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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

スープの黒さより価格に驚く 八王子『ちとせ』

2023年03月06日 | 中華食堂
近年、母校野球部が試合をする球場は、八王子と神宮にほぼ固定されている。
先日、春季都大会の組み合わせが発表されたが、初戦から決勝まで、6試合すべて八王子だった。
JR八王子駅からのアクセスが良くないため、個人的にはあまり好きな球場ではないのだが、
2年前の夏にまとめて紹介したように、市内の飲食店は層が厚いので、帰りの食事は楽しみだ。

今回タイトルのお店『ちとせ』は、昨年の春大会観戦後に初めて利用した中華食堂である。
高校時代、同級生が近所に住んでいたので、存在自体はだいぶ前から知っていたが、入店経験はなし。
当時は、ラーメン専門店が増え始めた頃で、いわゆる街中華の魅力に気づかなかった。未成年ゆえ、一杯やろうとも思わなかったし。
昔から変わらぬ、黄色いテント看板がちとせさんの目印。


店内はL字カウンター席のみ、働いているのはお母さんと、息子さん夫婦。
お母さんは補助に回り、調理はほぼ息子さん夫婦が担当。奥様も鍋を振るので提供はスピーディー。
息子さんはバイクで出前もこなしている。長年使用していると思われる、焦げ茶色の出前用お盆が渋い。


メニューはこちら。縮小してあるので見にくいだろうが、「ラーメン」430円など、どの商品も安い。


ネットで調べてみたところ、どうやら15年くらいお値段据え置きの模様。
最近の諸経費の高騰はもちろん、そもそも消費税率も変わっているのに、いいのだろうか。
初訪問時はまず、唯一の酒メニュー「ビール」500円に、「自家製ギョウザ」350円と「ワンタン」450円をオーダー。
キリンラガーの中瓶を飲んで待つこと数分、屋号と電話番号が記されたお皿に乗せられた餃子と、


同時に出すべく調理したと思われる、ワンタンが入った丼がやってきた。


餃子は1人前5個。野菜とお肉は半々だが、肉の主張がやや強めで、醤油などの調味料ナシでもイケる。
一方のワンタンは、刻み玉ねぎと青菜と一緒に、黒スープの中に沈んでいる。
「八王子ブラック」とも称される真っ黒なスープが、ちとせさんの特徴である。
富山ブラックと呼ばれる富山県のラーメンは、結構しょっぱいらしいが、こちらのスープは、
さっき載せたメニュー表の左上で、「大豆と小麦の発酵熟成による自然色であり、塩分もひかえめ」と説明。


ロクに仕事もしておらず、愛想も人相も悪いため、近隣住民には相当嫌われていそうな私だが、
スープも人間も、「見た目だけで判断してはいけない」のである。一緒にされては、ちとせさんも迷惑か。
しょっぱくないとはいえ、醤油由来の旨味や、魚介ダシと合わさった、独特のほろ苦さも感じられる。
色自体も濃いため、白かったはずのワンタンも、画像のように茶色く染まる。


ワンタン自体は、お肉少なめの昭和スタイルで、以前食べた「ひもかわうどん」のようにズルズル啜った。
ビールを2本飲み終え、シメのお食事として、中華屋さんでは珍しい「開花丼」600円をチョイス。
玉子でとじられた具材が、手際よく丼に盛り付けられ、お新香とともに提供される。


他人丼とも呼ばれる開花丼は、牛肉の場合もあるが、こちらは豚肉。「肉野菜炒め」などでも使用するからね。
お肉は火が通り過ぎておらず、ちょうどいい煮え具合で、ダシも程よく効いている。


残っていたワンタン黒スープと一緒にたいらげ、食後は当然満腹に。これで600円は安すぎる。
あとで知ったが、こちらの店主はお蕎麦屋さんで修業したらしい。だから丼ものもウマいのか。

数ヶ月後、夕方の時間帯に2度目の訪問。中休みがないのはありがたい。
今回も最初にビール、おツマミとして、写真の「スタミナ炒め」550円をオーダー。


「肉多めの野菜炒め、ニンニク風味」というスタイル。確かにスタミナがつきそうだ。
ご飯にも合いそうな濃い味付けで、ビールが進んでしまい、すぐにもう1本お替わり。


食欲増進効果があるとされるビールだが、最近はトシのせいか、お腹が膨れてしまう逆効果も。
なので早くもシメのお食事。前回から気になっていた、「カレーラーメン」480円を注文。ラーメン+50円とは破格だ。
ただし、同じ八王子市の『いち川食堂』のカレーそばのように、醤油ラーメンにカレーをかけるのではなく、
丼にカレーのスパイスらしきものを混ぜて作成するようで、見た目はほぼ、醤油ラーメンと同様のブラック仕様。


よ~く見ると、スープの周辺(輪郭)がうっすらと黄色いが、カレーの香りもそれほど強くない。
ただ、スープを飲んでみると、予想以上にスパイシー。辛さは変更できるようだが、標準でも結構ピリっとくる。
麺はカレー色…ではなく、さっきのワンタンと同じく、漆黒スープの色に染まっている。


具材は、上記画像右下のうずらの他、玉ネギ、絹さや、メンマ、ノリ、チャーシュー。たぶん、普通のラーメンも同様だろう。
特筆したいのがチャーシュー。昭和チックなパサパサの味気ないヤツかと思いきや、
バラ肉を濃い味付けで煮込んでおり、とろけるように柔らかく、しかも抜群にウマい!

※あと、レンゲがかわいい

カレーの印象が薄かったので、次回は「小カレー」ライス350円と麺類を頼もうと決意。
いつもそうなのかはわからないが、夕方の時間帯は出前注文が多く、何度も電話がかかってきた。
前回と違う席に座ったので、レジ下に配置されている、現役稼働中の黒電話をズームで撮影。


電話を受け、素早く調理し、息子さんが出かけていく…のが何度も繰り返されるため、
厨房真横のドアは常に開きっぱなしで、正直寒かったのだが(苦笑)、働いている皆さんは暑いだろうからガマンだ。

そして昨日の日曜日。ランチタイムを過ぎた14時台に、3度目の訪問。
そんな時間にもかかわらず、店外には行列ができていた。人気あるんだなあ。
前の客が入店し、私が列の先頭になったところで、初めて間近で見た入口ノレンを、思わず撮影。


数分後、食べ終えた先客に代わり私も着席。今回は醤油スープ以外を試したくて、
「五目そば」650円か「みそチャーシュー」750円かで悩んだ挙句、五目そば+小カレーのセットを注文。
塩スープ好きで五目そばマニアでもある私が、浮気しようとした理由は、さっき絶賛したチャーシューの存在である。
豚コマだけでチャーシューが入らない場合もある五目そばだが、こちらのは…おお、ちゃんと入っていた!


同時に提供された、小カレーとの画像はこちら。小カレーは、ハーフどころか3/4くらいはありそう。


五目そばは、キャベツ、モヤシ、人参、玉ネギ、椎茸などの野菜類に、チャーシュー、豚肉、ナルト、ゆで玉子、
さらには伊達巻きにお麩と、五目どころじゃないたくさんの具材を、塩スープでまとめている。
麺はカレーラーメンと同じ中細麺。さっき書き忘れたけど、歯応えのある良質の麺だよ。
薄緑の塩スープも、黒い醤油スープのように塩分控えめだと思うが、デカい椎茸から、ダシがかなり出ている。


いろんなお店で五目そばを食べてきたが、椎茸がメイン(?)なのは珍しいね。
カレーソースは、具材少なめのどろっとしたタイプで、五目そばのスープを混ぜて、少し伸ばしてみた。
ついでに、玉子などもゲスト参戦。伊達巻きカレーって、かなり斬新だよね。


具だくさん五目そばと、全然小じゃない小カレーで、すっかり満腹になったが、お会計は千円ポッキリ。
食べログなどでは、黒いスープばかりが強調されているが、こちらの最大の特徴は、長年変わらぬ安価である。

黒いスープのラーメンや、黒電話で受ける出前で人気を博しているちとせさんだが、
こんなに安くてお店の収支が黒字になるのか、余計なお世話だろうけど、少々気がかりである。
3月に入り、またまた食材の値段が上がった。どうか無理せず、時勢に見合った価格で営業を続けてほしい。

<おまけ> お店近くの石材店にいたドラちゃん石像



ちとせ
東京都八王子市南新町8
JR八王子駅より徒歩約13分
営業時間 11時~20時
定休日 土曜
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