潮州の輪タク
大陸で初めて輪タクに乗ったのは大連市内。当時は満鉄100年という企画で、文春の撮影だった。大連の街をロケハンする時にタクシーだと速度が速すぎて見逃す風景も多いが、輪タクだと歩く速度より早いのでとても便利。しかも、何処にでも止める事が出来て駐車出来る利便性がある。大連の輪タクは屋根なしだったので、リアカーにそのまま乗るのだ。上の画像は潮州の輪タクだが、他都市の輪タクと違って屋根があり折たたみ式になっているのは雨の多い気候に合わせているからだ。値段はおよその距離で決まるのだが、交渉できるし一日チャーターも出来る。
輪タクは主要観光地にたむろしているだが、私は運転手の顔と目を見て決める。これは、自分が人を見る勘を養うには良い訓練になる。これはと思う人を選び、短距離を走ってもらい金を払う。この時の態度でだいたいその人の人格がわかるので、その人が良ければさらにお願いすれば良し、だめだったら他の輪タクに乗り換えれば良いだけの話。つまり相手を試している訳だ。
この相手を試していると言うと、一度だけ日本人から嫌な顔をされた事がある。その人は人を試すのは良くないと言うのだが、人間は生まれてからずっと試されていると思って良い。学校の試験もそうだし面接もそうだろうし、知能テストまでやらされる事もある。会社だって入社試験や面接もあれば試用期間もある。これが大陸では日本よりもっと試されていると思って間違いない。性悪説が当たり前の大陸では、騙された方が悪いからだ。人を選ばないと出来る事も出来ないし、負の座標軸に落とされると這い上がる事も大変になる。ダメだと思ったら相手とは関わらない覚悟は持っておいた方がイイネ。世間でいう「良い人」には、ならなくても良いのだ。
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