社会空間研究所 建築・まちづくり通信

社会空間研究所の所員が建築・まちづくりに関する情報等を気ままに綴ったブログです。
2007年6月からスタートしました。

祝再刊!『都市のイメージ』

2007-06-30 23:18:43 | 気ままに
先日、本屋で見つけて、すぐに買ってしまった。
そう、僕らの業界にとってはバイブルとも言える『都市のイメージ』。
学生時代に読んだ本としてまず思い浮かぶのがこの本だ。

1968年に発刊されたものは絶版となり手に入れるのは難しく、数年前に洋書を購入したものの、パラパラ読みしかしていなかった(というより「できなかった」)。
装丁はその洋書のペーパーブックと同じ青色が使われている。日本でも、この色が、この本の色として定着していくんだろうか。



「パス」「エッジ」「ディストリクト」「ノード」「ランドマーク」・・・なつかしい。
再刊に寄せて西村先生が書いているように、これらの都市のエレメントは血肉化している感はあるが、リンチの思考の過程を再度読み返して新たな発見をできればと思う。

(oba)
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大分の農産物直売所『ガルテン』

2007-06-29 13:20:19 | デザイン
昨日の夜、NHKで大分の山村の直売所を紹介する番組をみた。

大分県日田市大山町という山村にある直売所「ガルテン」は年間17億円も売り上げるという。
近隣の市町村や近県から、観光バスや自家用車でこの直売所にやってくる。

直売所に農産物を卸す農家は700軒であり、売上が1000万、2000万円を超える農家もたくさんあるという。

ここの特産物は梅と栗であり、かつて(昭和何年代か忘れた)の農協の組合長の進言で梅と栗の作付けがスタートした。
山村であり、平らな土地があまりないことから、梅と栗が地形的気候的に適し、かつ高く売れると言うことではじめたとのこと。
その時のキャッチフレーズは「梅と栗を育ててハワイへいこう!!」(ちょっと違うかもしれないが、とにかく目標はハワイ旅行に行くことである。当時、山村に住んでいる人達にとってハワイに行くのは夢のような話だった)。

はじめは、梅づくりもうまくいかなかったが、試行錯誤の末、この地に適した品種を見つけ、ついにハワイ旅行を実現した。この村はハワイに行った村で有名らしい。

話を直売所に戻すと、ここの直売所の魅力は、品揃えが豊富なこと、農薬を極力使っていないこと、そして味がいいことである。

この味と品揃えを支えているのは、村人の共同体意識である。
一般に農家は、ほかの農家に技術的指導をしないらしいが、ここではうまくいかない農家には、その道の達人がアドバイスにいっている。
大規模農家がないことから、自分だけで成功しても、商品が揃わないので、直売所に継続してお客さんが来ないことをお互い理解している。常に、直売所のお客さんに満足してもらえる商品、多様な農産物を店に並べるためには、村全体のレベルアップと協力が不可欠であることをみんながわかっている。

直売所に農産物を届ける、あばあちゃん、おじいちゃんは元気でいい笑顔だった(もちろん、そうじゃないと絵にならないけど)。

でも、悩みは若者がいないことだそうだ。
一人、梅農家のお嬢さんがいたが、赤い梅づくりに取り組んでいた。

ああ、僕も今週末は梅干しをつけないと。
今年は5kgに挑戦。だが、ちょっと遅くなってしまった感がある。いい梅が手に入るかどうかが問題だ。

野菜の話に戻って、僕の茨城の実家のまわりには農家が多いんだけど、地産地消のシステムがないので、必ずしも地元でとれた野菜が近所で売られているわけではなく、意外に朝どりの新鮮な野菜は口にできないんだよね。
もちろん、時々、近所の人のお裾分けはあるけど。

(山)


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ノマディック美術館

2007-06-23 23:54:35 | 建築
今週末で終わりということで、青海で3月から開催されている、というか設置されているノマディック美術館に慌てて行ってきた。





この美術館は、坂茂設計の移動美術館。
ニューヨーク、サンタモニカ、そして東京が3ヶ所目。
特徴的なのはコンテナを積み上げられてつくられた壁?
152個のコンテナが使用され、すべて移動先でレンタルされ返却されるとのこと。
残念ながら建物内部の様子は写真では紹介できないが、紙管だという巨大な列柱とトラスがコンテナ間を覆うシートを支えている。
2列に並んだ列柱の間に作品が吊られていて、その間に敷かれた板の通路が奥に設けられた映像スペースに誘導してくれる。
館内には心地よい音楽が流れ、外の暑さを忘れさせてくれるようだった。

作品はカナダ出身のグレゴリー・コルベールというアーティストによるもので、世界各地の未開の土地で撮られたというセピア色の写真。人(主として子ども)と動物の交流・共存をモチーフにしたもので、人と動物が対等、もしくは動物の方が上?という関係を表現できるような視点で撮られたもののようだ。未開の地で撮影されていることも何だか訴えかけられるものがある。
・・・少なくとも僕にはそう感じられた。
同じような写真が並んではいるが、被写体の表情やポーズは一枚一枚異なり、おそらく、個人個人で受け止め方が違うような奥の深い作品なんだろうと思う。
オフィシャルホームページ「ashes and snow」



お昼頃に行ったときはチケットを買うのも入場するのも、ほぼ待ち時間なしだった。
しかし、ヴィーナスフォートで買い物などをして再び美術館の前を通るとびっくり、チケット購入のための列、入場のための列が建物の奥行きくらい長くなっていた。。。

明日までですが、東京・青海でやってます。
最終日なので、早い時間に訪れた方がよいかと。





(oba)
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第2回上原を楽しむ会~サーロインステーキ編~

2007-06-22 23:02:36 | 代々木上原情報
第2回上原を楽しむ会が開催されました。

本日食べたのはサーロインステーキ。ちなみに値段は“時価”。
口にほおばった瞬間に広がる肉汁の甘さが最高でした!


もう一つ
打ち合わせの帰りに代々木上原駅を通ったら、「上原寄席」のチラシを配っていました。
開催は6月23日と明日ですが、上原ではこんなこともやっているんですね。


なかじ


~お知らせ~
川崎で世界一が決まる。
-第3回アメリカンフットボールワールドカップ2007川崎大会-
2007年7月7日開幕/会場:等々力陸上競技場・川崎球場
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昭和レトロの街・青梅

2007-06-17 02:17:16 | まち歩き(東京)
「映画の看板が町中にあふれている」くらいの予備知識だけで青梅を訪れた。

旧青梅街道から青梅駅方向を目指すと、映画の看板が掲げられた街並みが現れはじめる。
車を駐車場に入れ、街を歩いてみた。

観光パンフレットでよく紹介されているのはこのスポット。
昭和のおもちゃやお菓子、ジュースの缶、薬などのパッケージなどが飾られた「昭和レトロ商品博物館」と赤塚不二夫の漫画やトキワ荘時代の写真などを展示した「青梅赤塚不二夫会館」。
昭和レトロ商品館の2Fには、青梅が舞台とされる雪女の部屋もあった。部屋の中では、女性の声で雪女の物語がテープで流されていたが、天気がよかったためか不気味さはあまり感じられなかった。薄暗い部屋でこれを聞かされたら、、、寒気が走りそう。

この2館と少し離れた「昭和幻燈館」の3つの施設をまわって650円の割引券が配られている。
「昭和幻燈館」には、映画看板と昭和の街のジオラマ模型が展示されている。青梅に飾られている映画看板を描いていたのは、久保板観という絵師で、1日1枚ペース、生涯で3000から4000枚の映画看板を描いたとのこと。街中に飾られている映画看板には「板観画」とのサインがついている。ジオラマ模型の作者は山本高樹という造形家。昭和初期の怪しい街の様子や懐かしい青梅の街の様子などのジオラマが多数飾られている。その精巧さと人々の表情にひかれて、その時代を生きていない僕でもちょっとしたタイムスリップ感を味合わせてもらった。

街の中には、外観をレトロ風にして映画看板を掲げた店もちらほら見られるが、そうでない店にもかなり歴史を感じさせる建物が残っている。




なぜ、青梅で映画なのか?
>この小さな街に、最盛期には「青梅キネマ」「青梅大映」「青梅セントラル」の3つの映画館があったからとか。。。今は「キネマ通り」との名前は残っているが、映画館は1つもない。
そして、なぜ、青梅に赤塚不二夫なのか?
>青梅の映画看板がテレビで放映されたのを見て、漫画を書き始める前に新潟で映画看板を描いていた頃を思い出し、そこから青梅との接点が生まれたとのこと。すごい縁である。


昭和レトロ風の街並みから10分ほど西の方へ歩いたところにある都有形民俗文化財の旧稲葉家住宅にも足を伸ばしてみた。
間口が広く、間口一杯に土間がある農村地帯の店という印象だった。

登梁様式というらしく、水平な梁ではなく、垂木に代わる斜めの梁が設けられている。
建築年がはっきりわかる資料は残っていないとのことだが、この登梁様式から江戸時代の後期のものと推測できるということだ。・・・築200年あまりってことか。
それにしても、日本家屋はなんでこんなに涼しいんだろうか。
家の後ろには煙突があり、これは稲葉家とは直接関係のない酒蔵だと教えてもらった。
稲葉家の隣には「OKAZAKISTATION」という酒屋があり、なんで酒屋なのにSTATIONなんだと思ってよくみたら、「此処に駅有りき」という碑が建っていた。なるほど。

これは、旧稲葉家住宅から近い金剛寺の境内にあった「青梅」。この熟しても青いままの梅が青梅の地名の由来だとか。



初めて訪れた街だったが、天気がよかったせいか、すごく楽しく過ごせた街だった。
映画の町おこしに関しては、頑張ってはいるけど、もう少しという印象を受けた。「キネマ通り」がキネマ通りっぽくなかった感があるので、街全体というよりも、とことん映画にこだわった街並みをスポット的でもいいから実現できたら、もっとインパクトがある街になるように思う。・・・各々の生活があるから、そうもいかないのだろうが。

最後に、お昼を食べた駅前のそば屋で、「こんにゃくまつりをやってんだよー」と気前よくこんにゃくをいただいたおじさん(客)に感謝!
このおじさんの存在が、僕の青梅好感度を上げたこと間違いなし。
観光案内所のおじさんにも親切にしてもらったし、旧稲葉家でも管理人さんがいろいろと声をかけてくれた。ほんと、いい人が多い街だった。
気が向いたら訪れてみてください。


P.S.おみやげに「青梅ーのだ」を買いました。お楽しみに。
         ↑バカボンのパパ風に読んでください
(oba)
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北品川駅周辺

2007-06-15 22:25:38 | まち歩き(東京)
水曜日、品川駅から旧東海道の北品川駅、新馬場駅周辺を歩いた。

インターシティを抜けて、屋形船や釣り船が浮かぶ舟だまりを眺めながら旧東海道に。
舟だまりの眺めは写真でもわかるように、インターシティの高層棟がバックに入り絵になる。
このような場所に、粋な飲食店や夏限定ビアガーデンができるといいのだが。
せっかくの水辺がもったいない。
こういったヒューマンスケールの水辺を大事に活かしたい。





旧東海道は間口の狭いお店が並ぶ元気な下町の商店街だった。
最近はグルメの街としても有名らしい。
確かにどのお店もおいしそう。
あいにく、こっちは昨日からお腹をこわしていて、グルメは堪能できなかった。

旧東海道を新馬場駅周辺まで歩いたが、活気のある商店街は山手通辺りまで。
目黒川沿いの荏原神社もよかった。ここは鬱蒼とした緑に覆われ、境内でOLがランチをとっていた。

また、路地横丁が多く古い建物が残り、今でも住んでいるので何か味がある。
一時期はおそらく時代に乗り遅れてしまって、寂れた時期もあったと思われるが、返って古い建物が残ったことで、昨今のようなレトロな感覚がもてはやされる時代になり、それが付加価値になっているところがある。

とにかく、元気な商店街である。
美味しそうな臭いを感じとった。
社員のみなさ~~ん、お腹の調子がいいときにアフターファイブに行きましょう。
どなたか企画を!!








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地方都市雑感

2007-06-12 22:24:25 | 気ままに
先日、両親と共に盛岡市、山形市、米沢市に行って来ました。盛岡市内に祖父母の墓があり、法事に合わせ両親の希望により山形市と米沢市へとまわり、各市に一泊の家族旅行です。両親は高齢のため、レンタカーを借りて市内観光、というより、車で市内をうろうろしてきました。

これまで、地方都市の中心市街地の活性化や街なか居住などの仕事に携わってきましたが、仕事を離れ、一旅行者として地方都市の中心市街地に接することは、なにか新鮮な思いがしました。

わずかばかりの滞在時間で何となく感じた程度の内容で恐縮ですが、3つの都市の中心市街地について、素直な印象を書いてみたいと思います。

印象を一言で言えば、盛岡市は整った美しい街、山形市は洗練されてはいないけれども暖かさを感じさせる街、米沢市はのんびりとした風情と昔を思わせる街、でした。

念のため人口規模を見ると、盛岡市は約29万人、山形市は約25万人、米沢市は約9万人です。盛岡市と山形市はともに県庁所在都市で、米沢市の3倍程度の人口規模。

盛岡市を整った美しい街と感じさせた理由は、街の中を流れる北上川と中津川の存在、城跡を中心に形成されている中心市街地、街の随所から臨む事のできる山並みなど、目に入る景観のどこかに洗練や美しさを感じます。もちろん、他の地方都市と同様に、衰退した印象もありますが。

盛岡市と同様の人口規模で同じく県庁所在都市でありながら、山形市は全く異なり、こじんまりとしていて地味な街です。盛岡市に比べて中心商店街の道路は狭く、コミュニティ道路が整備されているなど、努力の跡が見られますが、空き店舗ばかりが目に付いてしまいました。また、城跡は中心商業地区から離れており、県庁も郊外にありますが、このようなことも影響しているのかも知れません。ただ、街並みや、この街に暮らす人々との距離がとても近く感じられ、夕暮れ時に裏道をうろうろしていると、みそ汁のにおいが漂ってくるような気になる街でした。

以上の都市の三分の一程度の人口規模の米沢市は、「上杉の城下町」としての歴史や「米沢牛」など、観光都市としての性格を持っています。しかしながら、街一番の商店街を歩いても、人通りはとても少なく空き店舗も目立ちます。平日の夕方に一番大きな百貨店に入ってうろうろしてみました。天井は低く建物は古びていますが品揃えは比較的洗練されており、お客さんも多く、少し意外でした。子供の頃、祖母や母の買い物についていき訪れたデパートに、タイムスリップして迷い込んでしまったかのような気分です。また、米沢牛を食べに行ってみれば、観光客よりも、のんびり食事を楽しむ背広を着た地元のサラリーマンらしき人たちの姿が目立ちます。確かに、米沢の中心市街地は衰退しているけれども、人々の生活は豊かなのでしょうか。

(H.S)
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マンション管理の難しさ

2007-06-11 21:12:22 | 建築
昨日、マンションの現理事に「給水設備の改修に向け、何とかしなければいけない。おばさん主体の今の理事会ではダメだ。今度、相談しよう。」と声をかけられた。

この理事は、4年前にいっしょに理事をやった人で、私が管理会社任せでは、どうしてもブラックスボックスが多く、余計なお金を取られている気がするのと、よりよい管理を行うことで不動産価値を高めたいので、マンションドクターを置こうという提案に賛同してくれ、いっしょにマンションドクタープロジェクトを進めた人である。

これも結構大変だった。募集・審査・選定まで半年以上かかってしまった。

マンションドクターとは、掛かり付けの医者のような役割を担ってもらうもので、マンションの管理について、ハード・ソフトの面から何でも相談にのってもらえる人・事務所である。

契約したその年は、次年度以降からスタートする大規模改修の準備で、その次の年は改修のための計画書の作成、施工業者の選定(実績審査、監督者の筆記試験、面接、見積額等より)、発注、工事となり、マンションドクターのおかげで順調に進んでいた。

ところが、工事が終わると(というか工事の途中から現場管理人の評判はすこぶる悪かった)、改修工事の不具合がいくつかでてきて、マンションドクターも施工業者も、不具合に対する対応が非常に悪く、この調整にかなりの労力を割く羽目に。

その結果、マンションドクターは契約解除に。

こうなった原因は、施工業者の現場管理人が「大はずれ」だったことから始まり、施工業者に対する信頼がなくなり→あることないことマンションドクターの悪口を言いふらす人がでてきて→マンションドクターに対する信頼がなくなり→クレーマーが大きな声をあげはじめ→マンションドクターは信頼がなくなったことから半分いやけがさして投げやりになり。と悪循環に陥ってしまった。

何が問題であったかもう一度振り返って見ると

1)現場管理人がはずれだったこと。施工業者の選定は難しいということです。実績や面接ではわからない。
→現場管理者に的を絞ってチェックしなかったこと。
→現場管理者が行った物件での評価をチェックしなかったこと。

2)マンション管理会社とマンションドクター
→この両者が最初から険悪であったこと。

3)理事会として、文句ばっかりいって、マンションドクターや業者がやる気をなくしたこと(要するに現場管理人に恵まれなかったことが全てであるが、おこったことは仕方がないとして、いかにうまく乗せて、アフターケアをしてもらうかを考えなかったこと)

4)マンションドクターの人柄
→とても穏やかそうな人だったが、実は結構すぐにカット来るタイプだった。マンションドクターはいろいろな人がいるので、人あしらいが上手でないといけない。

等々、問題はいろいろある。

でも悔やまれるのは、せっかく苦労して、マンションドクターを選んだのに、ちょっとしたボタンの掛け違いで(これは人にって捉え方が違うが)、マンションドクターが解雇され、マンションドクターがいなくなってしまったことである。

この結果、今度の給水設備の改修工事で素人集団が、また頭を悩ませなければならないことになった。
管理会社主導にならないようにしないと。

まあ、とにかく、うまく伝わったかどうかはわからないが、
「とにかくマンション管理は難しいのだ!!」
「とくにワカランチンといっしょに議論するのは大変なのだ!!」
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エリアマネジメント・シンポジウム

2007-06-10 01:50:31 | デザイン
6/7(木)に行われた「エリアマネジメント・シンポジウム」に行ってきた。



「エリアマネジメント」とは、広義には「一定の地域(エリア)における地域住民・地権者に身近な安全・安心・美しさ・豊かさその他の地域における居住環境・市街地環境の維持・向上・管理を実現していくための地域住民等による様々な自主的取り組み(合意形成、維持管理、事業・イベント等の実施、公・民の連携)」を指すとされている。
簡単に言えば、商業業務地・住宅地の没個性化が進み、また人口減少時代の到来、市街地の縮減傾向の進行などを考えると、地域間競争に勝ち抜いていくためのまちづくりが必要になり、そのためのエリア関係者(住民等)の手による地域の管理・運営のことといえるのだろう。
冒頭の小林重敬・横国大教授の基調講演によれば、エリアマネジメントのルールの方向性には、「ボトムアップ(課題を解決していくこと)」「レベルアップ(価値を向上させていくこと)」「プリベンション(防ぎ守っていくこと)」の3つが考えられるという。

基調講演では、「大都市中心部(大規模跡地型、混在市街地型、既成市街地型)」と「既成住宅市街地」それぞれのエリアマネジメントの必要性と事例報告があり、エリアマネジメントへのアプローチ、組織のあり方等に関して課題提起がされた。
・・・自分の勉強不足があらわになる。。。
その後、主催者である国土交通省土地・水資源局から「新たな担い手による地域管理のあり方検討委員会報告」があった。
詳しくは、国土交通省のホームページに検討経過や報告内容が掲載されている。


続いて、エリアマネジメントの事例報告。
●コモンシティ星田HUL-1地区建築協定運営委員会(大阪府交野市)
建築協定による住宅市街地の価値向上に向けた地域住民の取り組み事例
-H17年度住まいのまちなみコンクール国土交通大臣賞を受賞している。

●WeLove天神協議会(福岡県福岡市)
徒歩圏内に非常に多くの都心機能が集積するコンパクトであるが故の課題解決とまちの魅力向上をめざした、企業、団体、住民、行政などによるエリアマネジメント事例
-天神ブランドの確立に向けてという副題がついた「天神まちづくりガイドライン」を作成中(H19年度に策定予定)
-「天神ピクニック」という街をあげてのイベントや「きれいな天神プロジェクト」なる環境美化活動、自転車と歩行者の共存をめざした「おしチャリロード」など、ユニークで魅力的な活動が取り組まれている。
協議会の概要や活動についてはWeLove天神協議会ホームページを。

●伊勢河崎の町並み保全型まちづくり(三重県伊勢市)
行政と住民間の対立を乗り越え、両者の協働による町並み保全に取り組んでいる事例
-河川の氾濫を契機とした河川改修計画を巡って行政と市民が対立していたが、市民のねばり強い町並み保存運動が実を結び、行政と市民の協働によるまちづくりが展開されている。
-旧商家を改修した伊勢河崎商人館を管理運営するNPO法人伊勢河崎まちづくり衆を中心として古い問屋街に残る蔵などを使いながら残していく活動がすすめられている。

後半のパネルディスカッションでは、エリアマネジメントを進める上での課題や方向性について意見交換された。
------------------------------------
◇エリアマネジメントには、ルーチン部分と付加部分がある。付加部分の取り組みをどのように進めるかが個性化、価値向上につながる。
◇共有できる価値をどのように見出していくかが重要。その価値は関係者自らで見出し(または創り)、共有していかなければならない。
◇価値の共有は総論的なものと各論的なもので温度差が生じる。
◇活動を進めていくとジャンプアップする時期(メルティングポイント)がある。関係住民等の反応を見ながら、活動を確認していく作業が必要。
◇活動を進めるには、活動組織に法人格を与えたり、権限を与えたりといった法制度の整備、活動する人が自分たちの活動の意義・効果を実感できるような仕組み、専門家の関わり方等が課題になる。
◇エリアマネジメントのための法整備を行うことが各地域における活動の画一化を招くおそれがあるのではという指摘の一方で、景観法のような枠組み法をつくることで十分対応可能だろうという考え方も。
◇エリアマネジメントのエリアは重層化している。テーマによってエリアが異なるため、レイヤーが重層化することを許容する柔らかな仕組みが必要か。
◇住宅地におけるエリアマネジメントは価値共有が意外と容易である(問題点が明確)が、商業業務地におけるエリアマネジメントは来街者との価値共有が必要となるため難しいところもある。
→住宅地についてはタイプ別の推進方策が整理できるのかも(エリアマネジメント推進マニュアル(H20発行予定)にぜひ盛り込んでみたい)。
------------------------------------
このような発言が印象に残った。

エリアマネジメントを行う組織は、自治会や任意の協議会、株式会社、NPO、中間法人など様々である。
しかし、求めるものは自分のまちの価値の向上、つまり住みやすさであったり、愛着心や誇りの確認・実感、商業地だったら魅力度アップだったりと、ある程度同じ方向を向いているのだと思う。
ゆるやかな法的仕組みによる裏付けのもとで、個性豊かで多様なマネジメントがエリアごとに行われ、互いに刺激しあうことでより魅力度を増していくような流れになればいいのかなと思う。
これからますます進んでいく人口減少時代。オールハッピーをめざすのは難しいのかもしれないが、どこにいっても同じ店が並ぶ街、同じ家が並ぶ街をつくってきた、そして選んできた僕たちが、自分のまち、そして他人のまちを評価してみるには、よい機会だと思う。
自分のまちは住みやすい方がいい。それは他人がつくってくれるものではない。自分たちでつくるもの。そのためには・・・。
専門家のひとりとして、地域の一員として精進しま~す。

(oba)
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代々木八幡の金魚まつり

2007-06-02 23:55:42 | 代々木上原情報
5/27(日)に代々木八幡宮で行われた「金魚まつり」に行ってきた。
この日は最高気温が29度まで上がって、夏のようだったが、境内は鬱蒼とした緑で覆われて、外の暑さを忘れさせてくれるかのようだった。

山手通りに面した階段を上ると、まずは参道の両側に並んだフリーマーケットのお店が出迎えてくれた。
中には、ブリキでできた金魚のオモチャを並べているお店もあった。
そして、八幡宮の前には、金魚すくいはもちろん、定番の出店が並ぶ。
わたがし100円、焼きそば200円。・・・安い。

そして、これが境内を練り歩く、金魚みこし。
なんともかわいらしい金魚のお神輿を子ども達が担ぐ。
笛の音と「わっしょい、わっしょい」の掛け声がなんとなく懐かしさを感じさせてくれる。


これはおみやげに買った手ぬぐいと提灯。
提灯。。。使い方がわからないので、置物として飾っておきます。


ちなみに、代々木八幡宮の境内には、竪穴式住居が復元してある。
何でもこの地には4500年前から人が住んでいたらしい。
八幡宮が創建されたのは1200年代だというから、いつの時代も人々の暮らしやすい土地だったということか。


(oba)
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長野松本最終回

2007-06-02 12:57:20 | まち歩き(中部・北陸)

1時50分松本着。約10分の遅れ。

無料レンタサイクル(「すいすいタウン事業」)を借りに市営駐車場Mウィングへ。

駐車場の管理室に行ったら、自転車はここにあるのだが、貸出の受付は別棟2階公民館へとのこと。
なんで、ちゃんと管理室があるのにわざわざ別の棟に行かなくちゃいけないの??
どう考えたっておかしいでしょ!!

と思ったが、借りたいので公民館に行った。

本日の予定は、3つの市営駐車場の調査。Mウィング、大手門前駐車場、中央西駐車場。次の写真はMウィングパーキング。
景観への配慮、賑わいの演出、観光バス駐車場の確保、オープンスペース等の確保、集客施設との複合化の状況等を調査。



松本市は、中心市街地において、土地区画整理事業、街並み環境整備事業、市街地再開発事業等面的整備が実施され、10年ぐらい前に訪れた時と比較し大きく様変わりしていた。

道路は拡幅整備され、広い歩道、歩道にはせせらぎが設けられ、緑化も行き届いている。
ただ、できてまもないこともあり、人工的な感じで水や緑はあるがうるおいは感じない。個人的感想。



白壁の蔵が数多く再生利用させ、安らぎ、くつろぎ、親しみを感じるような小さな空間がちょこちょこつくられている。





女鳥羽川にかかる一ツ橋は歩道部分が広く、大正ロマン風のデザインで夏の夕涼みにはいいかも。
橋というのはこういう風に歩道を広くとり、ペーブヤ欄干を上手にデザインすると魅力的な空間になることがわかった(写真を撮ったつもりがなかった)。

橋を渡ると、右手の河岸沿いに「縄手横丁」というのがあり、四柱神社の門前横丁が昔の街並み風に再生され賑わっている。



このほか、松本には、まだまだレトロな雰囲気を感じる建物や街並みが残っており(縄手横丁の北側にある。これも写真を撮っていなかった)、こちらはスクラップアンドビルドではなく、ちょっと懐かしい昔を感じさせる街として、うまく活用されると松本の魅力がもっと高まるのでは。

下の写真は和菓子の老舗「開運堂」。竹中工務店の設計?(事務所がこのビルに入ってた)
ここでおみやげに買ってきたら、結構評判がよかった。
品のいい味だった。



結局、長野駅で立ち食いそばを食べてから何も食べずに、4時になってしまった。腹が減ったので縄手横丁の喫茶店でカレーを食べた。なんで松本でカレーなんだ。
この時間食事ができるのは喫茶店ぐらいしかない。

信州はIターン人口が最も多い県であるが(ちょっと前。今は知らない)、
美しい山並みに囲まれ、
市街地の中を川が流れるなど豊かな自然に恵まれ、
歴史的資源が多く、
文化度も高い、
農産物も豊富、
等々確かに魅力のあるところかもしれないとおもった。

そういえば、風林火山の旗が街なかにいっぱい立っていたので、自転車に乗っている間、頭の中でNHK大河ドラマのテーマ曲がずっと流れていた。

松本発4時59分の新宿行きに。
塩尻駅でびっくり。ホームにブドウ棚があった。


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