某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

公文書は平易に。アメリカの新法。

2010-11-12 19:38:38 | ぼやき
 先月、オバマ大統領が The Plain Writing Act of 2010.(平易な文章法 2010年)という新法に署名したとABCニューズが伝えていた。この法律で規制されるのは公文書だけだが、有難い。社会全体に文章をやさしく書く動きが出るだろうから、私も少しは楽に英語を読めるようになるだろう。
 例にあがっていた文章が面白い。
 The aquatic vertebrate propels forward, manipulating its complex musculature.(水生脊椎動物が筋組織を操って前進する)。聞いただけでは意味がとれない。こんなご大層な単語を並べて、一体何のことだろう、と思うが、別の書き方をすると
 The fish is swimming.(魚が泳いでいる)。中学一年生でもわかる。
 もうひとつ例をあげていた。高齢者医療保険の通知の文面だという。
 Investigators at the contractor will review the facts in your case and decide the most appropriate course of action...(調査担当者が貴殿の事案における経緯を検討し適切な方策を決定...)
 これが、We will find out if it was an error or fraud.(手違いかどうか確認します) となる。短いし聞いてすぐわかる。
 日本でも役所の文章の無意味な難解さ、法律用語の奇妙さと悪文は昔から批判軽蔑の対象だった。しかし、それを逆に自慢する法学部教師もいる。高校生への進学説明会で「遺言は法律用語では いごん という。ゆいごん などというのは法律を知らぬ者だ」と威張っていた。法律の方が間違っているのに、それを専門家気取りで威張る。法律屋はやだな、とつくずく思った。
 アメリカのこういう姿勢は日本も見習うべきだろう。もともと、イギリス語に比べてアメリカ語は単語も構文もやさしかったが、それがもっと楽になるかもしれない。それが文意不明瞭になっては困るが、それは別の問題だろう。この動きは、英語がもう英米だけの言語では無くなったことの表れともとれる。ブロークン英語万歳!
 それにしても、こういうことまで法律できめるとは。何か問題がありそうな気がするね。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アイルランドの経済危機 | トップ | アメリカは日本を見限った? »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ぼやき」カテゴリの最新記事