社会空間研究所 建築・まちづくり通信

社会空間研究所の所員が建築・まちづくりに関する情報等を気ままに綴ったブログです。
2007年6月からスタートしました。

新型コロナウイルスの影響への対応/家賃猶予や家賃助成の例

2020-04-30 17:00:49 | 制度・しくみ

(1)家賃猶予

◎大東建託

 -家賃最大3か月猶予

 -猶予を求める人は、理由や支払い計画などを記した申請書などをメールなどで提出する

 -猶予期間は連続3カ月でもでも、1カ月ごとでも可能

 -猶予した家賃は一時的に同社が負担

 -猶予を受けた家賃はその後最大2年間で分割払いできる

 

(2)家賃補助

◎福岡市

 -休業や時短営業する事業者に対し賃料の8割、50万円まで支給。

 -県の休業要請を受けた全ての中小・小規模事業者が対象。

◎新宿区

 -飲食店や習い事教室などのテナントに対して減額した家賃の半額を助成

  (1物件上限5万円、5物件分まで)

 -物件を5年以上所有している、小規模企業者や個人事業主が対象。

そのほか、山形市、郡山市、千葉市、鎌倉市、北九州市等が実施している。

詳細は、各自治体のHPをご覧ください。

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テナントビルや住宅など賃貸物件の賃料の支払い猶予と助成

2020-04-28 16:40:52 | 賃貸住宅

新型コロナの影響により、

商業施設やテナントビル、住宅など賃貸物件の支払いが困難になるケースが発生していことから、

国は不動産業界6団体に「支払い猶予に応じるなど柔軟な措置の検討」を要請しました。

一方、不動産業界側の全宅連は、

「会員企業からは『オーナーへの一方的な協力要請だけでなく、合わせて支援措置を』の声が強まっている」

「中小事業者は賃料収入が途絶えれば事業が継続できなくなる」と述べ、財務基盤の弱い中小事業者の窮状を訴えたようです。

具体的には、

 ◎減免賃料に係る税務上の損金算入措置

 ◎中小、個人事業者等への給付金制度

 ◎中小事業者に対する納税猶予および固定資産税減免措置

 ◎賃料助成制度の創設(代理納付などで確実に賃料支払に充てられる措置)

の速やかな実施を要望した。

■2020/04/21 住宅新報記事

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減災型のまちづくり模索 

2020-04-22 15:51:53 | 気になった記事

日経新聞2020年4月20日の記事

【防災・減災等のための都市計画法・都市再生特別措置法等の改正について】

①見直しの目的

頻発・激甚化する自然災害に対応するため、災害ハザードエリアにおける開発抑制、移転の促進、

立地適正化計画と防災との連携強化など、安全なまちづくりのための総合的な対策を講じる。

新聞記事が示すように立地適正化計画を策定した都市のうち、居住誘導区域に災害地区を含む都市が275都市もある。

 《災害レッドゾーンを含む都市》

  -災害危険区域 3都市

  -土砂災害特別警戒区域 6都市

  -急傾斜地崩壊危険区域 10都市

 《災害イエローゾーンを含む都市》

  -浸水想定区域 242都市

  -土砂災害警戒区域 93都市 

  -津波災害警戒区域 26都市

策定当時はこれほど大規模な自然災害が頻発することはなかったし、また、都市形成の過程、現状の都市機能の集積等を踏まえると、居住誘導区域から除外するのが難しいのも事実である。

しかし、さすがに近年の大規模な自然災害の発生頻度を踏まえると、今のゾーニングはリスキーであることから「災害レッドゾーン」は居住誘導区域から除外せざるを得なくなった。

浸水想定区域等については、「防災指針」をきちんと作ることで居住誘導区域として残した。ただ、沿岸の都市や市街地を川が流れている場合、居住誘導区域と浸水想定区域がかさなっているケースが多いので、防災指針が指針だけで終わると大きな災害に見舞われる危険がある。

京都府舞鶴市の居住誘導区域の設定がすごい

→市街化区域に占める居住誘導区域の面積割合が7%なのだ。ほかの都市の多くは80%前後らしい。

 (正直、8割だとあまり居住誘導区域を決める意味がないような気がする)

→舞鶴市は居住誘導区域を駅周辺に絞り込んだそうだ。

 

②都市再生特別措置法等の改正案

■立地適正化計画の強化(防災を主流化)

 ○立地適正化計画の居住誘導区域から災害レッドゾーンを原則除外

 ○立地適正化計画の居住誘導区域内で行う防災対策・安全確保策を定める「防災指針」の作成

  ⇒避難路、防災公園等の避難地、避難施設等の整備、警戒避難体制の確保等

■災害ハザードエリアにおける開発抑制(開発許可の見直し)

《災害レッドゾーン》

 ○都市計画区域全域で、住宅等(自己居住用を除く)に加え、自己の業務用施設(店舗、病院、社会福祉施設、旅館・ホテル、工場等)の開発を原則禁止

《浸水ハザードエリア等》

 ○市街化調整区域における住宅等の開発許可を厳格化(安全上及び避難上の対策等を許可の条件とする)

 

また、一方で被害を減らすいろいろな取り組みが求められる。

滋賀県では「浸水警戒区域」を指定し、区域内で住宅を新築・増改築する場合、地盤のかさ上げなどを義務付けた。

また、不動産業者にも契約時に浸水リスクを具体的に顧客に説明することも求めている。

千葉市も物件の紹介時に顧客にハザードマップで浸水リスクについて説明することを要請。

※現在の法令では「土砂災害」や「津波」と異なり、水害は説明が義務付けられていないらしい。

 

改正案の詳細は ⇓

https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001326007.pdf#search=%27%E5%B1%85%E4%BD%8F%E8%AA%98%E5%B0%8E%E5%8C%BA%E5%9F%9F%E3%81%AB%E7%81%BD%E5%AE%B3%E5%9C%B0%E5%8C%BA%E3%82%92%E5%90%AB%E3%82%80%E9%83%BD%E5%B8%82%27

 

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『大家さんのための「単身入居者の受入れガイド」』の紹介です

2020-04-09 15:18:14 | 賃貸住宅

大家さんの中には、単身入居者が亡くなり、相続人等が分からない

または、支援の期待ができない場合に「居室内の残置物をどう処分したらいいのかわからない」

「手続きが煩雑」といった声があります。

このような声にこたえるために、国土交通省が法務省民事局の協力のもとに、

『大家さんのための「単身入居者の受入れガイド」』を策定しました。

このガイドが、少しでも、単身高齢者をはじめ住宅確保要配慮者に対する大家さんの拒否感・不安感の払拭につながればと思います。

内容は、

賃貸借契約の終了や残置物の処理に関連する現行法令や制度等にどのようなものがあるかを整理するとともに、

様々な工夫や取組を紹介したものです。

次のような項目で構成されています。

(1)単身入居者受入れの基本的な対応の流れ

  【契約前】入居者情報の把握
  【入居中】単身入居者との関わり、工夫
  【その後】相続人等へ対応の依頼

(2)活用可能な制度

  ①終身建物賃貸借契約の締結

  ②定期建物賃貸借契約の締結

  ③相続財産管理人

  ④地方公共団体の補助制度等の活用
   ◎入居中のサービス

   ◎死後(契約終了後) のサービス

  ⑤居住支援協議会や居住支援法人等のサービスの活用

   ◎入居前のサービス

   ◎入居中のサービス

   ◎死後(契約終了後) のサービス

  ⑥家賃債務保証の活用

  ⑦損害保険の活用

  ⑧少額短期保険の活用

『大家さんのための「単身入居者の受入れガイド」』の詳細につきましては、下記URLをご覧ください。

 ⇓

http://www.mlit.go.jp/common/001338112.pdf#search=%27%E5%9B%BD%E5%9C%9F%E4%BA%A4%E9%80%9A%E7%9C%81+%E5%8D%98%E8%BA%AB%E5%85%A5%E5%B1%85%E8%80%85%E3%81%AE%E5%8F%97%E5%85%A5%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%27

そのほか、民間賃貸住宅の入居・退去に関する留意点等に関しては、国土交通省の民間賃貸住宅のHPをご覧ください。

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000016.html

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梅田の換気塔 村野藤吾先生のデザインでした。

2020-04-02 23:40:27 | 建築

先日紹介した梅田の換気塔は村野藤吾先生のデザインでした。

やっぱり、本物のデザインは違います。

でも村野藤吾先生とは予想外でした。それも昭和38年のデザインです。

いいものは時を過ぎてもいいんですね~。あらためて思いました。

ちなみに、あくまでも推測ですが、

フランク・オーウェン・ゲーリー設計のビルバオのグッゲンハイム美術館のデザインはこの換気塔にヒントを得た気がするのだが。

違うかな〜⁉️

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藤森照信さんの著書「建築とは何か 藤森照信の言葉」は面白い!

2020-04-02 18:36:45 | 建築

急に思い立って、だいぶ前に読んだ藤森さんの著書「建築とは何か」を読み始めた。

やはり面白い。

まず、まえがき

「はじめて、建築というものの背後に思想があることを知ったのは、恥ずかしさを込めて言うが、学生時代、黒川紀章の講演でメタポリズムの話を聞いた時だった。」

フンデルトワッサーについて

「世界的人気ダントツ1位のガウディにフンデルトワッサーは並んでいる。このことをウィーンの街角で見せつけられて、あれこれと考えざるを得なかった。以後もずっと考え続けている。

 ガウディとフンデルトワッサーの差について考えてみよう。ともにグニャグニャ不安定系で、彫塑的造形なのだが、ガウディにはフンデルトワッサーにない秩序が感じられる。・・・・・

では、ガウディとフンデルトワッサーの同じ点は何か。どうして二人は並んで世界的な人気を独占しているのか。ここんところがよく分からないのだ。・・・・」

安藤忠雄の藤森先生の建築はいわゆる現代建築史の流れと意図的に外されているように見えますがの問いに対して

「42歳ではじめて設計に取り組んだ時、いくつかの枠を自分に課した。その一つが既存の設計と似てはならない。なんとしても安藤忠雄や伊藤豊雄や石山修武や重村力といった同世代の「デザイナーの皮をかぶった動物」たちと似てはいけない。似たとたん、「藤森も設計はこの程度か。そんなやつの文章もタカが知れている」と、本業の文章がナめられるからだ。」・・・・・・・・」

とにかく面白いんだから。

皆さん読んで!!

▼この本です。

▼目次です。

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