社会空間研究所 建築・まちづくり通信

社会空間研究所の所員が建築・まちづくりに関する情報等を気ままに綴ったブログです。
2007年6月からスタートしました。

地方都市雑感

2007-06-12 22:24:25 | 気ままに
先日、両親と共に盛岡市、山形市、米沢市に行って来ました。盛岡市内に祖父母の墓があり、法事に合わせ両親の希望により山形市と米沢市へとまわり、各市に一泊の家族旅行です。両親は高齢のため、レンタカーを借りて市内観光、というより、車で市内をうろうろしてきました。

これまで、地方都市の中心市街地の活性化や街なか居住などの仕事に携わってきましたが、仕事を離れ、一旅行者として地方都市の中心市街地に接することは、なにか新鮮な思いがしました。

わずかばかりの滞在時間で何となく感じた程度の内容で恐縮ですが、3つの都市の中心市街地について、素直な印象を書いてみたいと思います。

印象を一言で言えば、盛岡市は整った美しい街、山形市は洗練されてはいないけれども暖かさを感じさせる街、米沢市はのんびりとした風情と昔を思わせる街、でした。

念のため人口規模を見ると、盛岡市は約29万人、山形市は約25万人、米沢市は約9万人です。盛岡市と山形市はともに県庁所在都市で、米沢市の3倍程度の人口規模。

盛岡市を整った美しい街と感じさせた理由は、街の中を流れる北上川と中津川の存在、城跡を中心に形成されている中心市街地、街の随所から臨む事のできる山並みなど、目に入る景観のどこかに洗練や美しさを感じます。もちろん、他の地方都市と同様に、衰退した印象もありますが。

盛岡市と同様の人口規模で同じく県庁所在都市でありながら、山形市は全く異なり、こじんまりとしていて地味な街です。盛岡市に比べて中心商店街の道路は狭く、コミュニティ道路が整備されているなど、努力の跡が見られますが、空き店舗ばかりが目に付いてしまいました。また、城跡は中心商業地区から離れており、県庁も郊外にありますが、このようなことも影響しているのかも知れません。ただ、街並みや、この街に暮らす人々との距離がとても近く感じられ、夕暮れ時に裏道をうろうろしていると、みそ汁のにおいが漂ってくるような気になる街でした。

以上の都市の三分の一程度の人口規模の米沢市は、「上杉の城下町」としての歴史や「米沢牛」など、観光都市としての性格を持っています。しかしながら、街一番の商店街を歩いても、人通りはとても少なく空き店舗も目立ちます。平日の夕方に一番大きな百貨店に入ってうろうろしてみました。天井は低く建物は古びていますが品揃えは比較的洗練されており、お客さんも多く、少し意外でした。子供の頃、祖母や母の買い物についていき訪れたデパートに、タイムスリップして迷い込んでしまったかのような気分です。また、米沢牛を食べに行ってみれば、観光客よりも、のんびり食事を楽しむ背広を着た地元のサラリーマンらしき人たちの姿が目立ちます。確かに、米沢の中心市街地は衰退しているけれども、人々の生活は豊かなのでしょうか。

(H.S)
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