「ごちそうさまです」。

お会計時、今回の冒頭で触れた、開発前に存在した商店街について店主にたずねたところ、
「あの辺の店主とは、何人かが知り合いで。皆さん優秀な方(調理人・経営者)だったけど、
後継者がいなかったりして、立ち退きを機に廃業したみたい」と、少し寂しそうに語ってくれた。
仰るとおり、都市開発とは町の利便性を高める反面、私の地元立川市の駅周辺のように、
古くからその地に根付いていた老舗店に、トドメを刺すケースもあるのだ。
えどっこさんの周辺にも、昔ながらの豆腐屋さんやケーキ屋さんなどがあるが、
この一帯も遠くない将来、開発される計画もあるとか。他市の問題とはいえシャクにさわるなあ。
えどっこさんには今後も、通い続けるつもりなので、立ち退き計画なんぞ突っぱねていただきたいが…。



えどっこ
東京都国分寺市本町3-12-16
JR、西武線国分寺駅から徒歩約5分
営業時間 11時半~16時、17時半~21時
定休日 水、日
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人生最初の回鍋肉を、最後の店舗で再び 『東秀』田無店

2023年03月16日 | 中華食堂
先日、日本の中華料理人の第一人者である、陳建一さんがお亡くなりになった。
「中華の鉄人」としてバラエティ番組で活躍したり、ご自身の名前を冠した麻婆豆腐店の監修など、
お父様の陳建民さんとともに、中華料理の魅力を広めた功績は多大である。ご冥福をお祈りしたい。

陳建民さんが日本に紹介したとされる料理が、麻婆豆腐、エビチリ、担々麺、回鍋肉である。
どれも大好きな料理だが、ひとつ選ぶとすれば、ご飯もお酒もススム回鍋肉だ。
今でこそ、「クックドゥ」のCMなどもあり、日本人にもなじみの深い回鍋肉だが、
恥ずかしながら、私は高校生になるまで知らなかった。我が家の食卓や学校給食では出てこなかったし、
近所の中華食堂にも、回鍋肉というメニューはなかったはず。 ※「豚肉とキャベツの味噌炒め」はあったかも
初めて知ったのが、放課後に仲間たちと寄った、中華食堂『東秀』である。
当時『日高屋』はまだなく、『餃子の王将』、『ぎょうざの満洲』、『福しん』なども行動範囲に店舗がなく、
金欠高校生でも気軽に通える安価な中華チェーンは、JR町田駅近くの東秀しかなかった。
正式名は『中華東秀』らしいが、我々はずっと「とうしゅう」と呼んでいたので、以下でもその名称で統一する。

ある日、私がいつものように餃子と麺類を食べていると、隣席の同級生に、初見の料理が運ばれてきた。
「なにそれ?」とたずねると、同級生は「ホイコール」と返答。「ひと口くれ」と告げると同時に、ハシで奪った料理は、
やや脂っこいけど、コクがあって甘じょっぱい未知の味。思わず「ウマい!」と叫び、さらにもうひと口奪う(笑)。
東秀ではホイコールと呼んでいたその商品こそ、私が人生で最初に食べた回鍋肉であった。

その後は、私も東秀でホイコールを食べるようになり、回鍋肉の漢字表記も覚え、別のお店でも頼むようになった。
たぶん、どのお店でも「ホイコーください」と注文していたはず。ちょっと恥ずかしいな。
拙ブログでも、惜しまれつつ閉店した飯田橋『えぞ松』などで、何度も紹介してきたように、
回鍋肉は、人生で何百回と食べてきたが、どこのお店でもハズレがなく、そこそこ美味しいのに驚かされる。
本場ではキャベツを使わず、もっと辛口らしいが、日本人の口に合うレシピを再構築した、陳さん父子は偉大である。
ここまで文章ばかりなので、画像を掲載。先日利用した、今回タイトルの田無店の入口と、壁の【東秀】ロゴだ。


そんな東秀だが、私自身は、2015年頃、地元立川店が閉店したことで足が遠のいた。
調べてみたところ、近隣の店舗も系列の『オリジン弁当』や『れんげ食堂』などに生まれ変わり、東秀は減少。
驚いたことに、現存する店舗は田無店のみと判明。
個人的には、最大文字↑にするほどの衝撃であり、タイトルの“最後の店舗”も、それを示している。
先日、友人に「田無で飲もう」と提案し、二次会代わりに東秀田無店に付き合ってもらった。

店舗は「田無アスタ専門店街」という施設内にあり、店頭には昔懐かしい料理サンプルを展示。


こちらは卓上メニュー。裏側もあるが、チャーハンや単品料理などが掲載されている面だけを撮影。


「ホイコール」単品は、現在540円(税別、以下同)。高校のときは定食で480円くらいだったかな。


上段には、昭和41(1966)年に千歳船橋で創業、チャーハンの具材が20%増えたことなどが記されている。


上記3枚は、いつものように縮小しているので、ちゃんと見たい人は、HPで確認してほしい。

他店で飲み食いしてきたので、おつまみはお目当てのホイコールと、「餃子」ひと皿程度でよかったのだが、
友人が気を遣い、私の好物「きくらげ玉子炒め」と、2個から頼める「鶏の唐揚げ」を6個で注文。
「そんなに喰えないよ…」と友人にボヤいているうちに、きくらげ玉子炒め510円がやってきた。


続いて鶏の唐揚げ6個720円。2個だと240円と、1個あたりは同額だが、キャベツとマヨが付かない。


さらに国産食材使用の餃子260円が焼き上がり、


最後に、元祖(注:私にとって)ホイコールが満を持して登場。ウマそうな色合いである。


きくらげ玉子炒めは、しょっぱすぎずほど良い味付け。玉子のふんわり感は、さすが中華屋さんである。
唐揚げは、結構大きめサイズ。しっかり味が付いていたが、油のイヤな匂いなどはなかった。
餃子は、国産食材に切り替えた効果なのかはわからんが、皮が薄くなり、以前より美味しくなっていた。
そしてホイコール。豚肉、キャベツ、ネギ、ピーマンに、赤と黄のパプリカを、濃厚で脂っこい甘味噌ダレでまとめてある。
たぶん、過去に何度かレシピを改善しているのだろうけど、やっぱり東秀のホイコールは美味しい。
量が多いと危惧していたが、結局4皿とも残さず食べ切ってしまった。東秀の料理、好きなのかも
私は「ウーロンハイ」、友人は「緑茶ハイ」、どちらも290円を4杯ずつ飲み、「ごちそうさま」。
会計時、ホールのおばちゃんと少しだけ話したが、彼女も「東秀どんどんがなくなっていくのは残念」と語っていた。
現在、東秀のロゴが入ったレシートを発行しているのは、ここ田無店だけであろう。


田無店で食べたホイコールには、先述した具材の他にも、謎の「なにか」が数切れ入っていた。
食感は明らかに肉やキャベツではなく、柔らかめで、噛み締めると旨味があった。
食感だと中華クラゲだが、味はイカやあたりめのような。メンマやホルモンでもないし…聞いておけばよかった。
謎を探るべく、というか系列店の味も確かめたくて、地元のオリジン弁当、正しくは『キッチンオリジン』で、
「回鍋肉」単品430円を購入してみた。袋を持参したので、有料の手提げ袋はもらわなかったが、
容器はすげえ熱々で、手では持てないレベル。袋代3円をケチると、エライ目に遭うよ。


フタを開けて再度撮影。“1日に必要な野菜の半分使用”らしく、野菜不足の私に最適。


ただし、オリジン回鍋肉は豚肉、キャベツ、ネギ、ピーマンだけで、謎の食材は入っておらず。
商品名がホイコールではないように、レシピも違うようで、私は東秀の方がウマいと思った。

その日の夕方、千歳烏山の図書館に用事があり、帰りにこれまた系列店の『れんげ食堂Toshu』烏山西口店を訪問。
入ってすぐの席に座ったら、アナログおやじには面倒な、タッチパネル注文専用席であった。


タッチパネルは不慣れだし、奥の席では口頭注文できたので、そっちに座ればよかった。
卓上にあったメニューから、東秀田無店と同じ面を撮影。たぶん料理も価格も一緒だと思う。


「ホッピーセット」390円と、ここでも「ホイコール」540円を注文。年齢的に、一日2度の回鍋肉はキツイ。
まずはホッピー、続いてホイコールが到着。お皿にはれんげ食堂のロゴが…今確認したら、東秀田無店のお皿にも入ってたか。


東秀では撮らなかった横アングルも。今日はひとり飲みなので、じゅうぶんすぎる量だ。


食材は東秀と同じ、豚肉、キャベツ、ネギ、ピーマンに、赤と黄のパプリカ(←さっきのコピペ)。
タレなどの味付けもおそらく同じで、当然ウマかったのだが、「謎のなにか」は発見できず。
田無店オリジナルレシピの食材なのか、私の気のせいだったのか。どうも後者の可能性が高い。
それでも、すぐに焼酎が飲み終わり、「中」160円を追加。新しいジョッキで出てきた。


運んできたのは、マジメそうな若い女性。さすがは世田谷区、立川市の飲食チェーンとは大違いだ。
ただし、タッチパネル画面や機器の裏側などは、めちゃくちゃ汚かった。
お姉さん、食器を下げる際は、その辺もちゃんと綺麗にした方がいいよ。
なお、この日はシメの食事も食べたので、れんげ食堂については、また改めて語りたい。

れんげ食堂は、「東秀のおしゃれバージョン」のような位置づけと聞いたことがあるが、
HPによると、東秀のトップ画像コピーは「中華の定番をリーズナブルに楽しむ」で、
れんげ食堂は「美味しい中華を楽しむ居心地の良い食堂」となっている。明確な違いはないような。
れんげ独自のセットはあるようだが、さっきも書いたように、基本の料理の味や価格は、変わっていない模様。
接客も、れんげの女性店員さんは好印象だったが、東秀のおばちゃんだって愛想がよかった。
悪いイメージしかない『ワタミ』が、屋号を変えるのはわかるが(やってることは、アレフに改名したオウムと一緒)、
東秀って別にヘマしてないよね? していないから、れんげ食堂「Toshu」と名乗っているのだろうし。
会計時、例の女性に東秀との違いをたずねたところ、「ほとんど同じだと思います」とのことだった。
レシートをもらったけれど、やはり東秀ロゴではなかった。


私が「オリジン弁当」と呼んでいる店舗も、どんどん『キッチンオリジン』に替えているそうだが、
ホイコールだけでなく、青春の思い出(笑)も詰まっている、東秀がなくなってしまうのはさみしい。
親会社のイオンさん、ラスト東秀の田無店だけは、このまま残してください!



中華東秀 田無店
東京都西東京市田無町2-1-1
西武線田無駅から徒歩約1分
営業時間 11時~21時半 21時15分ラストオーダー
定休日 基本なし
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スープの黒さより価格に驚く 八王子『ちとせ』

2023年03月06日 | 中華食堂
近年、母校野球部が試合をする球場は、八王子と神宮にほぼ固定されている。
先日、春季都大会の組み合わせが発表されたが、初戦から決勝まで、6試合すべて八王子だった。
JR八王子駅からのアクセスが良くないため、個人的にはあまり好きな球場ではないのだが、
2年前の夏にまとめて紹介したように、市内の飲食店は層が厚いので、帰りの食事は楽しみだ。

今回タイトルのお店『ちとせ』は、昨年の春大会観戦後に初めて利用した中華食堂である。
高校時代、同級生が近所に住んでいたので、存在自体はだいぶ前から知っていたが、入店経験はなし。
当時は、ラーメン専門店が増え始めた頃で、いわゆる街中華の魅力に気づかなかった。未成年ゆえ、一杯やろうとも思わなかったし。
昔から変わらぬ、黄色いテント看板がちとせさんの目印。


店内はL字カウンター席のみ、働いているのはお母さんと、息子さん夫婦。
お母さんは補助に回り、調理はほぼ息子さん夫婦が担当。奥様も鍋を振るので提供はスピーディー。
息子さんはバイクで出前もこなしている。長年使用していると思われる、焦げ茶色の出前用お盆が渋い。


メニューはこちら。縮小してあるので見にくいだろうが、「ラーメン」430円など、どの商品も安い。


ネットで調べてみたところ、どうやら15年くらいお値段据え置きの模様。
最近の諸経費の高騰はもちろん、そもそも消費税率も変わっているのに、いいのだろうか。
初訪問時はまず、唯一の酒メニュー「ビール」500円に、「自家製ギョウザ」350円と「ワンタン」450円をオーダー。
キリンラガーの中瓶を飲んで待つこと数分、屋号と電話番号が記されたお皿に乗せられた餃子と、


同時に出すべく調理したと思われる、ワンタンが入った丼がやってきた。


餃子は1人前5個。野菜とお肉は半々だが、肉の主張がやや強めで、醤油などの調味料ナシでもイケる。
一方のワンタンは、刻み玉ねぎと青菜と一緒に、黒スープの中に沈んでいる。
「八王子ブラック」とも称される真っ黒なスープが、ちとせさんの特徴である。
富山ブラックと呼ばれる富山県のラーメンは、結構しょっぱいらしいが、こちらのスープは、
さっき載せたメニュー表の左上で、「大豆と小麦の発酵熟成による自然色であり、塩分もひかえめ」と説明。


ロクに仕事もしておらず、愛想も人相も悪いため、近隣住民には相当嫌われていそうな私だが、
スープも人間も、「見た目だけで判断してはいけない」のである。一緒にされては、ちとせさんも迷惑か。
しょっぱくないとはいえ、醤油由来の旨味や、魚介ダシと合わさった、独特のほろ苦さも感じられる。
色自体も濃いため、白かったはずのワンタンも、画像のように茶色く染まる。


ワンタン自体は、お肉少なめの昭和スタイルで、以前食べた「ひもかわうどん」のようにズルズル啜った。
ビールを2本飲み終え、シメのお食事として、中華屋さんでは珍しい「開花丼」600円をチョイス。
玉子でとじられた具材が、手際よく丼に盛り付けられ、お新香とともに提供される。


他人丼とも呼ばれる開花丼は、牛肉の場合もあるが、こちらは豚肉。「肉野菜炒め」などでも使用するからね。
お肉は火が通り過ぎておらず、ちょうどいい煮え具合で、ダシも程よく効いている。


残っていたワンタン黒スープと一緒にたいらげ、食後は当然満腹に。これで600円は安すぎる。
あとで知ったが、こちらの店主はお蕎麦屋さんで修業したらしい。だから丼ものもウマいのか。

数ヶ月後、夕方の時間帯に2度目の訪問。中休みがないのはありがたい。
今回も最初にビール、おツマミとして、写真の「スタミナ炒め」550円をオーダー。


「肉多めの野菜炒め、ニンニク風味」というスタイル。確かにスタミナがつきそうだ。
ご飯にも合いそうな濃い味付けで、ビールが進んでしまい、すぐにもう1本お替わり。


食欲増進効果があるとされるビールだが、最近はトシのせいか、お腹が膨れてしまう逆効果も。
なので早くもシメのお食事。前回から気になっていた、「カレーラーメン」480円を注文。ラーメン+50円とは破格だ。
ただし、同じ八王子市の『いち川食堂』のカレーそばのように、醤油ラーメンにカレーをかけるのではなく、
丼にカレーのスパイスらしきものを混ぜて作成するようで、見た目はほぼ、醤油ラーメンと同様のブラック仕様。


よ~く見ると、スープの周辺(輪郭)がうっすらと黄色いが、カレーの香りもそれほど強くない。
ただ、スープを飲んでみると、予想以上にスパイシー。辛さは変更できるようだが、標準でも結構ピリっとくる。
麺はカレー色…ではなく、さっきのワンタンと同じく、漆黒スープの色に染まっている。


具材は、上記画像右下のうずらの他、玉ネギ、絹さや、メンマ、ノリ、チャーシュー。たぶん、普通のラーメンも同様だろう。
特筆したいのがチャーシュー。昭和チックなパサパサの味気ないヤツかと思いきや、
バラ肉を濃い味付けで煮込んでおり、とろけるように柔らかく、しかも抜群にウマい!

※あと、レンゲがかわいい

カレーの印象が薄かったので、次回は「小カレー」ライス350円と麺類を頼もうと決意。
いつもそうなのかはわからないが、夕方の時間帯は出前注文が多く、何度も電話がかかってきた。
前回と違う席に座ったので、レジ下に配置されている、現役稼働中の黒電話をズームで撮影。


電話を受け、素早く調理し、息子さんが出かけていく…のが何度も繰り返されるため、
厨房真横のドアは常に開きっぱなしで、正直寒かったのだが(苦笑)、働いている皆さんは暑いだろうからガマンだ。

そして昨日の日曜日。ランチタイムを過ぎた14時台に、3度目の訪問。
そんな時間にもかかわらず、店外には行列ができていた。人気あるんだなあ。
前の客が入店し、私が列の先頭になったところで、初めて間近で見た入口ノレンを、思わず撮影。


数分後、食べ終えた先客に代わり私も着席。今回は醤油スープ以外を試したくて、
「五目そば」650円か「みそチャーシュー」750円かで悩んだ挙句、五目そば+小カレーのセットを注文。
塩スープ好きで五目そばマニアでもある私が、浮気しようとした理由は、さっき絶賛したチャーシューの存在である。
豚コマだけでチャーシューが入らない場合もある五目そばだが、こちらのは…おお、ちゃんと入っていた!


同時に提供された、小カレーとの画像はこちら。小カレーは、ハーフどころか3/4くらいはありそう。


五目そばは、キャベツ、モヤシ、人参、玉ネギ、椎茸などの野菜類に、チャーシュー、豚肉、ナルト、ゆで玉子、
さらには伊達巻きにお麩と、五目どころじゃないたくさんの具材を、塩スープでまとめている。
麺はカレーラーメンと同じ中細麺。さっき書き忘れたけど、歯応えのある良質の麺だよ。
薄緑の塩スープも、黒い醤油スープのように塩分控えめだと思うが、デカい椎茸から、ダシがかなり出ている。


いろんなお店で五目そばを食べてきたが、椎茸がメイン(?)なのは珍しいね。
カレーソースは、具材少なめのどろっとしたタイプで、五目そばのスープを混ぜて、少し伸ばしてみた。
ついでに、玉子などもゲスト参戦。伊達巻きカレーって、かなり斬新だよね。


具だくさん五目そばと、全然小じゃない小カレーで、すっかり満腹になったが、お会計は千円ポッキリ。
食べログなどでは、黒いスープばかりが強調されているが、こちらの最大の特徴は、長年変わらぬ安価である。

黒いスープのラーメンや、黒電話で受ける出前で人気を博しているちとせさんだが、
こんなに安くてお店の収支が黒字になるのか、余計なお世話だろうけど、少々気がかりである。
3月に入り、またまた食材の値段が上がった。どうか無理せず、時勢に見合った価格で営業を続けてほしい。

<おまけ> お店近くの石材店にいたドラちゃん石像



ちとせ
東京都八王子市南新町8
JR八王子駅より徒歩約13分
営業時間 11時~20時
定休日 土曜
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