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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

こんなところにポツンと良店! 豊田『味風』

2024年01月02日 | 中華食堂
読者の皆様、明けましておめでとうございます。2024年も拙ブログを、よろしくお願いします。

今年も新年一発目は、自信を持って推奨できる、とっておきの飲食店を紹介。
そのお店とは、豊田にある『味風(みかぜ)』。正式名は『蒸し料理とワインの店 味風』だが、メインは中華料理。
ただし、普通の中華屋さんの商品とは、見た目や味が異なる料理を提供しており、しかもそれが、ことごとく美味しい
たとえば、こちらのセイロに入った商品。一見、中華風デザートのようだが、


こちらでは、これが「揚げ餃子」なのである。価格は540円。


皮というか外側の部分は、最初はサクっと、その後はモチっとした食感が楽しめ、具材はひき肉が主体。 
ピロシキっぽいのだが油っこくなく、むしろ軽く感じたため、何個でも食べられる逸品である。

お店を知ったのは昨年秋頃。『トヨチカ』で飲んだ帰り、豊田駅とは逆方向に向かい、あてもなく彷徨っていると、
比較的新しい商業施設の端っこ、他の店舗などとは独立した場所に、飲食店があるのを発見。
定休日だったが、メニュー表が展示されており、気になる商品がいくつかあったので、数日後に再訪問。

店内は町中華というより、喫茶店のような作り。女将さんに案内され、カウンター席へ。
まずは、味風さんの主要料理メニューを紹介。こちらは、お店自慢の蒸し料理が多い【飲茶】。


こちらは、【本格中華料理】【食事】【デザート】。この他にも【おつまみ】や、揚げ餃子を含む【揚げ物】などもある。


まずは生ビールの「アサヒスーパードライ(中)」590円を注文すると、お通し(250円)と一緒に登場。


左はひじきと豆の煮物だが、右は枝豆の紹興酒煮という、ちょっと変わった一品。
食べてみたら、紹興酒のアルコール分や癖はなく、芳香だけが残っている。
この枝豆で期待が膨らみ、いろいろと食べてみたら、さっき記したように、どれも美味しくハズレなし。
その後も通い続け、結構な数の料理を食べてきたが、すべてを紹介すると長くなってしまうので、
特に感激したメニューを厳選し、以下で掲載していく。

まずは、私が大好きな餃子から。普通の焼餃子が見当たらないので、「水餃子 ピリ辛ごまダレ」580円を選択。
茹でた餃子に、オレンジ色のタレをかけ、青梗菜を添えてある。


チュルンとした皮の歯触が素晴らしく、具材の味とタレの辛さは控えめで、合わさるとちょうどいい塩梅。
この水餃子とさっきの揚げ餃子で、「ここの大将は天才かも…」と思ったものである。
そんな凄腕料理人がいるお店を見つけた、私の嗅覚も天才的だな、ムフフフ……ゴメン、調子に乗った。

餃子類ではもう一品、「エビニラ餃子」540円も注文。ニラの緑色が透けて見える。


中身の撮影は失敗したので割愛。ニラの風味が強く、海老の印象は薄かった。

餃子のライバルである焼売=「ジャンボ旨肉焼売」は390円。


「豚のテーマパーク」として有名な、埼玉『サイボク』の豚肉を使っており、品質は折り紙付き。


しっかりとした味付けと歯応えで、実に肉々しく、サイズの割には安価である。

揚げ物カテゴリーから、点心の「春巻」380円もオーダー。


ハシで割ってみたが、片栗粉主体の既製品とは一線を画す、豊富な具材。


蒸し料理がウリだが、揚げ物にも手抜きはなく、皮のパリパリ食感、具材の旨味、ともに申し分なし。
あと、皆さんもお気づきだろうが、どの商品も形がしっかり整っている
あまりにも均等な成型なので、失礼ながら、商品によっては「工場生産の業務用?」と疑ってしまったが、女将さんいわく、
「手間はかかりますが、(店主は)成形までキッチリしないと気が済まない人でして…」と、すべて自家製らしい。
大将は、来客者には「いらっしゃいませー」と声掛けするが、普段は厨房からあまり出ず、黙々と調理や仕込みに励んでいる。
いかにも頑固職人風なのだが、それは誤解であったので、後述する。

ドリンクはワインの他にも、各種焼酎や日本酒、「ウーロンハイ」480円なども用意されている。
私はだいたい、最初にビール、次にウーハイを頼むが、ある日「レモンサワー」480円を頼んだら、
自家製レモンピールが添えられていた。ドリンクにも、ひと手間加えているのはさすがである。


ある日、せっかくなのでワインも注文。一番安い【日本ワイン】の「大和葡萄酒GOLD 白」のグラス500円。


感想は、ワインの知識がないため省略。その前に結構飲んでいたので、ベロベロに酔ってしまった。反省。
なので、その次の訪問時は、同じ白ワインのデカンタでスタート。価格は1500円。


この日注文した料理で、ワインと好相性だったのが、12月限定メニューの「蒸しハンバーグ 中華風ソース」630円。


上記画像ではわかりづらいが、焼きでも煮込みでもない、珍しい蒸しハンバーグは、柔らかくも弾力のある食感で、
中華風と称するソースも、醤油主体だけど別の調味料も入っており、洋風料理じゃないけどワインにも合い、そして美味しいのだ。
あと、メニュー表には記載されていなかった、半熟玉子の存在が嬉しい。これで630円はお得だよ。


今書いたように、味風さんは月ごとの限定商品がある。こちらは11月のメニュー表だが、


本格中華カテゴリーに、私の好物「豚肉・玉子キクラゲの炒め」の「ピリ辛」仕上げがあったので、当然オーダー。
炒め物はセイロではなく、四角い大皿で登場。


豚肉とキクラゲは、チンジャオロースに入るような形状で、同型のタケノコも入っている。


とろみのあるピリ辛タレで、玉子や他の具材をまとめており、お酒のつまみに最適。
私が野菜嫌いなもので、お肉料理の紹介が続くが、こちらはレギュラーメニューの「豚角煮 マスタードマッシュポテト」880円。


横アングル撮影。角煮は、一般的なレンゲにちょうど収まるサイズ。


角煮には、さっきのハンバーグソースと同じく、醤油ベースで味付けされているが、何か隠し味も加わっている。
「醤油麹の角煮らーめん」というランチメニューがあり、この角煮にも醤油麹を使っているのかも。麹菌のお陰か、肉質は柔らかく旨味も増幅。
マッシュポテトは本当にマスタード風味で辛く、ジャガイモや豚角煮の甘味を引き立てる。

どの料理も美味しいが、この角煮がナンバー1かと思っていたが、さらに超えたのが麻婆豆腐。
商品名は「陳麻婆豆腐(辛)」880円で、辛マークにビビりつつも、注文してみた。
数分後、取り皿や胡椒とともに、グツグツと煮立っている麻婆豆腐が登場。


「熱いのでお気をつけください」の忠告どおり、取り皿にすくって、少し冷ましてから食べる。
それでも、麻婆由来の辛さと、山椒由来の痺れが口内で暴れる…けれどもウマい!


あまりの辛さとウマさで、ウーロンハイがどんどん進んでしまいそう。
なので、忙しい女将さんの二度手間にならぬよう、2杯同時に注文。


それもすぐに飲み終え、最後にワインも頼んでベロベロになった…のは既述した。

メインの料理だけでなく、デザートもしっかりしている味風さん。
こちらは、「中華蒸しパンマーラーカオ カスタードクリーム味」250円。


中身は、黄色どころかオレンジに近い、色鮮やかだけど甘さ控えめなカスタードクリーム。


ひとり客なので1個しか頼まなかったが、手間を考えたら複数個頼むべきかも。
私の好きな杏仁豆腐も、こちらでは「麹甘酒ときなこの杏仁豆腐」380円と、やはりアレンジを加えての提供。
商品はこちら。手前のスプーンにきなこが盛られており、「そちらをかけてお召し上がりください」と説明された。


指示に従い、まずはきなこを振りかけて、


上の麹甘酒シロップ(?)とよくかき混ぜて、杏仁豆腐をすくって食べる。


信玄餅のようなテイストを想像したが、麹甘酒は黒蜜ほど甘くないため、杏仁の香りも相まって爽やかだった。

ある日の会計時、たまたま厨房から出てきた店主と、少しだけお話しさせていただいた。
こちらの店主は、このとき店名を出したが詳細は不明だった、豊田の『杏花飯店』出身らしい。
「飯店」を名乗るだけあって、今の味風さんと同様、町中華よりは本格的な料理を提供していたようだが、
店主は「働いていた先輩たちはすごいけど、当時の自分は下っ端で、たいしたことないですよ」と謙遜する。
ここの料理は、どれも個性的で美味しいです、と絶賛したところ、「独自の手法もありますが、基本は杏花飯店で習ったものです」だそうで、
「ピロシキ風の揚げ餃子も、ロシアから中国の北方に伝わったもので、私のオリジナルではないんです」とのこと。
飲茶類の成型も、ひとつひとつ丁寧ですね、という感想には、「イヤイヤ、よく見たらそんなにきれいじゃないですよ」と否定するが、
今回紹介した以外にも、私は多くの料理を食べてきたが、成型も盛り付けも、すべて手抜きなし。
頑固で寡黙な職人ではなく、謙虚で陽気な方だったのに驚くと同時に、ますますお店のファンになった。

今回は泣く泣く削ったが、「小籠包」や「スープ水餃子」など、紹介したい料理はまだまだあるし、ご飯ものや麺類などの未食メニューも多い。
さらには、お店SNSによると、焼き餃子などの裏メニューもあるようだし、店主や女将さんにもたずねたいことは多い。
味風さんについて、後日続編を綴るかもしれないし、いずれにせよ私は、今後もこちらに通わせていただく。

最初の方で記したように、こちらのお店は『トゥモロープラザ』という施設内にあるのだが、大通りからはもっとも奥の位置にある。
周囲は子供用広場や畑があるエリアで、酒が飲めて絶品料理が出てくるお店があるなんて、気付かない方も多いはず。
なので、通りから入ってすぐの場所には、下記のように“こんなところにポツンと酒場”のノボリを出している(笑)。


勝手ながら、今回のタイトルに、上記コピーを拝借させていただいた。



蒸し料理とワインの店 味風
東京都日野市多摩平3-1-1 TomorrowPLAZA107
JR豊田駅から徒歩約8分、店舗近くにバス停あり
営業時間 11時半~14時半、17時~22時、ラストオーダー21時
定休日 月、隔週で火、その他年末年始など
※定休日などの詳細は、お店HPでご確認を

※※年明けは、4日からの営業です
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