超珍品のテーブルに置けない酒杯
先週の日曜日にいつもお世話になっている老師に誘われて、骨董品の鑑定現場に行き本物を見て触ってお勉強。当日の午後に、とある建物の3階の一室へ入るとすでに数人の鑑定人と店のオーナーを含め十人がテーブルを囲んでいた。自由に触って撮影しても良いと言われたのだが、手のひらに乗る小さな器一個で億ションが10棟買える物や、それ以上の物もあるので値段を聞いて腰が引けてしまった。中国の各時代の陶器の特徴や長く土に埋もれていた場合の変化の違いなど色々と教わりながら、私も50倍のルーペでその特徴である気泡や色を自分で確認。
鑑定中
前世紀の東京で私は西洋骨董のカタログ撮影を数年間やっていた事があり、ガレやマイセンやミューレなど様々なヨーロッパの本物に触れた事があった。その時に偽物の見分け方なども含め様々な事をイラン人から教えてもらった経緯がある。撮影の時、一番緊張するのがその骨董品を持って撮影台に移動する時。特にマイセンは細工が細かいので一番注意が必要。
何事も本物を見るという事はとても大事で、本当に良い物をずっと見て触っていると偽物を見た瞬間に気づく事も多い。視覚だけでなくすべての五感で物を見るクセをつけると、自然と何事も感覚的にある程度読める場合が多い。今やガレなんて、ルーマニアガレや台湾ガレなど精度の高い偽物がありプロでも見分けがつかないものが出回っている。
日本に帰ると「なんでも鑑定団」を必ず見ているのだが、私が見たその番組の中で中国の骨董品が本物だった事は一度もない。本物があれば必ず偽物があるのが中国なので、中国骨董と名がつく物は気をつけた方が良いよ。
Summrit50mm f1.5 α7Ⅱ
中国だと、たとえそれが美術館だったとしても「これってホンモノかなぁ」とついつい疑ってしまう私です。
貴重な一日でした。
北京の故宮博物館に行くより数十倍価値がありましたよ。