この国は民族の大移動が年に2回あり、明日から中秋節と国慶節を含め9月30日から10月7日まで8連休が始まる。本来なら多くの中国人が日本に向け観光旅行に行くはずだったし、日本からの観光客も来るはずだった。今年は両国の旅行業関係者には、イタイ年になってしまった。その中には、日本語で声をかけ善良な日本人を騙す詐欺師や法外な金を請求するボッタクリ喫茶も含まれる。また、この年2回の大型連休は、会社を辞めるきっかけにも使われる。つまり、元の職場に戻って来ない人達が結構いるのだ。
この時期、日系の会社員も多く帰国するので、おそらく本社で今回のデモについて報告が待っている為に駐在員のトップは休日どころではないかもしれない。数日前から色々な分野の人に、ロケの件や他国への工場移転も含め6件ほどメールがあり意見を求められた。答えは、今回の事件以外にも何があるかわからないので、すべてNoと答えた。
おそらく今後、日系の製造業は反日デモ以外にも社内ストと戦わなければならないだろう。あまり物事を深く考えずに行動する人達が異常に多いので、みんなで団結すれば何だって出来ると勘違いした人達が増えたのと、相手が日本であれば何をやっても許されると思い込んでいる人達がかなり増えたはずだ。
この国の市場を考えれば撤退や移転は難しい選択かも知れないが、製造業に限って言えば10年後を考えると、出来るだけ東南アジアの他国へ移転するのがベストかも知れない。それらの国の中には、まだインフラの整備が出来てないかもしれないが、多くの企業が集まればインフラの整備も早まるし、日系企業を守る為には日本がある程度インフラ整備に金を出してもよいのではないかとも思う。リスク分散も含め一国に頼り切るのは絶対に危険だし、今回はそれのよい機会だと私は思う。
3年後、この国はどうなっているんだろうな。
Canon FD50mm f1.4 雲が怪しくていい。淮海路で撮影。