社会空間研究所 建築・まちづくり通信

社会空間研究所の所員が建築・まちづくりに関する情報等を気ままに綴ったブログです。
2007年6月からスタートしました。

植物と建築の融合 東京・大塚の「Overlap House」(設計:平田晃久氏/植栽:塚田有一氏)

2022-01-19 16:57:40 | 建築

『TOTO通信 2022年新春号 特集「植物と建築の融合」』に、以前、見に行ったことがある大塚の「Overlap House」(設計:平田晃久氏/植栽:塚田有一氏、建物には「Greendipity」と書かれている)が紹介されていた。 ↓

※上の写真は雑誌に掲載されていたものです。無断掲載してすみません。

TOTO通信電子版 → https://jp.toto.com/tototsushin

訪れたのが2019年1月だから、あれから2年半が経っている。植物たちは順調に育ったようだ。

今回、この特集記事を読んで、壁の色に迷彩色が採用された理由がわかった。色を決めるのにここまでやるのかと驚かされ、「迷彩色は好みではない」などと軽々しく書いてしまったことを反省している。

https://blog.goo.ne.jp/shaku-ken/e/f68f53897e91b7407e9aa3b411c69b8d

「当初は白い建物で考えていたが、白だと周囲の環境から明らかに浮いてしまうと思い、周辺の建物の壁や植栽を写真でサンプリングして、色の割合を計算し、それぞれの壁面の背後に広がる色の比率に合わせてスレート壁の色彩パターンを変えて貼っている。」とのこと。
す、すごい!!!

また、この建物がおもしろいのは、オーナーが「水やりができる方」を入居者の条件としたことである。これにより、植物が良好な状態が保たれている。
植栽を担当した造園家の塚田有一さんは、年に5回、メンテナンスに通い、オーナーや住民と直接お話をし、植物の名前を聞かれたり、水やりは足りているかなどの相談を受けたりするとのこと。塚田さんは「庭はつながりを感じるための装置でもある」と話している。

平田さんは「この集合住宅は不動産価値的にいうと、床面積が60~70㎡の賃貸住宅というスペックでしかカウントされないのが現状だが、将来的には庭の豊かさが家賃にも反映される時代が来るのではと思いますね。」と話している。
同感である。これからはもっともっと植物を取り込んだ建築を見てみたい。

ちなみに、わたしの好きな建物が大阪の船場にある。それは「小倉屋山本の本社ビル(オーガニックビル)」。この発想がおもしろい。

 ◎所在地:大阪市中央区南船場4丁目7番21号

 ◎設計:イタリア人デザイナーの「ガエタノ・ペッシェ氏」

【オマケ】

下のURLは大塚界隈を歩いた時のブログです。

https://blog.goo.ne.jp/shaku-ken/e/508e3667d38776645fb11652ff0146be

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大森駅~大森貝塚~山王地区~南馬込を散策してきました

2022-01-05 18:43:22 | まち歩き(東京)

■12月21日、火曜日、晴れ

この日、大田区南馬込に行く用事があった。せっかくの機会だと思い、あの有名な「大森貝塚跡」を見学してきた。

貝塚見学のあとは、一般にはあまり知られていない大田区の高級住宅地・山王1・2丁目を散策。

この日の散策ルートは下の地図の緑色の線です。

JR大森駅西口に出て、線路と平行に走る池上通りを品川方面に歩いた。

早速、DEEPな飲み屋街を発見。
池上通りから階段で5mぐらい下がったところの線路沿いに「山王小路飲食店街」という飲み屋街があった。
いわゆるションベン横丁的な飲み屋街である。
こういうところに美味しい居酒屋さんがあったりするのだが、さすがに地元の人が一緒じゃないと入れない。
高低差が5mほどあるのは、かつてここが水際だったのかも知れない。貝塚もあるし。

▼大森駅前

▼山王小路飲食店街

▼なかなかDEEPな感じでしょ

この商店街を横目で見ながら池上通りをさらに進むと、NTTビルの横に「史跡大森貝塚」という小さな案内が見えた。

お、いよいよ大森貝塚だと思い、わくわくしながらビルの裏口に通じるような小路に進入した。
玉砂利の道を進み階段を降りると、壁に「モース博士と大森貝塚」というプレートが埋め込まれていた。

これによると、アメリカ人のエドワード・モース博士が1877年6月、横浜から新橋へ向う車窓で、大森貝塚を発見したとある(そうか、電車に乗っていた時に発見したんだ)。
いよいよかと思い、さらに線路際に進むと、「我国最初之発見 大森貝塚」と書かれた立派な記念碑があった。が、肝心の貝塚の地層はここにはなかったのでR。

▼史跡大森貝塚

▼線路沿いに建てられている大森貝塚の記念碑

▼道路の反対側にあった日枝神社(参考まで)

スマホで地図を見ると、もう少し品川方面に「大森貝塚遺跡庭園」という公園があった。

ここに行けば「迫力ある貝塚の地層」が見られるだろうと足を運んだが、貝塚は公園の通路の一角にちょっとあるだけだった。
小学校で習ったあの「大森貝塚跡」はこれだけ~~??。
とても残念!!というよりショックだった。

まあ冷静に考えれば、明治10年に発見された貝塚がそんなに丁寧に保存されるわけもなく、やむを得ないと言えば、やむを得ないことであると、自分を納得させた。

▼品川区立大森貝塚遺跡庭園

▼本物の貝塚の地層はここだけだった。幅2~3m、高さ2mぐらいだろうか。

気を取り直し、高級住宅地山王地区の散策に。
池上通り沿いのファミリーマートから山王1丁目に入る。
このあたりは普通の住宅地である。歩いていると山王小学校にぶつかり、小学校沿いを歩いて山王交番前にでた。

▼山王1丁目の住宅地

▼名門?山王小学校

交番前の横断歩道を渡り山王2丁目に。行き当たりばったりに、永年の街歩きの感を頼りに歩く。
だんだん雰囲気のある住宅が目につくようになってきた。

さらに歩くと、建物の隙間にテニスコートが見えた。
近くまで行くと「大森テニスクラブ」という看板が見え、クラブハウスにはテラスも付いていた。クラブハウスはかなり老朽化しているがこのテラスの感じから察するにかつては名門だったような気がする。

大森テニスクラブの歴史等を知りたい方は以下のURLをご覧ください。
http://www.omori-tennis.com/index.php?mod=multiview&mvid=3

▼山王2丁目の住宅地

▼大森テニスクラブのクラブハウス

大森テニスクラブ沿いの道を西側に歩いていくと、軽い上り道となり、両側の住宅地は敷地の広い邸宅が続いている。

路線価を調べてみると山王2丁目では、ここの路線価が最も高く52万円/㎡だった。
ちなみに上原2丁目の住宅地は87万円/㎡もする。大山町だと95万円/㎡だ。

まあ、こちらは都心だからしょうがない。

ついでに田園調布も調べてみたら大山町と同じ95万円/㎡だった。

▼このあたりで一番路線価が高い住宅地

山王地区の散策を終え、環七を渡り、馬込東中学校の横を通り、目的地の八幡神社の方面へ。

この途中、おいしそうな魚屋さんを発見。イカ刺しとタコ刺しを購入。
早速、親戚の家でビールのつまみに食べたが、やっぱり想像通り美味しかった。

親戚で聞いたら、この魚屋さん、このあたりでは有名なお店で、俳優の中村トオル・鷲尾いさ子夫妻も買いに来るらしい。

約4kmの短い散策だったが、知らない街を歩くのはやはり楽しいものだ。次回はどこに行こうかな~。

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